北村薫 編纂 『謎のギャラリー 特別室』に、里見弴さんの『
里見ファンとして小躍りしてしまう。
『謎のギャラリー』は、北村さんが注目した作品の中で入手が難しい作品を編纂されたみたいです。
こんなところで里見弴さんにお目にかかれると思っていなかった。
北村さんが里見さんの『
この本にはそういった記述はなく、ただ作品が収録されているだけでした。
巻末にこんなことが
巻末に
「本書編纂の経緯と詳しい解説は北村薫著『謎のギャラリー』に収録されています。」
とありました。
そういうことか。
『獅子の爪』が読みたいがために、いきなり二冊目から手に取ってしまいましたが、
『謎のギャラリー 特別室』の前に『謎のギャラリー』というのがあったようです。
すぐさま図書館に『謎のギャラリー』赤い方の本の予約を入れましたが、
先ず今日は、里見弴さんとの出会いと『
私が里見弴さんを知ったは、大佛次郎邸の見学に鎌倉に行ったのがを訪れたのがキッカケでした。
2012/04/07の話です。
見学後、西御門経由し建長寺に抜けるルートをぶらついていた時に、偶然見つけたのが旧里見弴邸でした。
鎌倉市景観重要建築物等 第8号 平成6年2月1日指定
石川邸 ( 旧里見弴邸 )
石川邸は、大正15年に作家里見弴の住宅として、建てられた建物です。里見弴自らが設計に携わったと言われる建物は、玄関ポーチ、2階バルコニーの存在が印象的です。建築家ライトの造形をとり入れたそのデザインは、当時は非常に斬新であったことが想像されます。主屋の奥には、高床式、茅葺き屋根の茶室があり、このコントラストも非常に印象的です。
建設年:大正14年 (1926 ) ( 和風別棟は昭和4年 ( 1929 ) )
設計者:里見弴
施工者:主屋 不詳 和風別棟 高橋久次郎、下島松之助
素敵な洋館で、お宅拝見マニアの私は釘付けになりました。
この家は、石川さんという方が住んでいらっしゃるものを、
「西御門サローネ」という名前で、イベント企画などで貸したり、一般公開しているらしい。
月曜日限定。
「是非一度 見学しよう」心に決め、
その前に里見弴という作家の本を読んでおこうと思ったのでした。
ハマりました!
最初に読んだのが『里見弴作品選 初舞台/彼岸花 』という文庫本でした。
『
むさぼるように初期の短編を読みまくりました。
そうなると面白いように、行く所いく所で里見弴の本に巡り合う。
ファンといってもまだまだ日は浅いが、ゆっくり深く読んでいこうと決めた小説家のひとりです。
そんな里見弴の作品の中でも、私が一番忘れられないのが『
『俄 あれ』
話は、男が友人宅を訪問する時、にわか嵐に巻き込まれるところから始まります。
土砂降りでびしょびしょになって友人宅に着くと、あいにく友人は出かけていた。
雨はますまずひどくなり、友人の細君の手伝いで家じゅうの雨戸を閉めて回っている内に、
気がつくと暗い部屋に 細君と二人きりになる。
男は妙に落ち着かない気分になっていく。
そして男女の微妙な駆け引きがはじまる。
みたいな話です。
男の心理描写も面白かったんですが、私が感動したのは自然描写の見事さでした。
『
今回気がついたのは《印刷物によって、作品が違う雰囲気にもなるんだなあ》ということ。
ここ、私にとって大事なポイントですの。
皆さまの中でも、そういう風に感じられる方もいらっしゃることと思います。
私が古書を好むのは、古書から当時の雰囲気が伝わってくるからです。
明治・大正・昭和初期の作品を出来るだけ初版に近いもので読みたいのです。
それは、その小説が書かれた当時の雰囲気を想像する 手助けをしてくれるからです。
まっさらピカピカの、真っ白くていい紙で読むのも気持ちの良いものですが、
ザラザラで、黄色いわら半紙のような紙で読む方が味わい深さはやめられません。
ここまでくると変人かも。
旧仮名遣い、旧字で読むというのも、私にとって大事です。
「知らねぇ」と書かれるよりも「知らねへ」という方が江戸っぽく聞こえてきたり、
少なくとも、里見弴さんの本はそっちの方が合うと思ってしまいます。
新しい版で、里見弴さんの小説を読めるのは嬉しいけれど、
やはり私は古い本 ( 旧仮名遣い・旧漢字 ) で、里見弴さんの小説を読みたい派なのだと、
あらためて気づかされました。
本日の夜ごはん
なんか工夫に足りぬメニュー
美味しかったけれど、これは八百幸のデリカ
ぶりぶり立派なアサリがあったので酒蒸しにしました。
にんにくたっぷりで、醤油を足しました。
アサリのエキスが染み出た、にんにく&醤油のつゆは、ご飯に合うだろうな。
「このつゆ、白いご飯にかけたら最高だろうな」という意見が出ましたが、
今日は白飯なし (;^_^A