Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

名残常盤記からスゴイ本に出会った!

 

吉良氏のことをつらつらつら考えていて・・・

色んな史料を取り寄せては通覧する日々が続いている。

 

史蹟などの由緒書きを見ると、それに関係した人物に興味がむいてしまうので、

今回は、豪徳寺の前身-弘徳院を作った吉良政忠に始まり、吉良氏に熱中です。

 

吉良一族の中でも特に政忠さんは、生没も不明で極端に情報が少ない人でして、

伯母君のために菩提寺を作ったりしなかったら、彼の名は埋もれてしまっただろう人。

そんな、わからなければわからない人ほど気になるもので色んな本をあさっています。

 

こんな本に巡り合った。

世田谷城 名残常盤記

 

名残常盤記なごり ときわき」というので、てっきりシラサギ伝説の本かと思ったらそうではなく、

とんでもない本でした。

 

名残常盤記とは

まずは「名残常盤記」について簡単に説明しますと、吉良頼康の側室-常盤姫の悲話でこんな内容。

頼康の寵愛をいっしんに受けた側室の常盤姫はやがて懐妊。

これに嫉妬した13人の側室が「常盤は内海掃部と不義密通を重ねている、お腹の子は殿の子ではないと」と噂を流し、卑劣な計略を立て証拠まででっち上げた。

まんまと騙された頼康は怒り狂い、掃部を殺し、さらに常盤を捕らえるように命じた。

身重の常盤は間一髪のところで城外に逃れるが、もはや逃れきぬと観念し、可愛がっていた白鷺の足に遺書をくくりつけて実家へと解き放し、自害する。

追っ手が駆けつけた時には、常盤は既に死んでいて、胎児も死んでいた。

彼女の潔白を信じる わずかばかりの者は、胎児の胞衣に吉良家の家紋である桐の模様が浮かび上がっていることに気づき、頼康に進言する。

悲劇の2日後、内海掃部の屋敷から黒雲が湧き上がり、城内が鳴動するさなか、突然側室の下女が発狂して側室の数々の悪計を暴露。頼康は、厳しく事の真相を質し、最終的に側室全員を処刑した。

だが領内ではさらに怪事が続いたので、駒留八幡神社に亡くなった若子を“若宮八幡”として祀り、境内社として田中弁財天を建てて常盤を祀った。

その後、常盤の解き放った白鷺が力尽きて落ちた土地に、名も知れぬ花が咲くようになった。その花は白く、まるで鷺が羽ばたいているように見えることから、人々は“鷺草”と呼ぶようになったという。

 

私はシラサギ伝説を、この本を読みました。

 

 

実はこのシラサギ伝説はいく通りかあって、

「常盤姫が遺書をくくりつけて解き放したシラサギを、狩をしていた頼康が射落として、それを読んだ頼康が急いで館に戻ったが常盤姫は死んでしまった後だった」というソフトなものもある。

そんな、他のバージョンも読んでみたいと思い、たどり着いたのが、

鈴木堅次郎 著の「世田谷城 名残常盤記」だったのです。

下のリンクからご覧になれます、たぶん ⤵

世田谷城名残常盤記 : 世田谷風土記 - 国立国会図書館デジタルコレクション

 

ところがこの本は、常盤記の話だけを収録したものではなく、吉良氏の情報を網羅した図鑑のような本だったんです。「常盤記」だけでも4編の写本が掲載してあるばかりか、歴代の吉良氏のことが全部調べ上げられている。

 

以下は目次   ※ざっくりと見るだけで 飛ばしてください( ´艸`)

世田谷城 名残常盤記 目次 / (0018.jp2)

口絵写真 / (0005.jp2)

序文 佐野保房・佐々木義宣・大場信続・井下清・構溝一清・吉山真棹・長野高一 / (0009.jp2)

 

序説篇 / (0029.jp2)

第一章 出版の趣旨 / p1 (0030.jp2)

 第一節 私の郷土誌 / p1 (0030.jp2)

 第二節 出版計画 / p5 (0032.jp2)

 第三節 常盤記刊行 / p6 (0033.jp2)

 第四節 附録文献 / p7 (0033.jp2)

第二章 常盤記四写本 / p11 (0036.jp2)

 第一節 北川本 / p11 (0036.jp2)

 第二節 大平本 / p14 (0038.jp2)

 第三節 神習本 / p15 (0038.jp2)

 第四節 代官本 / p16 (0039.jp2)

 第五節 その他の写本 / p19 (0041.jp2)

 第六節 穂積隆彦資料 / p19 (0041.jp2)

第三章 物語の著作目標 / p23 (0044.jp2)

 第一節 秀吉の刀狩 / p24 (0045.jp2)

 第二節 秀吉と徳川検地 / p33 (0049.jp2)

 第三節 家康の系図狩及び古文書狩 / p36 (0051.jp2)

 第四節 土着家人の意気と常盤記生成 / p39 (0052.jp2)

 第五節 幕府政策の影響 / p59 (0063.jp2)

等四章 歴史小説と構成 / p79 (0074.jp2)

 第一節 話材と構成 / p79 (0074.jp2)

 第二節 頼康とオセロオ / p84 (0077.jp2)

第五章 常盤記の流伝とその関係 / p87 (0079.jp2)

 第一節 流伝の関係 / p87 (0079.jp2)

 第二節 校訂の方法 / p90 (0081.jp2)

 第三節 名残常盤記の成立について / p91 (0081.jp2)

  

本文 / (0084.jp2) 校訂 名残常盤記 / p97 (0085.jp2)

 目録 / p97 (0085.jp2)

  一(発端)武州吉良氏由来之事 / p99 (0086.jp2)

  二(第二段)天王丸道行並さかさ川之事 / p108 (0091.jp2)

  三(第三段)天王丸帰参並淀殿の事  / p115 (0094.jp2)

  四(第四段)鷺草並内海掃部之事  / p124 (0099.jp2)

  五(第五段)内海父子被討事 / p133 (0103.jp2)

  六(第六段)常盤最後之事 / p144 (0109.jp2)

  七(第七段)蓮誉尼並内海怨霊之事 / p155   (0114.jp2)

  八(大尾)女房達死罪並八幡宮御建立之事 / p163 (0118.jp2)

 

解説篇 / (0122.jp2)

第一章 世田谷(せたがい)御所 / p172 (0124.jp2)

 第一節 世田谷地名起原 / p172 (0124.jp2)

 第二節 世田谷城の防衛構成 / p186 (0131.jp2)

 第三節 城山の回顧 / p189 (0132.jp2)

 第四節 城山の図面(上州飽間城) / p196 (0136.jp2)

第二章 頼康狩猟の地 / p203 (0140.jp2)

 第一節 古来のスポーツ場 / p203 (0140.jp2)

 第二節 深沢、野良田、等々力、奥沢 / p210 (0144.jp2)

第三章 天王丸道行の村(通り行く村々) / p215 (0147.jp2)

 第一節 北部世田谷から松沢へ / p215 (0147.jp2)

 第二節 調布市から狛江・玉川村へ / p220 (0150.jp2)

第四章 怨霊祭祀の地 / p225 (0156.jp2)

 第一節 常盤橋(奥州路と鎌倉道) / p225 (0156.jp2)

 第二節 馬引沢中郷(蛇崩川と萱苅荘・覚志郷) / p232 (0163.jp2)

 第三節 若林(石天神と甲州系) / p234 (0164.jp2)

 第四節 弦巻(尼沼と塔頭の腰) / p236 (0165.jp2)

 第五節 渋谷の常盤松 / p238 (0166.jp2)

第五章 寺社の建立再興 / p241 (0168.jp2)

 第一節 総説 / p241 (0168.jp2)

 第二節 吉良治家以前 / p275 (0185.jp2)

 第三節 治家から頼治・頼氏代 / p285 (0190.jp2)

 第四節 頼高の代 / p291 (0193.jp2)

 第五節 政忠の代 / p302 (0199.jp2)

 第六節 成高の代 / p330 (0213.jp2)

 第七節 頼康の代 / p351 (0223.jp2)

 第八節 氏朝の代 / p469 (0282.jp2)

 第九節 落城以後 / p487 (0291.jp2)

第六章 伝唱説話 / p499 (0298.jp2)

 第一節 淀川つつじ / p499 (0298.jp2)

 第二節 鷺草 / p502 (0300.jp2)

 第三節 御所桜 / p507 (0303.jp2)

 第四節 胞衣の家紋 / p511 (0305.jp2)

 第五節 春の節分の儀 / p516 (0308.jp2)

 第六節 犬黄楊(いぬつげ) / p520 (0310.jp2)

第七章 吉良家代々 / p523 (0312.jp2)

 第一節 吉良資料(吉良系図) / p523 (0312.jp2)

 第二節 治家の祖先 / p528 (0315.jp2)

 第三節 治家から頼康え / p535 (0321.jp2)

 第四節 頼康歿後 / p575 (0341.jp2)

第八章 吉良の知領 / p583 (0346.jp2)

 第一節 領地と知行権 / p583 (0346.jp2)

 第二節 世田谷城付の領地 / p593 (0351.jp2)

 第三節 蒔田領々地 / p614 (0362.jp2)

 第四節 越石の柴村領(港区芝) / p659 (0384.jp2)

第九章 吉良の一党 / p683 (0397.jp2)

 第一節 大平出羽の家 / p683 (0397.jp2)

 第二節 内海父子と鈴木藤三郎 / p700 (0406.jp2)

 第三節 橋本天王丸の家 / p717 (0414.jp2)

 第四節 世田谷の江戸氏 / p725 (0418.jp2)

 第五節 吉良四天王 / p737 (0424.jp2)

 第六節 松原佐渡とその一族 / p757 (0437.jp2)

 第七節 上総の家人 / p770 (0444.jp2)

 第八節 家人の動向 / p774 (0446.jp2)

附録 / (0447.jp2)

著者略歴 / (0483.jp2)

父のこと 鈴木妙枝子 / (0486.jp2)

遺稿の出版に当って 竹内秀雄 / (0485.jp2)

遺著の纂集をおわって 前島康彦 / (0489.jp2)

 

私は国会図書館の会員登録をしているので、ログインしてデジタルで全部読めるから、

目下むちゅーでパソコンにかじりついて読んでます。

 

知りたかった政忠のことも書いてある

それが面白いのなんの、

政忠さんは、政治がらみで蟄居をさせられていたので、

菩提寺を作る以外には、特になにも貢献することなく、無気力な生き方だったようです。

かなりオタクな人?

 

この図鑑のような本を書かれた鈴木堅次郎さんという人はどういう方かというと、

政治家で、引退してから世田谷郷土の研究家として全力を注いでいたらしい。

「世田谷にはスゴイ人がいたのだなあ」と、お宝本に巡り合い笑いがとまらない私です。

 

 

 

本日の昼ごはん

味噌煮込みうどん

いつもはMOURI が作るのだが、今日は自作、なのでちょっと味が違う

 

 

本日の軽食

ジムの帰りにMOURI が買ってきた小さいハンバーグ丼

 

本日の夜ごはん

どんちゃかややこしいラインナップ

蒸し茄子、酢の物、玉ねぎとトマトのサラダ、ポテトのチーズ焼きに加えて、

カリカリに焼いたガーリックトーストが食べたくてこんなになった

 

蒸しなすは皮をむいて生姜醤油で