今回の鎌倉歩きのひとつは、寿福寺から源氏山公園に登るコース。
その前に、英勝寺に行こう。
昨年来た時は16時 (閉門時間) を過ぎていたので参拝できなかった。
やった! 今日は開いてるみたいです。
順路に沿って歩きます。
鐘楼を抜けて、本当はあそこが惣門らしい。
山門の上の文字 すてき。梵字かしら。
境内ぎりぎりに岩がせり出していて、、、
な~に、三霊社権現?
入れるみたいだ。
岩穴のちょうど真ん中あたりに、石仏が安置されてました。
目が慣れてこないと気付かないほどの暗さ。
静かで暗い洞窟で雑念を払って参拝するという感じ。
山門まで戻ってくると、本殿の方からオジサマがおいでおいでをしています。
「初めて? 石仏は見たのかな? じゃあ一緒に来て、説明するから」
20代女性が、先に説明を受けていたらしく、
その人と一緒に、説明してあげるから、いらっしゃい ということらしい。
? ? ?
ボランティアの方なのかな? それともお寺の方?
英勝寺は尼寺と聞いていたけれど、ひょっとして和尚さま?
何はともあれ、色々教えて下さるそうなので… とりあえず和尚様ってことで…
まず山門から
和尚さまのお話は、学校の先生みたいに質問形式。
和尚さま
はい考えて。わからない? じゃ、一緒に跨いでみよう。ほれ、一緒に。
分かった? 片足を一歩向こうにやると、どうしたってお辞儀する格好になるでしょう?
これがあるお蔭で、自然に礼をしちゃうんです。
でね、この桟は結界なんです。
結界ってわかる? わかんない?
結界というのはですね、聖なる領域と俗なる領域の境目のことなの。
ここで桟をまたいでお辞儀をすると、俗世から、聖域に入るわけ。
和尚さま
そう。葵のご紋だね。
どうして葵のご紋があるかっていうと、この寺は徳川家と非常に縁が深いんです。
昔この寺があった場所に太田道灌の住居がありまして。
その子孫のお勝という人が居たんだけど、徳川家康の寵愛を受けて一女をもうけたけれど、死んでしまったので、家康は水戸家初代-徳川頼房の養育を命じたの。ちなみに頼房の子供は水戸黄門ね。
家康が亡くなると、お勝は出家して英勝院と改めて、三代将軍家光から、祖先道灌の住居だったこの場所を賜り、英勝寺を建立したの。
その後、この寺の住持は、代々水戸家の姫君がつとめたので、水戸御殿ともいわれ、屋根に徳川家の三葉葵が掲げられてるというわけです。
おうおうおう、そうなんですか。
和尚さま
上の屋根の垂木は放射状だけど、下の屋根の垂木は平行でしょう?
あれは禅宗様の建築様式なんだけど、浄土宗でもあるんです。
そうそう、屋根はどうやって吊られているかわかるかな?
あそこの5番目 (?) の垂木のところ、外に出ている長さより、内部の長さの方が長いわけ。
テコの原理で支点を中心に内部の方が沈み、外の屋根部分を支える仕組み。
和尚さま
何故、下の方を太くしてるかわかるかな?
「木が痩せるから?」
和尚さま
鐘をつくには鍵を開けて中に入らないとならないの。
じゃあ本殿ね。
和尚さまは、3人連れて本殿に向かいます。
本殿の中は、丁度法要があったとかで、電気がつけられていました。
流石に、撮影不可だと思い、写真はなし。
天井からぶら下がっているジャラジャラも、結界のひとつで、僧侶を護っているんだとのこと。
ご本尊の阿弥陀さまの台座は蓮の花がふたつに分かれているんですって。
普通の台座の阿弥陀様は、人間の方から参拝に行って願いを適えてもらうけれど、
ここの阿弥陀様は、ご自分の方から歩み出でて救ってくださるんだって。
凄い。
和尚さま
おおっ、ホントに先生みたいだ。
指名された彼女は一生懸命思い出そうとしています。
なんでも、蝉が脱皮して姿を変えることから「再生」の象徴となっているんだそうな。
彼女、京都から来たということで和尚さまに「京都の子ならわかるだろう」と言われ、
タジタジしてました。
気に入られちゃってツッこまれ通しだったみたい。ふふふ、ご苦労さま。(笑)
和尚さまのレクチャーはひと通り終わり、今咲いている花や、木の話になりました。
これ、和尚さまが一番好きな花なんだって。
貝母と書いて “ばいも” というらしい。
ばいもかぁ、下向いちゃって、随分淋しい花だ。
英勝寺のひいらぎにも、意味があるそうです。
古木のひいらぎの葉は、とげとげがなくなるんだそうで、年を重ねて温厚になるという意味で大切にされているそうです。帰りに落ちているひいらぎの葉を持って帰りなさい。と言われたけれど、綺麗に掃き清められた境内にひいらぎの葉はひとつも落ちてませんでした。
和尚さまの話は終わり、竹林の方に戻っていかれました。
お話、ありがとうございました。
和尚さまが、この寺は撮影自由だというので、撮影しそびれたものもあるし、
もう一回りしてみよう。
今の時期は、ミツマタが終わりかけてるけど、
隣のサンシュユが見事。
その他、見頃の花々
これから楽しみな花、紫陽花。
英勝寺は、藤と彼岸花も見事だそうです。
彼岸花を見にまた来よう。
※ 以上、和尚さまのお話として、メモも取らずに聞いてきたものを、なるべく正確にと思い調べて書きましたが、
記憶違い、聞き違いもあるかも知れません。
どうか、鵜呑みにしないで、出来たら和尚さまに聞きに行ってください。
尚、文中、和尚さまと書きましたが、勝手にそう呼ばせていただいたものです。
おまけ
和尚さまがやってて、楽しそうだったから…
お寺のわんちゃん。