garadanikki

日々のことつれづれ 駄目駄目さんのガラクタ日記

作家

島木健作の感想を考える

里見弴著『かね』を再読、 つづけて中山義秀著『厚物咲』も読みました。 愛著『扇谷日記』で筆者の島木健作が、里見弴の『かね』を酷評していたから、 どんなものなのか読み比べてみたくなったのです。 garadanikki.hatenablog.com 島木さんは著書でこう言っ…

本から本へ

現在、併読している本は以下の3冊。 島木健作『扇谷日記』 野田宇太郎『文学散歩 別巻1』 ダーチャ・マライーニ『メアリー・スチュアート』 どれもすぐにピンと跳ね返るようなフレーズには乏しいが、 考えさせられる事柄は満載で、ここから関連して読みたく…

呉越同舟の人

蒲原有明さんの旧居のことを調べるにあたり、この一冊も大変参考になりました。 林 房雄著『文学的回想』 楽しみながらゆっくり読んでいます。 いま 半分まで来たところ。 昔の本は素敵だ。 布の平の出が美しい! 美しいだけでなく、とても良い肌触りです。 …

蒲原有明旧居の謎

コロナが蔓延して、趣味のぶら歩きが出来なくなっています。 大好きな鎌倉はおろか近隣の徘徊も出来ないので、古い写真やブログを見て楽しんでいます。 実際に歩かなくても、昔たどった場所で気になった物事を調べる作業も 結構面白いものです。 今回も、8年…

大豆田とわ子と三人の元夫のエンディングについて

「大豆田とわ子と三人の元夫」が、残すところあと一話になりました。 いや~面白い、このドラマ。 ドラマの魅力は沢山あります。 松たか子さんもいいし、脚本もいいし、ナレーションもいい。 そして音楽もクールです。 ドラマのエンディングは、松たか子さん…

ネタバレ御免、大豆田とわ子~第9話

「大豆田とわ子と三人の元夫」がとうとうラス前になりました。 第9話は、とわ子さんに新しい結婚があるかどうかで、元夫たちがゾワゾワする話。 スケジュールの都合なのか、 二番目の元夫-佐藤鹿太郎 ( 東京02-角田晃広 ) の出番はなかったけれど、 三番目の…

ドラマ「天才柳沢教授の生活」

松本幸四郎主演『天才柳沢教授の生活』を観終わりました。 前々から気になっていたのにリアルタイムで見逃して、19年経って視聴。 まあ、みんな若いこと! 柳沢良則 ( 松本幸四郎 ) という大学教授とその家族を描いた物語です。 良則の妻-正子に松原智恵子、…

横山秀夫『ノースライト』

横山秀夫『ノースライト』を読了。 流石は横山さんだ。無駄なくテンポよくミステリーを展開させています。 ドラマを先に見てしまっていたのでミステリーの結末を知っていたことが悔やまれますが、 それでも大いに楽しめました。 【ざっとあらすじ】 主人公は…

くるねこ大和の 猫さんたちと飼い主さん

Instagram に、毎日毎日楽しみにしているインスタがあります。 「くるねこ大和」さんというアーティストのインスタです。 飼っている猫さんたちの漫画がとても素敵なんです。 いわゆる血統書付きの洋猫や美猫さんではなく、 日本猫の、お年寄りだったり、お…

志賀直哉とその周辺

先日は『志賀直哉の手紙』から、 『或る旅行記 青木と志賀と、及び其周囲』という未完の原稿の話になり、 その決定稿の『廿代一面』の話に転じましたが、この全集で読みました。 流石に有名な文豪だ、全集も分厚い ('◇')ゞ 図書館から借りてきた第一巻ですが…

サマセット・モーム 著『お菓子とビール』

サマセットモーム 著『お菓子しビール』読了。 いやぁ、面白かった! 行方昭夫さんの翻訳も素晴らしく、サクサクと読めました。 冒頭から掴まれてしまいました。 留守をしているときに電話があり、御帰宅後すぐお電話ください、だいじな要件なのでという伝言…

ドラマ「昨日のカレー、明日のパン」

遅ればせながら、ほんとに遅ればせながら、 ドラマ『昨日のカレー、明日のパン』を観終わりました。 いやぁ、泣けました。 毎回、涙しました。 ズルいよ、ラストの音楽、「M」ですよプリプリの「M」 ♬ いつもいっしょに~いーたかーった となりで わらあ~っ…

志賀直哉「友への手紙」から

昨日、武田麟太郎と島木健作の作風について話をしましたが、 これに関連して志賀直哉が興味深いことを書いています。 百花文庫「友への手紙」 この本は、志賀直哉の書簡集で、昭和22年に発行されたものです。 通常、作家の書簡集は亡くなったあとに出るのが…

武田麟太郎と島木健作

武田麟太郎への興味から書棚をあさっていたら、この本を見つけました。 筑摩書房 日本文学全集 44 早稲田の古書店に一冊ぽつんとあったのを購入したもの。 買ってすぐ島木さんだけ読み、そのまま書棚にしまい込んでいた。 なんだ、島木さんと武田さんがひと…

北村 薫 著『夜の蝉』

北村 薫 著『夜の蝉』を読了。 ※ 写真はメルカリで安く手に入れた本で、4冊中、この本だけがしわしわでした。 「円紫さんと私」シリーズに第2弾。 大学生の「私」の話が3編、収録されています。 まず本のお話をする前に、気になっていたこの案件から⤵ 【円紫…

木皿 泉 著『さざなみのよる』

木皿泉 著『さざなみのよる』を読了 染み入りました、熱い涙にぬれました この本を知るキッカケをくださったのは、つるひめさんです。 映画、本、音楽に対して鋭い審美眼を持つ つるひめさんは、 いつも面白そうな作品を沢山 紹介してくださいます。 tsuruhi…

横溝正史 著『八つ墓村』と1977年版映画

横溝正史自選集にて『八つ墓村』を読了。 『八つ墓村』は、金田一耕助シリーズの第四弾。 主人公は寺田 ( 多治見 ) 辰弥で、彼の一人称で物語ははじまります。 前半までのあらすじ 長くてすみません_(_^_)_ 戦国時代、とある山中の寒村に、尼子氏の家臣だっ…

『姉ちゃんの恋人』にはまる予感

今シーズンのドラマで、もうひとつ注目しているのが『姉ちゃんの恋人』です。 脚本が岡田惠和さんですもの。 ハートフルで面白いに決まっている。 出演も、好きな俳優さんが集結しています。 有村架純さんに林遣都くん。 奈緒ちゃんに、小池栄子さんに、和久…

恩田陸 著『夜のピクニック』

『蜜蜂と遠雷』に続き、『夜のピクニック』を読みました。 学校行事で80㎞を歩きつづける生徒たちの話でした。 恩田さんの母校である茨城県立水戸第一高校の名物行事「歩く会」をモデルにしているんですって。 とにかく、歩く、歩く。 80㎞ですってよ。 徘徊…

恩田陸 著『蜜蜂と遠雷』

蜜蜂と遠雷を読了しました。 2016年に発表された本なのに、図書館の予約待ち37人。 かなり待つけれどエントリーしておけばいつかは読めると、予約したのが9月のことでした。 順番が回ってきたので、珍しく MOURI と二人で読みました。 二人とも本好きですが…

大岡昇平著『堺港攘夷始末』にてこずる・・・

堺事件について、大岡昇平さんが書いた「堺港攘夷始末」を読みましたが、 てこずりました。 何日、かかったかしら。 なかなか進まない理由がこれ。 漢字カタカナ混じり文です。 明治の頃の公文書は殆どがこの《漢字カタカナ混じり文》で、 この本は、当時の…

61号鉄塔下の家

『蕁麻(いらくさ)の家』を読み始めました。 萩原朔太郎さんの長女・葉子さんが書かれた自伝的小説です。 先日探訪した北沢川緑道にあった「萩原朔太郎・葉子の文学碑」から、 代田の鉄塔下にあったという萩原朔太郎邸 ( 三角屋根の家 ) が気になって読みたく…

森鴎外著「堺事件」について

森鴎外著『堺事件』を読了。 トップクラスの作家の手にかかると、歴史小説も凄みが出ます。 冷静に淡々と描けば描くほど、真に迫るものがありました。 この作品は実際に起こった事件を、詳細に作品化した歴史短篇小説です。 堺事件は、 1868年 ( 慶應4年 ) 3…

井上靖著「捕陀落渡海記」

井上靖著「捕陀落(ふだらく)渡海記」を読了しました。 この小説は《捕陀落渡海》という荒行に翻弄された僧侶の物語です。 どんな短編かの前にまず、この本を読んだ経緯からお話したいと思います。 私は和歌山については、那智の滝とみかんくらいしか知りませ…

本棚と脳内が大変なことになっています

本棚まわりが大変なことになってます もう少ししたら「すいか」の崎谷夏子先生 ( 浅丘ルリ子 ) の部屋みたいになるかも。。。 そんなこと想像していたら、また「すいか」が観たくなりました。 一年に一度は起こる衝動。 やっぱりDVD=BOX 買おうかな。←これも…

夏目漱石「坑夫」

夏目漱石「坑夫」 を読了しました。 恥ずかしながら漱石は「それから」「三四郎」「門」「こころ」くらいしか読んではおらず、 「吾輩は猫である」「坊ちゃん」あたりは斜め読みぐらいの程度でした。 順当に読むなら、他にも名作は沢山ありますが、 今回「坑…

神妙の読み方

夏目漱石の「坑夫」を読んでいて、ちょっと面白いことがありました。 神妙の読み方 皆さんは「神妙」をなんと読みますか? 私は迷わず「しんみょう」と読んでました。 しかし「坑夫」の中のルビが「しんべう」になっています。 今 私は岩波書店 1956年 ( 昭…

四国旅21 尾道・志賀直哉旧宅

尾道に来て、絶対に訪れたいと思っていたのが志賀直哉旧宅でした。 千光寺公園の展望台から文学のこみちを抜け、千光寺の境内を通り、 ずんずん階段を降りていき、やっとたどり着きました。 ここが旧宅の下にある《うずしお手水庵》 文学碑や石碑があります…

『一個』 著:永井龍男

永井龍男さんの短編集を読み始めました。 まずひとつめ 「一個」 「柱時計の振り子の音で、けさ四時まで、 完全に眠れなかったんだからな」 冒頭の独白にざわつく感覚を覚え読み進めます。 主人公の男が置かれている鬱屈した状況が少しずつ語られていくと、 …

公孫樹

永井龍男さんの「いてふの町」の冒頭はこんな言葉で始まります。 銀杏の木の 巨 ( おお ) きいのは、やはり「公孫樹」と書いた方が感じが出るようだ。 下の写真、これぞまさに公孫樹ですかな。 銀杏の葉には油があるから滑りやすいと聞きました。 坂道に一面…