日本テレビ開局70年のスペシャルドラマ「テレビ報道記者」を満喫した。
物語は、4人の女性がテレビ報道記者として奮闘する様子を、時系列をいったり来たりさせながら描いている。扱われる事件や災害などは実際のもので、映像も実際のニュース映像が使われていたり、ニュース番組も日本テレビの「News every.」や「news zero」などが使われている。
4人は年代の古い順から、1981年入社の曽根昭子を仲間由紀恵、1995年入社の平尾成美を木村佳乃、2003年入社の真野二葉を江口のりこ、2019年入社の和泉令を芳根京子が演じている。
和泉 令 ( 芳根京子 )は、コロナ禍に社会に出た新入社員。知らない人に電話をしたこともないという世代。仕事が忙しくなり愚痴をきかされていた恋人に逃げられたりするのを、先輩に「新入社員あるある」とからかわれたりもするが、彼女なりに報道とは何かを求めて突っ走っている。
真野 二葉 ( 江口のりこ ) は、都内の事件・事故を取材する「警視庁記者クラブ」に配属され、秋葉原無差別殺傷事件の現場に行く。遺族取材に心を痛めていた頃、未解決事件の被害者遺族と出会い「なんで時効なんてあるんだろう」と悩み、時効廃止に向けて奮闘する。報道カメラマンの須貝 ( 青木崇高 ) と結婚し、育児と仕事の両立に疲弊する毎日だが、二葉の時代には社会が子育支援制度が確立しているため「子どものお迎えの時間」と、仕事場から抜けられるようになっている。
平尾 成美 ( 木村佳乃 ) は、社内で女性初の報道記者となった曽根昭子に憧れて入社。曽根が成し遂げられなかった警視庁キャップにまでのぼりつめた女性。独身、子なしでバリバリの仕事人生を送っているが親の介護問題を抱えている。
曽根 昭子 ( 仲間由紀恵 ) は、当時の女性記者は花やパンダの中継くらいしか任せてもらえなかった中で上司に掛け合い日本テレビ初の女性テレビ報道記者となり、オウム真理教代表の麻原彰晃が逮捕される瞬間の中継を任されるまでになる。だがその裏では恋人から「結婚したら仕事をやめてくれると思っていた」と言われプロポーズを断っている。警視庁キャップになる夢を持っていたが、女性であるという理由で後輩に席をゆずらなければならなかった。
番組のHPには、モデルのなった女性たちが、木村や江口と対談する動画などがアップされている。
撮影現場で演者がアドバイスを受けることにより、出来上がったシーンがより一層リアルになっていくのが興味深かった。
特に木村佳乃さんの反応、吸収力に舌を巻いた。
木村さん役のモデルの1人である下川美奈さんとのほんのちょっとした会話から、
役作りを瞬時に修正して演じてみせている。
上手な役者だとは思っていたが、実に研ぎ澄まされた感覚の持ち主だとあらためて感心した。
物語は、38年前と最近とをいきつもどりつ構成されていて、
昭和と令和とを比較することで「こんなにも社会が変わったのか」と気づかせてもらえた。
偶然にも、現在放送中の『不適切にもほどがある』も、38年前からタイムスリップしてきた男の話。
「報道記者」と「不適切」は、テイストは異なるものの、時代の変化を考えさせられる面白い作品だ。
私にとって昭和は《ちょっと前》の世の中だったが、こうしたドラマからある老害が、頭をよぎった。
女性に対する社会の見方 ( 差別や偏見も含む ) や、人と人との接触の仕方 ( ハラスメントやいじめを含む ) は日々変化していく中、人々は自然とそういった変化を受け止め、認識をアップデートしている。
ところが一部の人間に、そのアップデートができない者もいる。
あえて名をあげさせてもらうと、岐阜県岐南町の小島英雄町長、福岡県宮若市の塩川秀敏市長である。
彼らは、世の中からバッシングされても根っこの部分では「自分が悪いことをした」という自覚がない。
小島英雄町長に至っては、兄貴に「お前なにやってんだ」と言われたことで泣いていただけ、「心が折れた」とふてくされている。
そういった時代錯誤も甚だしい、アップデートできない人間を根本から叩き直すためには、今昔が比較できるようなドキュメンタリーなりドラマなりを、本人が根をあげるまで見せ続けてはどうかと思う。
・・・いやまあ、何を見せても、何を説いても、凝り固まった御仁の価値観はびくともしないのかも知れないが、脳内にパソコンの《いったん強制終了してアップデートできるような機能》があればいいのにと思ってしまう。
見逃された方は、fulu と Tver で配信されている模様。
下のサイトで、モデルとなった方たちと演者との動画を見ることができます。
本日の昼ごはん
金ちゃんの鍋やきうどん
本日の夜ごはん
ちょっと離れたスーパーに行ったら、美味しそうなシイタケがあったので購入。
さっそく焼いて、出汁醤油をチロッとかけてがぶり。
うちのニラ玉は、ニラを短く切る。
おやつに、かにぱん
ほんのりした甘さが、ワインやバーボンにもよく合う。