PATE屋さんを後に、表通りに出ると、打ちっぱなしの建物の一階に、
気になるお店を見つけました。
中勢以と書いてある。
店長さんらしき人がお店の外で電話中。
目があった途端、その方は「あとでかけなおす」と電話を中断し、いらっしゃいませをされました。
「こちらはもしかしてお肉屋さんですか?」
「はい、熟成肉の店なんです」
「この造作、鎌倉の〇〇と関係があるのかしら」
「あっ、それはですねぇ、いろいろ複雑なお話なんですが」
ご主人 ( らしき方 ) は、その店とこちらのお店との複雑な事情を話してくれました。
「でもどうぞ、ご内分にね」ということで。
ご内分にと言われてしまった以上、ここで明かすことは出来ませんが、
こちらのお店の方が古いとだけ言っておきます。
ひときわ目を引くのがショーケース。
ご主人との話に夢中で、撮影許可もいいそびれましたので、
お借りした写真。
取っ手の木は、中勢以のロゴから作ったそうです。
お肉がずらっと並んでますが、白木の上に乗せてある。
「お肉って昔から檜やヒバの葉や、人工芝の緑の上に並べてましたよね。
あれは肉の赤身が綺麗に映えるようにしてたんです。
でもうちは熟成肉ですし、清潔さも感じられるようにと木にしました。
それから照明も、LEDのスポットライトで色調も試行錯誤してこうなりました。」
「なんだか神々しい。お仏像を見ているみたい」
「いえ、仏教ではなく、神道の方なんです、狙っているのは」
「ああ、なるほど。神さまの方だから白木なんですね」
「その通り」
「静かに厳かに、気品があって素敵ですね」
「そういっていただけると嬉しいです」
ご主人と話をしていたら、常連らしき奥様が入ってみえた。
「明日、バーベキューをしたいのでお肉を二種類ください。
それから今日の夜用に豚バラも。」
なるほど、どんな料理をどんな感じで作りたいからといえば、
最適な部位をセレクトしてくれるわけだ。
値段を見ずに買い物するところはやっぱりセレブだ。
お客さんが増えたところで、私もじっくりショーケースを拝むことに。
どのお肉も美味しそう。
でも、今日のところはPATEもあるし、、、あっこれこれ。
牛すじがあったので、300gばかり貰っていくことにしました。
常連の奥様の接客が一段落すると、
ご主人らしき人は、奥様と私にこんなことを言いました。
「今度惣菜も作ることになったんです。第一弾はハンバーグ。
ちょっとお高いですが自信作。是非一度おためしください」
一個 1,000円とは、高いが美味しいんでしょうな。
「それじゃ私。ひとついただいていこうかしら」
奥様につられて、いきおい私も一個。
ご主人たら、商売お上手っ!!!
でも、なかなか牛すじって手に入らないので、助かりました。
明日は、半分を煮込みにして、半分は後日カレーにしようかと思います。