NHKスペシャル「ジャニー喜多川が築いた“アイドル帝国”の実像に迫る」を視聴。
この番組は、放送直後から大きな反響を呼んでいる。
特に初代ジャニーズの故・中谷良さんの家族に対する、スマイルアップ担当者の対応に批判が集まり、新聞・雑誌・SNSなどでも大きくとりあげられている。
番組では、ジャニー喜多川氏の幼少時代を知るアメリカの友人の話、フォーリーブス江木俊夫のインタビュー、被害を受け告発した方の証言などが紹介されていた。
私が最も驚愕し腹立たしく思ったのは、中谷さんの家族への話と、元NHK職員・若泉氏の話だった。
中谷さんの家族への話
性加害を書籍で告発した初代「ジャニーズ」故・中谷良さん。
姉の幸子さんは弟の代わりに謝罪の申告をした。
幸子さんの話はこうだった。
「最初に電話でジャニーズの担当と電話で話をした時は『いやー、ジャニーが悪いんです。もう何を言ってもジャニーが悪いんですので、受付させていただきます』とおっしゃって、それからずっと連絡なかったんですけど、もう一回電話があった時に『実は会社の中で、ジャニーズを反抗するような本を出している人に、そんなお金なんか出せるか、金取る気か、って話になったのでご破算になった。』結局、補償問題はだめっていうことになったんです」
「結局『ジャニー悪いです』って言いもって、何も悪いということを一つも思っていらっしゃらないんだな、とつくづく思いました」
NHKはこの件で、告発本 ( 暴露 ) を出した被害者に対してどういう対応をしたのか取材をしたところ、スマイルアップからは以下の回答があったという。
いわゆる「暴露本」を出版したことをもって補償対象としないという方針は有していない
問題の、スマイルアップの謝罪本部長と幸子さんの会話を書き起こしてみた。
直接電話をする幸子さん
「わたしねちょっとお尋ねしたいと思いましてね」
「ええ」
「どういう謝りかた、お金はいいんですよ、謝りかたをしていただけるのかなと思って、お尋ねしようかなと思って、なんかそれがすごく私は気になっていたんです」
「なるほど」←スマイルアップ 補償本部 本部長 ※ 以下彼のコメントは黄色
「うーん すいません 簡単に答えられなくて
ただ誰が何を謝るんだというのが、ちょっと今 分からなくて
その本人たちが死んじゃっているんで」
「そうですね」
「あの、被害者の方々に東山が会う時は謝罪をしているんですけどー」
「はいはい そうですね」
「あの おっしゃっていること分かるけど
本を書かれて痛めつけられたことは間違いないんで
会社としては すごくつらい目にあったのは間違いないんで」
「だってそん影響ありました弟の本で」
「僕 その時期のことは知らないんで そこで謝罪はないと言われたら
うーん じゃあ謝罪すればいいのかな としか今ちょっと思えなくて
謝罪する相手は本人なんですよ」
「あそう、それなら仏様の前でお参りしてくれる?」
「・・・」
「お墓行ってお参りしてくれる?」
「それは東山がするの?」
「そりゃそうでしょう だって当たり前のことじゃない。だって亡くなっちゃったんだから」
「なんで東山がしなきゃいけないのか僕 分かんないんですよ」
「だって社長でしょ?」
「『メリーが謝れ』『ジャニーが謝れ』だったら僕分かるんでけど」
「だって今 代表じゃない」
「東山は別に加害者じゃないですからね だから今心の底からお詫びがでいないんで、
今の話を聞いていると」
「ん?」
「心の底からお詫びができないんで」
「あっ心の底から?」
「ん お詫びはできないんで」
「ああ、そうなの? そんな悪い あの できないようなこと私言ってる?」
「うーん うーん ちょっと僕は納得いってないんですね」
「言ってますか? へーそうお」
「だからそれも含めて ちょっと東山と相談してみますけれど」
「はい、お願いします」
本部長といっても声の感じでは30代でこぼこの感じで、
とても補償対応の《本部長》が務まる器ではなかった。
敬語も使えず、相手の気持ちを逆なでするような態度で
「僕は納得いってない」「心の底からお詫びできない」というのには心底驚いた。
NHKへの回答では「いわゆる「暴露本」を出版したことをもって補償対象としないという方針は有していない」だったらしいが、本部長の見解には中谷さんが本を出されたに対してハッキリとこう述べている。
「本を書かれて痛めつけられたことは間違いないんで
会社としては すごくつらい目にあったのは間違いないんで」
この会社の体質は全く変わっていない。
当事者が亡くなっているとはいえ、彼らの姿勢は変わっていない。
「死んだジャニーやメリーはそりゃ悪いことしたけど、なんで今自分たちがこんな辛い目に遭わなきゃいけないんだよ」という気持ちをお持ちなのだろう。
性被害に会われた方やその家族に対する対応に《お辛い思いをさせてすみません》という言葉はまるでなく「暴露本なんか書いて自分の会社がすごくつらい目にあった」と言えるその神経がわからない。
こんな返答をするしょうもない社員しかいないから、この社員を本有部長に据えるしかないのかも知れないが。
番組の末尾にはこんなナレーションがあった。
その後、スマイルアップの東山社長は、中谷さんの姉と面会、ジャニー氏の性加害について謝罪した
驚いたのはもうひとつ、最後の最後に、このようなテロップが記されていたことだった。
2024年10月16日
NHKはスタートエンターテイメントの所属タレントへの出演依頼を可能とすると発表した
所属タレントへの出演依頼を《しない》ではない、《解禁した》であった。
そこにはこの人物の関与が大きく関わっているように感じた。
元NHK 若泉久朗氏
若泉氏が、2015年~2017年 制作局長をしていていた時に旧ジャニーズの起用が多くなっている。2020年~2022年理事をしていた後、氏はジャニーズ事務所に移り、現在は新会社スタートエンターテイメントの顧問となっている。
NHKスペシャルのスタッフは若泉氏に一年前から再三にわたり取材を申し込んだが直接話を聞くことはできなかった。
直撃インタビューをした
「すみません若泉さんですか。突然すみませんNHKの中川です。お手紙さしあげた」
「あー なんで僕なんですか、仲間じゃないですか、僕たち」
「だったら逆にお分かりいただけるんじゃないかと思って。それは当然検証する義務があるんです。そこに所属する人間として。その話をその時ご存知の方にしてもらわないと」
「僕個人で今ここで語ることはできない。なぜなのって関係しているから まだ。
そこはちゃんとスタートエンターテイメントの広報を通してもらわないと」
その後、スタートエンターテイメントを通じて取材を申し込んだところ次のようなコメントが届いた。
質問 1 ) ジャニー喜多川氏の性加害問題について、若泉様はいつ認識しましたか?
文春報道は知っておりましたが、局内で注意喚起はなくNHKも報道していませんでした。私がドラマ部長だった時期はNHKへの接触者率が減少し続け『このままでは将来 公共放送として生き残れるか』という危機感が広がっていました。NHKはもっと幅広い世代の視聴者層に見て頂き信頼を高めることを経営計画に定めました。幅広い世代層を獲得するために旧ジャニーズ事務は重要なパートナーの一つでNHKが支持される重要な役割を担ってもらいました。公共放送としてこれからも支持されるためにはどうあるべきかNHK自身が問われていると考えます。
全く答えになっていない。
この番組を見て私は、NHKの中でも《新会社スタートエンターテイメントへの起用は必要》という立場の人と、《補償や謝罪が終了しスマイル・アップがなくなるまで、新会社スタートエンターテイメントのタレントの起用は控えるべき》という立場の人がいるのだと思った。
今回のNHKスペシャルのスタッフは、後者の考えで「これで禊が済んだ」とは思っていないのではないだろうか。
だからあえて番組の最後に「2024年10月16日付 NHKはスタートエンターテイメントの所属タレントへの出演依頼を可能とすると発表した」というテロップを表記し、局内に対しても問題提起をしたのではないかと、私は感じた。
今回NHKが、新会社の所属タレントへの出演依頼を解禁したことについては、番組で「仲間でしょう」発言をした若泉さんが大きく関与し橋渡しをしているようにしか思えず、こういうことをしている限り、この問題は解決しないのではないかと重い気分になった。
本日の朝ごはん
金ちゃんラーメン
本日の夜ごはん?
LEYの肉まん
と、、、、ペペロンチーノ
なんだか妙な夜ごはんだ
お晩酌は、白ワインみねこ割