Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

価値観を押し付けないで

 

今年のゴールデンウィークはどこにも行かずに家で過ごている。

MOURI が 会社勤めをしていた時には、旗日にしか出かけられなかったけれど、

在宅ワークになった今では、旅行は時期を外せるから有難い。

だが今年は、国内旅行はバカバカしいほど高いので、観光地の経済は外国人の方々にお任せしよう。

当分、旅行にも行く気になれないなあ。

 

テレビで、ハワイに行く家族連れが日本から食材を持って行くという話が紹介されていたが、それだったら日本でのんびりしたらいいのに、と思ってしまった。

 

あっ失礼。

そんな風に言うのは、『52ヘルツのクジラたち』のバアさんと同じだ (m´・ω・`)m ゴメン…

人にはそれぞれの事情や、それぞれの考え、望みがあるのだから余計な話でした。

 

 

それぞれの事情といえば

昨日の『52ヘルツのクジラたち』で、えーっというエピソードがあった。

物語は、主人公の貴瑚が東京から九州の漁村に移住してくるところから始まるのだが、

若い女の子が仕事もせずにぶらぶらしているという態を、町の人たちは許せないという話になった。

 

家の修理にやってきた青年が貴瑚に「風俗してたんですか?」と言って怒られるのは、

青年の祖母や友だちのバアちゃんたちが噂をしていたので「違う違う」と弁解してやろうと思ったからだった。

青年 ( 村中くん ) は、言う。

「この町は小さいし、年寄はいつも暇してるから、新しいモンがきたら一度は騒ぐんです」

バアちゃんたちは、コンドウマートという店の奥にたむろして井戸端会議するらしい。

「このあたりのバアさんは遠慮がないんだ。集団で囲んで質問攻めにするくらいのことはする。それで、必ず口出しまでする。しかもそれを良かれと思ってやるもんだから、質が悪い。」

嫌な所に引っ越してきたもんだね、貴瑚さんは

いきなり《風俗》というのにもバアさんたちの連想ゲームらしく、

貴瑚が引っ越してきた古民家は元々、東京からやってきた芸者さんが住んでいた家で、

芸者のおばあちゃんは、昔とったなんとやらで長唄を教えるってんで、

女好きのじーさんどもが日参した。

そんでバアさんたちの、やっかみの的になった家だから《風俗》という話になったらしい。

貴瑚がその家に越してきたのは、その芸者さんというのが貴瑚さんのお祖母ちゃんだったからなんだけれど。

 

 

村中くんからそんな話を聞いていた貴瑚だが、他に店もないし仕方がなくコンドウマートに行った。

案の定、バアさんが寄ってきた。

「あんた、人生の無駄遣いやがね」バアさんは強い方言を交え、まくしたてるように話始めた。どうも私が働かずに暮らしていることを責めているらしい。若いのにとか人生のさぼりとか言っていて、それをぼうっと見ているわたしに腹が立つのかどんどんヒートアップしてくる。

「疋田さんダメでしょう」と店の人が言っても

誰かが言うてやらにゃあ」と声を大きくする。

P.22

 

 

朝、散歩に出たらラジオ体操をやっていたので立ち寄ってみた。

すると老人会の代表っぽいジーさんが近づいてきた。

「このあたりの老人会で会長をしている、品城です。

 夏休みなので、子どもたちと一緒に毎日ラジオ体操をしているんだよ。

 そうだ、あなたも参加しなさい

 

歯を見せて笑う顔は、どこかきっぱりしている。態度や言葉に「テキパキ」と音がつきそうな感じだ。

どうしたものかと思っていると頭がつるつるのおじいさんが「先生はいいひとだから、そう警戒するなよ」と割り込んできた。

「定年まで中学校の校長先生をやられていた、立派なおひとやけんな。安心せえ。わしみたいなもんが声かけさら、逃げてもええけども」

ひゃっひゃっと笑うそのかおは、自身で言うほど悪いひとではなさそうだ。

 

 「三島さんは、お勤めはされいいないらしいね」

この辺りの老人のネットワークは、きっと魚とり網よりも強く細かく広がっているに違いない。

「どんな理由があるのかは知らんが、一刻も早く仕事を見つけなさい。無職の大人がウロウロするのは、子どもの教育に良くない大人として恥ずべきことだよ

 

品城さんは明るく朗らかに言う。しかし内容は先日のおばあさんと全く同じで、わたしは自分の声が強張るのが分かった。何がいいひとだよ。ただの嫌みジジイじゃん。

「ひとの事情を詮索することも子どもの教育に良くないと思いますけど?

 とにかく、お邪魔してごめんなさい」

 

こういうのには関わらなければいい、わざとにっこり笑ってみせて、その場をあとにした。 

p,32

 

私は東京を離れたことがないのでわからないが、こういうのは普通にあるのだろうか。

作者の町田さんは、田舎町のあるあるみたいなことで、書いているのだろうか。

束になってやって来て質問されるとか、注意されるとか信じられないことだが、

あるあるだったら恐ろしい。

 

 

年を取ると自分の価値観をこうも押し付けてくるものなのかしら。

「いい若いもんが働かないでどうする」とかって、

余計なお世話でその人にはその人の事情があるだろうに。。。。

あっ、都会でもあったなポテトサラダの話

小さい子ども連れのお母さんが、総菜売り場でポテトサラダを手に取ったら、

おじいさんに注意されたという話。

ポテトサラダぐらい、作って食べさせなさい

ツイッターで話題になっていた話で、女の人に総すかんくったらしい。

 

『52ヘルツのクジラたち』は、虐待やジェンダーの話もあり重い内容でもあるが、

こうした年寄のコミュニティーの話もまた興味深いエピソードだった。

 

ウサギさんたちの井戸端会議?

 

 

 

 

本日の朝ごはん

担々麺

先日、入れそびれた塩ラーメンの切りごまを使います

 

おやつ

 

本日の昼ごはん

サーモン丼

 

 

 

本日の夜ごはん

ゴールデンウィーク用にこんな中華パックが売られていたらしい。

ニョッキのクリーム煮は、にんにくとベーコンで。

これは残してもいいやつ。

お弁当に入れると美味しいおかずです

 

ニョッキなかなかでした