暑くて、食欲がなくなる時分になると、母がよく冷や汁を作ってくれました。
母の出身は、埼玉県秩父市。
秩父の冷や汁は、うどんにかける食べ物でした。
秩父はこれといった産物はなく、お蚕さんの桑と、こんにゃく、セメント位が有名かしら。
手打ちうどんも良く食べていたそうです。
うどんとこんにゃくが名産というのは、土地が肥沃じゃないということかも知れません。
秩父の武甲山と秩父セメントの煙突
母は、うどんを粉からこねて作ってました。
足でムギュムギュ踏んで作るうどんは、しこしことして弾力が違う。
私が結婚した当初、母は何故かMOURIにうどん作りを伝授してました。
MOURI 、筋がいいって言われてました。
話は、冷や汁に戻りますが、秩父の冷や汁に入っているものは、きゅうり、みょうが、なす。
これは欠かせない。それから大葉は気分次第。
味のベースは味噌で、白ごまをすって加え、薄めのつゆで伸ばしていたようです。
薄めじゃないとね、味噌が入りますから。
小さい時に食べていたから、今でもこの組み合わせの食材は全部、好きです。
食の好みの根源がここから始まったといってもいいと思う。
ところ変わって、宮崎の方に行くと、冷や汁はぶっかけ飯になるようですね。
ご飯にかけるのだから、秩父のものより出汁を効かさないと美味しくないのでしょう。
宮崎のレシピが鎌倉時代から伝わるものに一番近いんだそうです。
作り方は、いりこか焼いてほぐした鯵などの魚と、煎りごま、麦みそを一緒にをすり鉢であたる。そこに、手でちぎった豆腐、輪切りのきゅうり、千切りのシソ、みょうがを入れて、冷たく冷やした出汁でのばす。
豆腐とほぐした焼き魚と出汁か、それはそれは美味しそうじゃないですか。
・・・で。
最近の我が家はその二つのいいとこどり、というか気分で足したり引いたりしながら楽しんでいます。
本日は、八重の桜うどんに、きゅうり、なす、長ねぎ、オクラで、胡麻味噌出汁風味です。
長ねぎ余分だったわ_(._.)_