スーパーで「おきゅうと」を見つけて、懐かしくて買ってきました。
おきゅうと ご存知でしょうか?
福岡 博多のソウルフードです。
海藻を固めて作ったおきゅうとは、ところてんよりゴリゴリとしていて、ほぼ無味無臭。
「懐かしくて」と言いましたが、私は “博多産”ではありませぬ。
博多はおろか九州には縁もゆかりもない人間ですが、なぜ懐かしいかというと、
思い出深い食材だったから。
35年も昔、ボスの仕事に博多に同行した時の話です。
博多のスーパーで、この緑の塊が陳列されていたのを見たんです。
おきゅうとって何だろう。
出張の間じゅう気になっていました。
最終日。
ボスが中洲の それはそれは有名な料亭に接待されたんですが、私もご相伴にあずかりました。
博多じゅうの珍味やご馳走がどんどん供されました。
女将も挨拶に来られて皆で談笑しました。
その時に聞いてみたんです「あの、おきゅうとって何ですか?」と。
東京では見たこともないものだったし、当時はスマホもないのでチャッチャと調べることも出来ません。
そしたら女将が教えてくれました、
博多のソウルフードで朝ご飯の定番、生姜醤油や酢味噌で食べるものだということを。
「ご存知ないのも当然ですわよ、納豆と同じように朝、家庭で食べるものですから」
そんな話が終わり、またも談笑と美酒が続き、〆の時間になりました。
と、女将が配膳してくださったのが「おきゅうと」だったんです。
おきゅうとなんて、料亭では絶対に出さない食材だとさっきのお話でわかりました。
急いで買いに行ってくださったんですね。
老舗の料亭で食べたおきゅうとは、ヒヤッと冷えてて、生姜がたっぷりきいたキリッとした味で、
それはそれは美味しいものでした。
一同、女将さんの心遣いに感服。
福岡というと忘れられない思い出になりました。
本日の朝食
納豆、イワシの丸干し、きゅうりの醤油漬け、焼き椎茸、おきゅうと、大根の味噌汁
本日の創作
セロリを、白ごま・桜えび・ちりめんじゃこと少量の胡麻油で軽く炒めたもの。
ほんのり塩味。
カルシウム満点の一品は、酒の肴にもなりそうです。