Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

青山美智子 著『赤と青のエスキース』

 

このところ絵画にまつわることに多く接している。

原田マハさんの書いた『異邦人』と『たゆたえども沈まず』に読み、

上野でデ・キリコ展を鑑賞し、その後に読んだこの本も《絵画》に関連した内容だった。

生活していく中で、こんなにも立て続けに絵画に関連するのは珍しい。

 

青山美智子 著『赤と青のエスキース』を読了

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。

日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。

二度読み必至!

仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

 

●プロローグ

●一章 金魚とカワセミ

メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。

●二章 東京タワーとアーツ・センター

日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。

●三章 トマトジュースとバタフライピー

中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。

●四章 赤鬼と青鬼

パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。

●エピローグ

水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。

Amazonサイト紹介文を借用

 

正直に言うと、琴線に触れない個所もいくつかあった。

だが、興味深かったことも勿論たくさんある。

 

興味深かったのは、例えば。

二章の額縁職人の話だが、額縁の作り方や、絵画と額縁の相性など、日ごろ縁がなかったことが知れて面白かった。

三章の漫画家の話では、砂川という若手人気作家に対して、師匠の漫画家タカシマが羨望と嫉妬の眼差しを向けるが、砂川のある言葉を聞いたタカシマが漫画家にとって《譲れない大事なこと》を思い出させられるところに感心した。

そういった各章の主人公は心に残ったのに、主軸の登場人物の描き方がピンとこなかった。

 

第一章の主人公レイとブーは、その後の章で伏線が回収される主軸人物である。

ところが全体を通して読んだ時に2人のキャラクターに一貫性が感じられなかった。

性格付けをわかりやすくしてほしいというわけではない。

人は年齢や置かれた立場で、性格も考え方も変わっていくのは当然だから、

主人公の2人の印象がかわるのもおかしな話ではない。

 

だか彼女たちがそこに至るまでの背景や事情が省かれていると、読者は取り残されてしまうように感じる。

そうなるといくら、あのAがaだと言われても、とってつけたように感じてしまう。

 

例えば。

メルボルンで会ったユリさんは、主人公にとってはあまり好きなタイプではなかったハズなのに、いつのまにかパートナー的存在になっていたりする。

キャラクターの名前が変わっているという手法も飛び道具に感じてしまった。

 

ネタバレになるので、その辺を説明することは難しいのでこの辺で留めておくけれど、

編集部や宣伝部は「二度読み必須!」と大きくうたっている。

これも随分大きく出たなあと笑ってしまった。

その本を何回読むか、読みたくなるかは、読み手の自由なのになあ。

 

 

 

 

本日の昼ごはん

焼きそば

最近、ちくわの使用頻度が高い。

ちくわと、えのきは旨味を増してくれるので有難い食材だと思う。

 

 

KAYANO さんから頂戴したケーキ

好物のくるみが沢山混ぜ込んであり、とても美味しいパウンドケーキだった。

好みの話で驚いたのが、MOURI がこれを貰った時にKAYANOさんに言われた話

「Marcoさんは聞かなかった方がいいのかも知れないけど、この前のキャロットケーキ ( 美味しいって言ってもらったけれど ) あれ、レモンピールが少しだけ入ってるんだ」

スゴイなと思った。昔何気に「レモンピールが苦手」とつぶやいたのを覚えていらしたんだ。

KAYANOさんは惜しまれつつ辞めた名店のシェフだった時代もある。

常連客の心をわしづかみにしたのは、勿論彼女の腕前もあるのだろうが、

客ひとりひとりの味の好みをわかっているということもあるのかも知れない。

 

今回のくるみケーキも最高に美味しかったです。

《苦手》と思っていたピールも、良いアクセントになるのだと感服しました。

 

本日の夜ごはん

三時に美味しいケーキを食べてしまったので、お腹が空かないね、

と軽いもので一杯やることにした。

レモンサングリアは、好きではないと思いながらカルディで購入したもの。

店先にあったトートバッグが欲しくて、抱き合わせの商品 ( こっちがメインでバッグがおまけ ) のレモンサングリアを買ったのだが、飲んでみたらとても美味しかった。

レモンピールもそうだが《苦手》と決めつけるのは良くないです、はい。