昨日、徳冨蘆花「寄生木」の主人公の話をしましたが、
寄生木の主人公-篠原良平はどんなキャラクターだったのか、
そんなことを考えていて、これはと思う人が浮かびました。
満島真之介さんです
彼の姉は満島ひかりさん。
姉弟してハーフっぽいのは、父上がフランス系アメリカ人とのハーフ、つまり2人はクオーターだからです。
真之介さんは特にバタ臭い顔なので、デビュー当初は日本人の役が馴染まない気がしました。
しかし最近はどんな役がらでも、違和感なく見られるようになりました。
むしろ、あの大きな目がいい味を出している。
真面目と不真面目のどちらともつかない、悪でも善でもどちらの表情にも見える、貴重な目つきです。
そんな満島真之介さんが好演したのが、NHKドラマ「夏目漱石の妻」でした。
満島さんは、「夏目漱石の妻」の第三話に荒井という青年役で出演しました。
ここからはドラマの流れです⤵
夏目家にふらっと訪ねてきたその青年は、足尾銅山から3日かけて歩いてきたといいます。
彼の名前は荒井伴男。
鉱山の坑夫の彼は、「夏目先生に是非、自分のこと、足尾鉱山のことを小説にして欲しい」と言います。
漱石「銅山や君の話が小説になるくらい面白いのかね」
荒井「先生なら面白いと思われるはずです。銅山は奇妙な世界ですから」
漱石「奇妙?」
荒井「実に」
興味を抱いた漱石は、荒井を自室に招き入れます。
夏目家に足しげく通ううちに、娘の筆子の算術をみてやったり、
鏡子の従妹-山田房子とも仲良くなり、すっかり溶け込んでいく。
妻の鏡子は、荒井のことをよく思っておらず、
木曜会の弟子たちの評判も すこぶる悪い「私たちには挨拶なしです」と。
夜更けまで居座る荒井を、妻の鏡子は帰そうとします。
鏡子「まだお話は終わりませんか?」
漱石「まだもう少しかかる、今日は泊まってもらうかも知れない」
鏡子「えっ、もうお風呂屋さんは終わってしまってますし、あのまま寝てもらうのはお気の毒ですし
近所の宿を紹介してあげた方が ⵈⵈ 」
漱石「とにかく話が面白いんだ。小説に使えるかもしれないんだ。」
鏡子「明日また来ていただけばいいじゃないですか。」
漱石「このまま一気にやりたいんだ。」
漱石「とにかく、これは俺の仕事なんだ、邪魔しないでくれ」
漱石に関心を持たれた荒井。
物書きは、こういう男に興味をひかれるのかも知れない。
くりんとした目をキラキラさせた荒井は、
漱石が「宿代」と言って渡した封筒を寸時に懐に入れます。
その、素早い受け取り方が良かった。
荒井の父は金持ちで、彼は高等教育を受けています。
資本主義者の父との折り合いが悪く、出奔し足尾鉱山で働く荒井は、社会主義の運動家になっていた。
貧しくも自己を貫き、そのためなら手段も択ばず、ギラギラした野心をいだく青年。
こういう青年が、小説家に「面白い男」と思われるのではないかと思いました。
真之介さん演じる荒井も、「寄生木」の篠原良平も、育ちは悪くない。
背筋はピンと伸びていて、卑しい感じはなく、眼差しはギラギラしています。
そんなところが共通点ではないかなと思いながら、このドラマを観ました。
「寄生木」は発表当初、女学生を中心に物凄くヒットしたそうです。
寄生木のどこに、若い女性が魅かれたか、私にはわかりませんが、
乃木将軍もでてくるし、東北の農家のことも興味深いし、203高地の話もドラマチックだし、
こういう話がドラマ化されないかなと思いました。
でも、主人公がクズ男だとダメかな・・・。
そうとも思えますが、NHKならドラマ化可能なのではないかしら。
こういうガツンとした明治のドラマも見てみたいと思います。
主演の良平役は、是非 満島真之介君で。
本日の朝ごはん
凄い量に見えますが、麺は一人前です。
レタス、きゅうりを沢山千切りにしたら、こんなボリュームになってしまった。
ところで、今回の冷やし中華は、昔ながらの酢醤油味でした。
私が選ぶと、大抵ごまダレだけど、こういうのもいいかな。
パッケージの中に「ふりかけ」の小袋がありました。
のりたまみたいなやつです。
そういえば、ツユだれ付の冷やし中華に「ふりかけ」ありましたねぇ、
昔ながらっぽい商品に。
あの「ふりかけ」って、いつ誰が付け始めたんでしょう。
何だか、懐かしいなぁ、と思いながらパラパラふりかけました。
夜ごはん
出先から「チキンカツが食べたい」と電話。
パン粉も、卵も、小麦粉も、油もあるから、鶏肉だけ買ってきて。
鶏肉二枚で、この量できました。
おー、前回よりも均等に色つやよく揚がってる。
「他に何が食べたい?」と聞いたら、もうこれで十分という。
酢の物、枝豆を添えて、これだけで終わりにしました。
左下の薄焼き玉子は、カツを作った残りの卵です。