Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

日本橋蛎殻町を歩く

 

ちょっと時間があったので、蛎殻町を歩いてみます。

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古い家屋は今でも現役。

大切に住まわれているのがわかる。

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この辺りは、昔ながらの地名が残っています。

昭和37年に制定された住居表示に関する法律によって、

どんどん町名が統合され〇〇何丁目何番地という風になっていきました。住居法事法は、同一地番に複数の人が住んでいたりして、郵便を配達する人や、訪ねていく人が迷ってしまうという理由で、制定されたらしい。

確かに、現在のように地番が時計回りに振られていれば、訪ねあてるには便利でしょう。

しかし歴史的地名がどんどん消滅してしまうのは勿体ないことだと思います。

 

そんな法律に対して、住民が立ち上がりました。

各地で土地の名前を守る運動が盛んになると、流石に国も多少は配慮するようにはなりました。

この界隈でも、そんな運動のお蔭で地名が残されたんじゃないかしら。

 

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日本橋浜町、日本橋人形町、日本橋蛎殻町、日本橋古伝馬町、日本橋小網町、日本橋兜町などなど。

いいわねぇ、こういう町名の方が。

浜町とか、人形町とかっていう地名なら、もっといいのにと思う。



蛎殻町は、谷崎潤一郎の生誕地でもあります。

目下マイブームの百花文庫の『幇間 他二篇』が手に入ったので、読んでいる最中で、

ちょうど『秘密』という短編にさしかかったところ。

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 『秘密』の2頁目に、こんな記載があります。

私は最初から、澁谷だの大久保だのと云ふ郊外へ隠遁するよりも、却って市内の何處かに人の心附かない、不思議なさびれた所があるであらうと思つてゐた。
谷崎潤一郎著『祕蜜』より

 

 

谷崎潤一郎が、この小説を書いた頃 ( 大正元年 ) は、渋谷もそこそこ発展し始めた頃なのではないかと思います。しかし日本橋で生まれ育った谷崎さんにしてみたら「渋谷なんてど田舎」というイメージなのでしょう。

 

 

ここが、谷崎潤一郎の生地。

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黒い案内板の上の、紫の看板に「幻の羊かん 細雪」とあります。

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多分に谷崎潤一郎を意識してのネーミングでしょうな。

 

ははは。

もっと凄いのがあった。

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このビルの二階のお店は『谷崎』というしゃぶしゃぶ屋さんでした。