円紫さんと私シリーズ『空飛ぶ馬』に出てきたジェイムズの『ロデリック・ハドソン』に挫折し、
そんじゃあ『ねじの回転』ならどうだと、読み始めたところ、
すんでのところ、こちらも挫折しそうになりました。
冒頭の5行の長さにつまづいて、何度も読みかえしました。
こんな文章⤵
その物語は、炉辺に集まった一同が息を詰めるほどの出来にはなっていたが、なるほど陰鬱だという評が出たのは、クリスマスイヴに古い館で怪談としては至極当然であるとしても、ほかに見解らしきものが聞かれなかったところに、ひょっこり口を切った人がいて、子供が幽霊を見せられるという筋書きは初めてだとの感想を述べていた。
どうです? 読みにくいでしょう。
これワンセンテンスです。
続いてこう。
どんな物語だったのか注釈をしておくと、この場の集まりて似たような古屋敷で、すさまじい幻影が男児の眼前に出現し、恐怖に駆られた子供は同室で寝ていた母親を起こしたものの、なだめて寝かしつけてもらうには至らず、それどころか母親までが同じ怪現象を目の当たりにしたというのだった。
ともあれこんな感想が出たことによってダグラスが⸺すぐにではなく、その晩、あとになってから⸺ある反応をしたもので、そこから面白い展開があったのだと言っておこう。
読み手を拒絶するようなこの書き出しに、
「やっぱりジェイムズは無理」と思ったのですが、もう少し頑張ってみようと思いました。
何故なら『ねじの回転』というタイトルにえらく聞き覚えがあったからです。
高校生の時に友だちに借りて読んだ記憶は あるのです、内容はすっかり忘れてるけど。
高校の時に読めたのなら、大丈夫かも
取り合えず自分に鞭打ち読み進めました。
するとどうでしょう。
冒頭部分は序章で、本文の方は一気にテンポの良い美文になりました。
何だったのかしら。
意図的に読みにくくしていたのでしょうかジェイムズさんは。
結局、2日ほどで読了しました。
【物語はこんな】
語り手である若い女「私」が、天使よりもかわいい幼い子供たち ( 10歳の兄、8歳の妹 ) の家庭教師としてイギリス郊外にある古い貴族の屋敷に行くところから始まります。
雇い主は子供たちの伯父でした。
彼の仕事の条件が変わってます。
「 ( 雇い主の自分に ) 面倒をかけてはいけない。とにかく没交渉でいるように。何がどうあれ、いかなる申し立てもせず、苦情を言わず、手紙も書かない。わからないことも自分で対処して、金銭は弁護士から受領し、すべて一身に引き受けて、自分を煩わさないこと」
この条件に「私」は逡巡します。しかし給料はいい。
彼女は雇い主に淡い恋心を抱いた様子で、結局 子供たちの家庭教師を引き受けることにします。
屋敷では、子供たちの守をしていた女中頭のグロースさんとも打ち解けました。
生徒となる妹の方 ( フローラ ) と体面すると、一瞬でその子の可愛さにメロメロになります。
寄宿学校を退学になったという兄の方 ( マイルズ ) も、明朗で品が良く妹 同様 美しい顔立ちで、
「この子のどこに退学になる要素があるのか」と驚きます。
子供たちは可愛いし、賢いし、申し分のない環境です。
しかし、ある日、事件が起こります。( 起こったのか? )
「私」は幽霊に遭遇します。二人の幽霊に。
一人は館の従者だった男、もう一人は前任者の女家庭教師でした。
忌まわしい幽霊たちは子供の魂を奪おうとしているらしく、そうとうに邪悪に見えました。
「私」は、グレースさんの助けを借りて幽霊と対峙する決心をします。
しかし、、、はたして幽霊はいるのかいないのか。
幽霊は「私」の意識の中のものなのか、事件はおこっているのか、いないのか。
読み終わって思いました。
冒頭のわからなさとは違った意味で、「なんなんだ、この本は」と。
とても有名な小説ですが、とても難解な小説です。
これをもとにした映画も何本か作られているらしい。
さてひとつかふたつ観てみるかな・・・・。
今日の夜飲み
今日はMOURI がウクレレ教室なので、夜ごはんはなし。
私は残り物で食べたけど写真無し。
んで。
帰宅してからのちょっとしっかり飲みのつまみがこれでした。
お酒は、、、やっほー
なかなか手に入らない「美酒の設計」です。
正月に封を切った残り。
雪の茅舎が作っているお酒です。
設計という名も不思議ですが、酸味、甘味、旨み、などのお酒の美味しい要素がバランス良く整っているという意味では「設計」というのもうなづけます。