積読本・併読本に囲まれる中、
MOURI から「面白いから読んでみないか?」と勧められた一冊を読み始めました。
奥田英朗 著『罪の
「面白いから読んでみない?」と私が薦める本で、彼の琴線に触れるものは少ないが、
彼の推薦本の殆どが興味深く私の心の響きます。
ちょっと癪に障る。
それは私が、
いやいや、私のストライクゾークがうんと大きい、、、ということにしておきましょ。
件の小説、一気に読んでしまいました。
そのスリリングなことといったら、大したものです。
物語の舞台は、東京オリンピック ( 昭和39年 ) 一年前の東京です。
昭和の高度成長期の浮足立った東京のさまが生き生きと伝わってくる話でした。
昭和39年といえば私はまだ6歳の子供で、小説の風景や状況は、記憶の後付けのようなものでしょう。
けれども、多くの思い出が綺羅星の様に重なります。
例えば、
・東京オリンピックの為に東京中あちこちで道路工事がされていて埃っぽかったこと。
・近所の酒屋・魚屋・八百屋・乾物屋の4軒に、集団就職のお兄ちゃんが奉公にやってきていたこと。
・吉展ちゃん誘拐事件に、同じ年頃の子を持つ両親がショックを受けていたこと。
前述の吉展ちゃん事件が本のモチーフになっていて、実際のエピソードが沢山使われていました。
・この事件で初めて報道協定が結ばれたこと。
・犯人が誘拐した子どもの靴を証拠として残したこと。
・うそ発見器が使われたこと。
・犯人の音声テープが放送されたこと。
・身代金の紙幣のナンバーを控えなかった等の警察の失態。
・犯人テープの言葉 ( 方言 ) から容疑者が特定されていったこと。
それらのモチーフをふんだんに使いながらも、実録小説ではなく、優れた社会派ミステリーに仕上げた奥田さんの実力に感服しました。
主人公は、宇野寛治という記憶障害の男ですが、そこに捜査一課の刑事・落合昌夫と、山谷で旅館を営む在日韓国人の町井ミキ子の2人の視点が合わさります。
三者三様の視点が緻密で丁寧であるがゆえ、当時の様子が生き生きと感じられ、物語に厚みがあります。
寛治の置かれた事情と世界、昌夫の世界、ミキ子の世界の裏付けがしっかりしているから、どの人物にも感情移入して読めました。
読了後、豆腐を買う鍋を片手に山谷の路地をさまよっている夢を見たのも、面白い経験でした。
物語の内容・書評は、カドブンのタカザワケンジさんの記事が見事だったので、リンクをさせていただきました。
奥田英朗 著『罪の
昭和の東京に、どんどん引き込まれる魅力を持つ秀作です。
今週の私の「面白いから、読んでみない?」は、この本に決まりです!
今日の朝ごはん
めちゃんこいい感じにでけたオムライスの卵 ❤
今日の夜ごはん
嬉しい5品 味・色合い・栄養のバランスよかったかも。
ゴーヤと豚バラ炒め、焼売、春菊の味ぽんバタ炒め 、バターコーン、ごぼうと人参のきんぴら