『神様のカルテ』のテレビドラマと映画を鑑賞した。
どちらが好みかというと、私はドラマの方が断然好きだった。
映画の主演が、栗原一止に櫻井翔、妻の榛名に宮崎あおい。
テレビドラマの方は、一止に福士蒼汰、榛名に清野菜名。
キャスティングでは映画版のお2人の方が似合っていると想像したが、
観てみると、福士蒼汰ドクトルの方が原作に近く感じた。
これは、俳優のせいではなくて映画版の脚本と演出にあると思う。
原作のキャラクターを全くなぞっていないからだ。
主演に限らず、映画版のキャラクターの設定はかなり変更されていた。
一止の同級生・砂山次郎役には要潤がキャスティングされているが、
共に成長していくくされ縁の同級生ではなく、ただの《先輩》に変更。
内科の恩師、大狸部長先生と古狐副部長先生はひとまとめにして
貫田先生という上司になっていて柄本明さんがキャスティングされている。
原作の2人の先輩医師 ( 大狸と古狐 ) は、一止の医者としての指針になる大事な存在。
24時間年中無休の病院に夢をかける老医師の後ろ姿をみて一止が頑張るという要の役どころ。
ところが映画の先輩医師は、大学の医局をやめて過酷な地域医療に従事する道を「後悔している」というキャラクターになっている。
一止をひそかに恋する東西看護師は、ただの《有能な病棟看護師長》になり。肝硬変の横田さんも血を吐くだけの役、新人看護師・水無さんも末期癌の患者 ( 田川老人 ) の死にうろたえるくらいの出番、トヨさんマゴさんのおしどり夫婦も出てこない。御岳荘の学士さまは自殺未遂をするシーンも割愛され、ただ挫折して田舎に帰る男になっていた。
患者として唯一存在するのは《癒しの安曇さん》と呼ばれる末期癌のおばあちゃん。
ドラマでは風吹ジュンさんが演じていたが、
映画の方は加賀まりこさんが演じ、
学校の先生をやっていたという設定に変わっていた。
加賀まりこさんは《癒しの》には見えないなぁww
映画は上演時間の制約もあるから、色々なエピソードを割愛せざるを得ない。
だが、あまりにも原作の色合いが消失してしまったことが寂しい。
主演の櫻井翔は、もっとハキハキと明るく、変人・栗原一止を演じてくれると想像したが、純粋だけれど、いつも疲れていて暗いイメージの強い一止だった。
宮崎あおいは、優しい妻の一面と、山岳カメラマンとしてのプロの気合を見事に醸し出していた。
一方、テレビ東京で放送されたドラマ版は、原作のエッセンスを一つ残らず拾い上げ、丁寧に作られている。
脇をかためるキャスティングも見事。
それぞれがちゃんと描かれているから、とても良い。
【ドラマ版の配役】
このコンビがとても良かった!
大狸先生に北王路欣也、古狐先生にイッセー尾形
一止をひそかに恋する東西看護師長に大島優子、
癒しの安曇さんに風吹ジュン
一止の同期、砂山 ( 怪物 ) に上杉柊平、進藤辰也に中村蒼
ダントツに良かったのが、小幡奈美先生
一止のいる本庄病院に赴任した優秀な消化器内科医。
大狸先生の元教え子。
辛辣なことをズバズバいうが、常に的を射ていて一止が大学病院で学びなおそうと決意するキッカケになった人物。
水野美紀さんは本当にスゴイ。
一番好きな女優さんである。
本を読むのは面倒だけれど、どんな作品か知りたいと思われる方は、
映画版よりも、ドラマ版の方が原作に近いのでおススメです。
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追記 )
原作の4冊目まで読了。
「神様のカルテ 0」( 第四巻 ) の解説で、小川一水さんがこんな文章を寄せている。
ちょっと映画版との相違について触れておきたい ( ネタバレになるかもしれないがご容赦を )
本作は2011年と2014年の二度、映画化された。その中で、タイトルでもある「神様のカルテ」という言葉は、どうやら篤実な医師が書いてくれた心のこもったカルテである、という意味で使われたらしい。これについて作者の夏川氏は2015年のインタビューで、映画と小説は違うものだから仕方ないが、そういう意味で作った言葉ではない、と述べておられる。
ではどういう意味か。それが今巻「ゼロ」で直接出てくる。詳しくは表題作短編の「神様のカルテ」を読んでいただきたいが、作中人物の言葉を借りると、「神様がそれぞれの人間に書いたカルテ」だと述べられている。それは不可侵であり人間には変えられない。医者はそれをなぞるだけの存在だ、と。
本日の昼ごはん
美登利寿司のちらし
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しじみの味噌汁を作りました
本日の夜ごはん
ちくわとセリの炒め物、みざんで味付け
スープは芽キャベツ、もずく、えのき、トマト
バーボンのお供に ハパンコルプと、
白えびせん
練馬IMAのイオンで出会いました!