「古老がつづる~」シリーズが全巻揃いました。
この本は、台東区教育委員会が、浅草や上野など台東区で生まれ育った長老の方々から昔の様子を聞き書きして編集されたものです。
「ああ、おばあちゃんの話を、もっと聞いておくんだったな」と思ったことはありませんか?
まさにそれ。
孫やひ孫の代わりに、おじいちゃんおばあちゃんの話を聞いてくだすって、それを沢山集めて一冊にまとめられた。
宝物のような本なのです。
ただの昔話じゃない。
関東大震災を初めてとした災害の生の体験談、祭りや日常の様子が生き生きと伝わってくるだけでなく、もうなくなってしまったお店を知るのにも貴重な資料になります。
「古老がつづる」を知ったのは、今から2年前。
小島政二郎さんの「食いしん坊」を読んでいたら、小島さんと芥川龍之介さんの気に入りの店として「広小路のトキワシルコ」という名店が出てきましてどんなお店なのか興味を持ったわけです。トキワシルコは関東大震災で閉店してしまい、実際にどの辺にあったのかもわかりませんでした。
そんな時に、この本に出合ったのです。
「古老がつづる」は明治・大正・昭和初期にタイムスリップさせてくれます。
一巻と二巻をくまなく読み倒し、続刊もあることを知りました。
販売しているのは上野にある台東区立 下町風俗資料館 。
ミュージアムグッズとして通信販売もしているとわかり、入手できたわけ。
あらまあ。
一巻、二巻の表紙は白黒だったけど、カラーにバージョンアップしてる。
こういう写真も貴重です。
ひとつひとつ読み進めるのに、古地図や火災保険地図を見ながらというのも楽しい。
東京都立図書館でコピーした火保図がこんなに溜まりました。
これ見ながら古の下町に思いをはせる。
ああ、なんて楽しい時間なんだろう。
この企画は、素晴らしい。
墨田区も、江東区も、中央区も、、、是非真似てくれないかな。
「古老がつづる~日本橋」とか「古老がつづる~向島」とかって。