Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

「ティファニーで朝食を」vol.2 ユニオシ問題

 

原作「ティファニーに朝食を」に、ユニオシという名の日本人らしき人が登場する。

主人公は、カリフォルニア出身 ( 日系二世 ) と認識しているが、

バーの店主-ジョーは、日本から来た紳士 ( 日本人 ) と認識している。

だが、ジョー自身「I・Y・ユニオシさんを覚えているかね?」と言っているように、

ミドルネームもあるのだから日系二世だと思われる。

 

ユニオシさんは、主人公とホリーが住んでいたアパートの最上階に住んでいて、

職業は、写真雑誌の専属カメラマンである。

 

 

このユニオシさん、

原作と映画では、役回りが随分違っている。

 

原作

冒頭で登場し、ホリーの《その後》を暗示させる役柄を担っている。

また、ホリーが共有玄関の鍵を失くす度に、ユニオシさんは夜中にたたき起こされ迷惑している。

だがその役目は主人公がアパートに越してくるまでで、

以降、ホリーのドア開け係は主人公が引き継ぎ、ユニオシさんの出番はない。

 

映画

ホリーのドア開け係をさせられ迷惑をしている。

また、ホリーがパーティーをやって騒いだり複数の男が出入りする為、ずっと苦情を言っている。

( 小説で、ホリーに苦情を言うのは、一階に住むコロラトゥーラ歌手のサフィア・スパネッラ女史 ) 

 

映画で悪役を一手に引き受けているのが、ユニオシさんなのだ。

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映画のユニオシさんは、露悪的に描かれている。

眼鏡、ちび、でぶ、はげ、神経質。

日本のことを知らない当時のアメリカ人にとっては、こういうものかと思い笑えたのだろうが、のちにこの人物描写は世界からバッシングを受けることとなる。

 

 

日本人についての差別

映画のユニオシ像は、日本人をステレオタイプに描いていて差別だと酷評されている。

だが私は、ちょっと違うところに抵抗を感じた。

外見が醜く描かれることより、日本文化をおざなりにされることの方が気になるのだ。

相手を知った上でその弱点を突くより、相手を知る価値もない存在として扱うことの方が、悪意に満ちている。

 

寸足らずの浴衣に足袋裸足。ベッドの上にぶらさがった提灯。

盆栽ではなくプランターをもたせ、丹前に火消しの半纏を羽織りお茶をたてる。

丼のような茶器を愛でる日本人がどこにいようか。

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ここまで適当な描写をしつくされることの方が、

外見をいじられるよりはるかに  腹がたつ  笑ってしまう?

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きわめつけは、不法侵入 💦

ホリーを逮捕させるために、ホリーの部屋に勝手に入っているユニオシさん

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やっぱりおちびさんだな ⤵

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って、なんであなただけ、ホリーの部屋に残るの?⤵

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原作に差別がないかというと、そうではない

小説でも、ジョーがユニオシさんについて、こんなことを言っている。

「あのちびのジャップだって彼女を目にした途端に~」

「あのジャップの話によるとこういうことだ」

 

冒頭部分では、ジョーはユニオシさんを《日本から来た紳士》と言っているのに、

途中から《紳士》が《ちびのジャップ》に代わってしまうのが興味深い。

 

 

下記は、小説でのユニオシさんとホリーのやりとり。

夜中に起こされたユニオシさんは確かに怒っている。しかし普通に紳士的に抗議をしている。

ある夜、もうとっくに十二時をまわっていたと思うのだが、ユニオシさんが階段の下に向けて怒鳴る声で、僕は目を覚ました。彼はいちばん上階に住んでいたので、そのいらいらした剣のある声は建物中に響き渡った。

「ミス・ゴライトリー! 私は断固抗議しますぞ!」

それに対して、階段のいちばん下から立ち上がるように返ってきた声には、若さにつきものの他愛のなさと、どこか一人でおかしがっているような趣があった。

「あら、ダーリン。ほんと、ごめんなさいね。鍵をなくしちゃったものだから」

「いつもいつもうちの呼び鈴を押されては困るんだ。お願いだから、後生だから、合鍵を作ってください」

「でも、作るそばからなくしちゃうの」

「私は仕事をしている。眠らなくちゃならんのです」とユニオシさんは怒鳴った。

「ああ、ほんとにごめんなさいね。かわいいおちびさん。これがほんとに最後

そしてもう怒らないでくださるのなら」⸺彼女の声はだんだん近くに寄ってきた。階段を上がってきたのだ⸺「私の写真を撮らせてあげてもいいかも。この前話していたようなやつ」

そのころには僕はもうベッドを出て、ドアを一インチばかり開けていた。僕はユニオシさんの沈黙を聞き取ることさえできた。聞き取る、というのは、その沈黙の裏にある息遣いが目に見えて変わったからだ。

「いつ?」と彼は言った。

娘は笑った。「そのうち」と彼女は答えた。語尾をひきずりながら。

「いつでも」と彼は言って、ドアを閉めた。

『ティファニーで朝食を』新潮社文庫 村上春樹版  p.23より

 

 

 

本日の昼ごはん

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具、たっぷり過ぎの鶏そば

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本日の夜ごはん

つまみ三品盛り、いぶりがっこ、ピーマンとツナマヨ塩昆布和え、棒棒鶏

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スープと二品でビール飲んでて

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新玉ねぎのトロトロ煮

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車麩の卵とじ

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マカロニと豆苗のチキンスープ

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もう一品 ♫

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鶏むね肉とレタスの含め煮

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鶏むね肉は、事前にマヨネーズに漬けてしっとり柔らかくしておき、

マヨネーズは軽くこそいで炒め、軽く焦げ目がついたら、

レタスを入れ、出汁&みりん&酒&醤油で含め煮した。

マヨネーズが固まってたれに浮いているのがビジュアル的になんだな。(;^_^A

美味しかったんだけど、それがマイナス。

 

 

追記 ) お詫びとご報告

このコンテンツをアップして数日後、カスタムURLを変更したことにより、

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折角皆さまから頂戴したスターやコメントが私のミスで無くなってしまったことが無念でなりません。

そして頂戴した皆さま、ごめんなさい。

 

ブックマークのコメントだけは、表示が見られたので、

ここに貼り付けます。

たまうきさん、いつもありがとうございます。ごめんなさい。

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