我が家のなますはちょっと変な形です。
実家は普通の切り方ですが、MOURI のお母さんは四角く切ります。
大根もにんじんも立方体にして上3/4に切り目を入れます。
それを甘酢に付けると、花が咲いたような綺麗な なますになる。
美しいだけではなく、食感が全く違うのです。
何年かこれを食べていましたら、私もこっちの方が好きになりました。
雑煮は、お澄ましで焼きもちを入れる いわゆる関東風です。
具材は、鶏もも肉をそいだもの、筍、小松菜といったところ。
雑煮に関しては、両家の作り方が同じなので幸せです。
正月といえば、10年前は毎年、友達の那須の別荘で過ごしていました。
大きなお宅で、4~5家族10人くらい集まっての盛大な年越しでした。
正月を一緒に過ごすとなれば、雑煮のことも話題になります。
幸い みな関東近県人だったので、極端に違う雑煮ではありませんでした。
ある年、別荘の御当主と奥様が、雑煮の具材で口論になりました。
ご主人は「東京の雑煮には、小松菜なんて絶対に入れない」と言い張ります。
奥さんの方も負けずに言い返します。
「あたしんち ( 実家 ) は八百屋よ。暮になるとどこの家でも雑煮用の小松菜買いに来たもの」
小松菜問題で、入れる入れないとかなりヒートアップしたのが面白かったなぁ。
でもヒートアップといっても、仲良し夫婦ですから、楽しんで言い争いしてるだけなんですけどね。
ちなみに今 読んでいる「絵本江戸風俗往来」にも、雑煮についての記述がありました。
雑煮は餅に添えて小松菜・大根・里芋を通常とす。
つゆは味噌汁を用ゆる所もあり。
餅を焼きて用ゆるあり、湯に煮て使うあり。
箸は雑煮箸とて、別製に太き柳箸を白紙に包み、
紅白の水引きにて結び、田作りを二つ水引きに差すなり。
江戸の風習が1月から12月まで色々書かれている本なんですが、
著者は菊池貴一郎さんといって、嘉永2年 ( 1849 ) 生まれの方です。
しかもこの菊池さん、四代目歌川広重さんなんですと。
四代目広重が、江戸の年中行事や市井の雑事に関する話題などについて《老のすさびに筆をとった》というのだから面白い。
挿絵も広重ご本人が描かれたもの。
古い言葉で馴染むまで読みにくいですが、江戸を生きた生のお話しです色々参考になる資料です。
本書は四代広重菊池貴一郎さんが明治38年に東陽堂から発行したものを、
鈴木棠三さんが編纂し、昭和40年に平凡社 東陽文庫から発行されたものです。
さて、我が家のおせちに話を戻します。
蓮根は、煮物と酢の物と両方作ります。
形の良いものは、煮物用
くずれたものは、酢の物にします。
おいもさんは、やつがしらと里芋と両方たきます。
今年はこんなに大きな やつがしらだったので、剥くのが大変でした。
切り分けたらこんなになった。
凄い量だったから、食べきるのに5日かかりました。
こっちは里芋
4年前のお正月は、田作りと伊達巻も手作りしたんですが、今年は出来ませんでした。
理由は、食材を買い忘れたのと家人のリクエストがなかったから。
新婚当時は「正月はなますと雑煮だけでいい。あとは要らない」という主人の言う通りにして
何も揃えなかったんですけれど、何だか味気ない、、、というか年を越した感がないものでした。
それからは《要らない》と言われながらも、毎年 少しずつ増やしていきました。
数の子については「好きじゃない」というので、いつもスルーですが、
今ではほぼほぼ、普通のラインナップになってきたかしら。
暮のおせち作りは面倒なのに、やらないと何だかとても変な気分になる。
ここ何年かは元旦にお客さまを招くようになったので、おせち作りも楽しくなりました。
おせち作り、不思議なものです。