garadanikki

日々のことつれづれ 駄目駄目さんのガラクタ日記

芥川龍之介 『バルタザアル』

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徳冨蘆花から始まり、大佛次郎、久米正雄、里見弴といった鎌倉に関連する作家たちの作品を濫読するなか、この辺で芥川龍之介の作品をまとめて読んでみようと思い立った。

芥川作品といえば、恥ずかしながら『羅生門』『鼻』くらいしか読んだことがない。

この際、初期の作品から時間をかけて紐解いていこうと思う。


図書館に芥川全集は沢山ある。

手にしたのは岩波書店 1977年発行の旧仮名づかいの全集(全12巻)のもの。

さっそく第1巻 『バルタザアル』から。

≪バルタザアル≫
原作:Anatole France 英訳:John Lane 和訳:芥川龍之介

 【あらすじ】

エチオピアの黒色の王バルタザアルは、シバの女王バルキスとの恋に落ち愛し合うものの、バルキスの心がわりから冷たいあしらいを受ける。失意の中バルタザアルは学問を志し、星占術に傾倒していくと星の声を聞くようになる。「バルタザアル王がバルキスを愛さなくなった」という噂がシバの国に伝わると、バルキスは裏切りでもされた様に腹を立て、会いに来る。懊悩を隠せないバルタザアルだが、必死の勇を皷して頭をそむけ星の声に耳を傾けると、ある “ お告げ ” が聞こえてくる。バルタザアルは女王をふりきり、沒薬(※3)を持って神の幼児のもとに向う。途中、黄金をもつガスパア、乳香をもつメルキオルと合流し、三賢人は聖母マリアと幼児の待つ厩まで、星に導かれていく。



旧字体は、てこずること甚だしい。最初は “ 読みかた ” さえ、わからずパソコンツールのお世話になる。
1) IMEパッド(手書き)を使い、候補から目当ての漢字をコピー。
2) weblio辞書などに、ペーストして意味をさらう。

ひたすら骨の折れる作業を繰り返す内に、次第とお世話になる頻度が少なくなるから面白い。
旧字体には、新字体にはない趣があり、旧仮名遣いは独特のニュアンスを持っているので、明治・大正・昭和初期の作品を読みたい時は、なるべく旧仮名遣いの本で読んでみたいと思っている。
また今回、私窩子、寡人といった、新鮮な言葉と出会えたのが嬉しい。
  ※1 私窩子…しかし。売春婦の意。
  ※2 寡人…かじん。帝王・諸侯などが自分をさしていう語。
  ※3 沒薬…もつやく。北東アフリカ、アラビアなどに産するカンラン科の低木から得たゴム樹脂。
        古来、薫香料として珍重され、古代エジプトではミイラ製造の際に用いた。

出身校がカトリック系だったので、宗教の時間も科目にあった。

生徒の中には敬虔な信者もいたが、にわか信者(家は仏教だったり)の生徒も数多くいた。

クリスマスの頃には、イエズスキリストご生誕の劇も盛んに行われたし、厩で聖母マリアに抱かれた幼な児イエズスキリストの御前にひざまずく三賢人の絵もたくさん眼にした。

シスターから、いろいろと教えていただいたはずなのに、何一つキチンと覚えていない。

今回の短篇を通して「ああ、三賢人とは、こういう人だったのか」と始めて理解した、バチあたり者である。