旧前田邸をゆっくり見学して、外に出たらいい時間になってしまっていました。
《いい時間》というのは、《腹ペコタイム》ということです w
去年の花見も同じパターンでしたが、
駒場公園から30分ばかり歩いて下北沢で何か食べて帰ることにしました。
ちょっと気になる店、ありました。
新しめの焼き鳥屋さん。
店内は左にカウンター、右に小テーブル。
小テーブルの奥に4人掛けテーブルがふたつ、そして、その奥が座敷です。
若いお兄さんにおススメを聞くと、
天草大王鶏の刺盛りをススメられました。
「中でも白レバーが滅茶苦茶美味しいんすよ」
お兄ちゃんの笑顔、可愛。
ほんとに心の底から美味しいと思ってる様子が伝わってきました。
「んじゃ、お兄さんのいうとおり、ソレっ」
お通し
鶏と大根を煮たもの。
薄味なのに、鶏の臭みが全くしなくて、すっごく美味しい。
これは。
当たりの店かな。。。
刺身の盛り合わせが配膳されました
うわっ うっめーーーーーー。
左から、生姜・ニンニクw 上に時計回りで
ハツ、砂肝、白レバー、ささみ。
鶏を刺身で食べられるなんて、凄いことです。
生姜とか、ニンニクとか、玉ねぎとか添えられているけれど、
醤油をちょっとつけただけでも十分美味しい。
薬味がない方が、鶏の甘味が感じられるようです。
お兄さんが言っていたように「白レバー」最高です。
確信しました
いいお店に出会えた
焼き鳥もお願いしました
上から、
トマトとバラ肉、ぼんじり、とり正肉
全部塩にしました。
お通しで、鶏の臭みを全然感じなかったから。
いやぁ、脂まで美味しい。塩ふりの塩梅もパーフェクト。
砂肝も甘くて、柔らかい。
砂肝が柔らかいというのも変ですが、余分な硬さがないという感じ。
お酒は、新政のNo.6
MOURI が、No.6は美味しいと言っていたので頼んだお酒です。
私も飲んだことがあるらしい。
「忘れちゃうんだもんなぁ、ウマいの飲ませても」
「大丈夫。ウマいことだけはちゃんと覚えてるから」
焼き場にいらしたご店主らしいオジサマが、笑顔のお兄ちゃんを呼んでいます。
「〇〇、ここやってみるかな」
お兄ちゃんに、何か教えてあげるみたい。
目をかけているのかな、わかるような気がする、気がきくし可愛いい子だもの。
お兄ちゃん、嬉しそうに指導を受けています。
師匠が弟子にものをいう時「やってみろ」は、よく聞くけれど
「やってみるかな」というのが、とても優しくて温かく、新鮮に聞こえました。
お兄ちゃんいったい何を教わってるんだろう、真剣な顔つき。
ご店主はお兄ちゃんを板場に残し、外に出てきました。
「これ、サービスです。食べてみてくださいな」
大好物の塩辛だ。
自家製だそうです。
美味しい。
臭みもえぐみもないのは当たり前だけど、舌に残る塩っぱさは全くない。
豊洲市場のお話
ご店主はとても朗らかで二枚目。歳は65~6といったところでしょうか。
店の食材は豊洲に買い出しに行くのだそうです。
築地から豊洲に、遠くなったのか、使い勝手は、、、
そんな話を沢山聞かせてもらいました。
買い出しは早朝なので、豊洲へは30~40分くらいで行かれるそうです。
困るのは駐車場が遠くて高いこと。
そして必要な食材を買いそろえるのにエレベーターであっちこっち回らなければならず
それには皆困っているそうな。
築地ならスムーズな同線で買いそろえられるものが、
買う人のことを考慮に入れていない店の配置で、やたら時間がかかり不便でしょうがない。
豊洲市場に縁のない私たちには、とても興味深い話でした。
ご店主は趣味人
ニンニクの丸干し
ニンニクの丸干しを頼んだら、それについてきた味噌が滅茶苦茶美味しいのです。
どこかで食べたような気が。。。
広島あたりで食べた味噌かしら、上田の味噌かしら、と2人で思い出そうとしていたら、
自家製の味噌だと教えてくれました。
「味噌を教えてくれるパーティーがあってね、 そこで習って自分で作るようになったんです。
これ3年物」
そうか自家製なのか。
それで思い当たりました。
この美味しいふくよかな味噌の味は、お菓子作家KAYANOさんが作るお味噌の味とそっくり。
ご店主とKAYANOさんが同じ先生に習ったかどうかはわかりませんが、
自家製というのが美味しいのでしょう。
私も自家製味噌造りに挑戦してみようと心に決めました。
働き方改革?
ご店主がゆとりのある雰囲気なのにはワケがあるようです。
「今は、息子2人と交代で店に出てるんです。
これも働き方改革のひとつかな。
店にいない時は孫と遊んだり、酒蔵めぐりをしたり、新しい料理を考えたり。」
色々なことに興味を持ち、商売というより趣味に近い形で味噌、梅酒、塩辛づくりをし、
美味しいものを探求しているご店主のあり方に、かっこえええと憧れてしまいました。
今は、気仙沼フェアの企画にいそしんでいるそうです。
気仙沼の漁師さんとタッグを組んで、美味しい雪解け牡蛎を提供しようと頑張ってるらしい。
「他の牡蛎はそろそろ終わりだけれど、雪解け牡蛎はこれからなんです。
今週はしけで入荷できなかったんですけど、来週にはまた入荷するだろうから、
もしよかったらまた牡蛎食べに来てください」
ご店主がそう言うんだもの、また来ます。牡蛎食べに来ます。
そしてまた、楽しいお話聞かせてください。