Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

千駄木 ~ 須藤公園

旧安田楠雄邸庭園を出たら、すぐ門が閉まりました。

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大いに堪能したものの、まだまだ見足りない。

見落としているところがありそうです。

またの訪問を心に決めて帰路につきます。

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おお、この花は、、、まんさく

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さっき来た道を戻ろうかと思ったけれど、違う道から帰ろう。

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こっちに行こう。

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この辺りのお宅は豪邸ばかり。

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ん? 屋根に鷹? 鷲?

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シーサーは見たことがあるけれど、これも守り神なのかしら。

 

高枝切りばさみで、植栽の手入れをしている。

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どのお宅も樹木の剪定が整っています。

街並みの景観を大事にしているからなのでしょうか。

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素敵なこのお宅の前に、公園がありました。

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須藤公園

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この地に旧幕時代には松平備後守同下總守等の 下屋敷のありし処なり

明治年間に至り品川弥次郎氏の所有となり

同廿二年須藤吉右衛門氏の有に帰したり

爾来同家庭園の一部として旧態の儘保存せらる

中島の辨財天は古くより祀られ同家にて発祀し 今日に至れり

昭和八年同家より此の地を公園地として寄附せ られたるを以て本市に於ては直に、

山水の修補をなし、 必要なる施設を加へ市民の公園として永く愛用せしめ

以て須藤家の芳志を後世に傳へんとす

昭和九年二月 東京市

 

随分古い文だけど、江戸時代は備後守の下屋敷だった。

当時の地図を見るとほれ、ありましたよ。

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根岸谷中日暮里豊島邊圖

1856 ( 安政3 ) 

所蔵地図データベース

松平備後守の敷地あたりを拡大すると、、、

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地図が作成された1856年時の当主は、浅野斉粛 ( なりたか ) ではないかと思います。

Wikipediaに、

「安政5年 ( 1858 ) 4月12日、長男・慶熾に家督を譲って隠居した。

 隠居により、通称を備後守に改める。」とありましたので・・・違うかな。

 

明治に入り、ここに屋敷を構えたのが、品川弥二郎氏。

弥二郎は長州 ( 山口県 ) 出身の下級武士で、松下村塾の最年少の塾生だった人。

維新後は子爵にまでのぼりつめた政治家です。

大河ドラマ「花燃ゆ」では、音尾琢真さんが演じてました。

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「須藤公園 沿革」の碑には「弥次郎」とありましたが「弥二郎」の間違いではないかと思われます。

公園の下の入口には、平成15年3月に文京区が設置した「須藤公園」という銅板があり「弥二郎」となっていたからです。

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こちらの方が読みやすい。

江戸時代、この地は、江戸の郊外にあたり、加賀金沢藩の支藩である大聖寺藩の下屋敷でした。

 屋敷は、閑静で敷地も広く、後 ( うしろ ) に弥生岡をひかえ、前には遠く東京湾を隔てて房総半島の山々が望まれるなどの景勝の地でした。

 庭園の規模はさほど大きくなありません、起伏に富んだ地形を巧みに活かした回遊式の大名庭園が造られ、今日でも当時の大名の気風を偲ぶことができます。

 池泉 ( ちせん ) 内には、約30坪(約100㎡)の中ノ島があり、古くから弁財天の祠堂が祀られ、燈篭と玉石敷きの州浜が風趣をそえています。

 明治維新後、長州出身の政治家、品川弥二郎(1843~1900)の邸宅となり、その後、明治22(1889)年実業家の須藤吉右衛門に買い取られ、庭園は、須藤家屋敷の一部として、大名庭園の旧態を損なわないよう保存されました。

 昭和8(1933)年須藤家から公園用地として、東京市に寄付され、市は山水の補修と公園として必要な施設等の整備を行いました。

 昭和18(1943)年東京市は東京都となり、昭和25(1950)年公園は、文京区に移管されました。

 区は、池や滝などの改修を行い、区民に親しまれ活用される公園とするために造園を行いました。

 公園名は、須藤家の厚意を伝えるため名付けられたものです。

平成十五年三月 文京区 

明治22年(1889)に、この地を買い取ったという須藤吉右衛門という人物についての資料はあまりなく、

「澁澤榮一伝記資料」に明治22年2月15日まで東京株式取引所仲買委員をしていたとする記述があるだけでした。

ページ画像|デジタル版『渋沢栄一伝記資料』|渋沢栄一|公益財団法人渋沢栄一記念財団

実業家といっても、具体的にどんな分野で財をなしたのか好奇心をひかれます。

 

須藤公園は、不忍通り ( 海抜10m ) から本郷台地の中腹 ( 海抜20m ) への斜面にあります。

その高低差は10m。

上の入口から見ると、はるか下にはちっこく池が。 

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見晴らし台のような広場から左に目を転じると滝がありました。

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とりあえず階段を中腹の広場まで降りてみよう。 

やっとお池が見えてきた。

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降りてきた階段を振り返ると、こんな感じ。

中腹でもこの高低差ですから。 

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ここから一気に下に降りるのもいいけれど、左にもう一度登れる階段があった。

回遊庭園になっているようです。 

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敷地の塀を見ても、どんだけの高低差だかがわかる。 

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隣接するお宅から見た借景はさぞや見事でしょう。

こんな感じで見えるのかな、いやもっと俯瞰する感じか。。。 

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回廊式の階段を下りて振り返ってみた。

さきほどの家があんな高さに見える。

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水のある景色はいいものです。

自分の家だと池の管理は大変だけれど、借景は区に管理してもらえるからいい。

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しかし、この滝の水はどこからひいているのか、、、この水量ですよ、湧水なのかな。

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須藤家は大名庭園を損なわないように保存したといいますが、

昔のお大名はやっぱりすごかったんですな、敷地にこれですもの。

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欅一本見ても、このでかさ。 

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やっと池のところまで降りてきました。 

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中ノ島には赤い祠が見えます。弁財天の祠堂だそうです。

 

おやおや、君たち何をやっているのかな。

お父さんらしき人もいる。 

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ザリガニか何かを釣っているようでした。

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大きな池ですが、綺麗な水です。

あの湧水?の滝の水量が水を綺麗に保っているのかも知れません。 

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「かっぱに注意」とは、、、お茶目なことを(笑) 

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須藤公園は、いたる所にベンチがあり、本を読んだりお弁当を食べたりするのに良さそうです。

今度ゆっくり来よう。あっ、蚊のいない時期がいいかも知れません。 

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公園の脇の坂を見ても、高低差がわかりました。

いいねぇ、高低差は。 ( タモリさん )  

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そろそろ5時になります。

今日 ( 3/18 ) は、島薗邸から旧安田楠雄邸庭園から須藤公園と堪能しましたが、

もう帰らなければ。土曜日ですからね、家でお腹を空かした大きい子が待っています。

 

漬物屋さん。

ここで酒のつまみになりそうなものを仕入れて帰ろう。

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ボードゲームカフェですって。

ルシュールクミオ さんがいらっしゃったりして、、、

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ダメダメ、気になるけれど今日はマジで帰らなくちゃ。 

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ああ、楽しかった。

ボケの花にもお別れして地下鉄に乗ることにします。