吉田修一 著『破片』を読了
本作は、吉田修一コレクションⅣ「長崎」に収録
また文春文庫「最後の息子」に収録
一年ぶりに東京から長崎に帰郷した兄・大海と、実家の酒屋を継いだ弟・岳志は、父親・昭三とともに磯遊びに出かける。三人が向かう磯は昔から家族で来た場所だった。母親は兄弟が幼い時に土石流に巻き込まれて亡くなった。兄弟は母親が土石流に飲まれるさまを目撃したのがトラウマにもなっている様子。
大海は東京での暮らしがぱっとせず、岳志は地元でストーカーまがいの行為を続けている。久しぶりに会った父と兄弟も語り合うことが難しくなってしまった様子で微妙な距離感が漂う。
岳志は長年かけて父が持つ廃屋の改装をしているが、その廃屋と自分の家を結ぶ通路を舗装するのに、ビール瓶の破片を使って舗装したりしていた。この通路が地元でちょっとした話題にもなるが、兄も父も行き場のない虚無感を感じている。
吉田さんの作品には、たびたび出身地・長崎の風景が登場する。
吉田さんの実家は酒屋さんらしいが、この作品にも、帰郷した兄と弟で、坂の上の家までビールケースを配達するシーンがあり、坂道や階段の多い長崎の酒屋さんの苦労がよくわかり興味深かった。
本日の昼ごはん
ポトフとミニフランスパン
本日の夜ごはん
真ほっけと新わかめは、練馬IMAの魚力で調達
最近好きなもののひとつに紅生姜入りのさつま揚げがある。
これを出汁と少量のみりん・醤油で煮付けると美味しい。
冷凍エビとブロッコリーのガーリック炒め