松本清張「死者の網膜犯人像」について、tonoho さんからこのようなコメントをいただきました。
昔読んだ手塚治虫のブラックジャックにも、網膜移植を受けた患者が、提供者(殺人事件の被害者)の見た映像に悩まされる話があったと思います。この小説が下敷きになってるんでしょうか。。。
手塚治虫さんがブラック・ジャックを発表したのは1973年 ( 昭和48 ) 、
松本清張さんが、この作品を発表したのは1990年 ( 平成2年 ) なので、
手塚さんが下敷きにして書いたのではないようです。
「死者の網膜に最後の画像が残っている」という話は以前から取り沙汰され、
世界的にもかなり研究されてきたようです。
海外では、網膜の残像のことを「オプトグラフィー」といい、
1876年、ドイツの生理学者フランツ・クリスチャン・ボールは網膜がどのように画像を感知しているのか詳しく研究をしています。
医師でもある手塚さんのことですから、海外の文献を目にしていたかも知れません。
因みに松本清張さんがこの作品を書くキッカケになったのは、江戸川乱歩の随筆集「幻影城」とのこと、本作品の冒頭でそう書いています。
「幻影城」は( 昭和26年 ) に発表されているので、手塚さんはこちらを読んでいた可能性はありますね。
「死者の網膜犯人像」の冒頭⤵
江戸川乱歩の随筆集「幻影城」のなかに「類別トリック集成」というのがある。
乱歩が博渉した内外の、とくに外国の探偵小説の単行本や雑誌掲載の中から拾い集めたもので、戦前戦後にわたっている。
その中に「網膜残像」という項目がある。
「死の刹那に見た犯人の顔が、解剖すると網膜に残っていて、犯人推定の手掛かりになる。こいいう話は昔からあって、よく小説にも使われたが、科学的には否定されていたところ、最近は肯定するような研究も発表されるに至った」
乱歩が、従来は「科学的には否定されていたところ、最近は肯定するような研究も発表されるに至った」と書いているが、どうだろうか。「最近」とは1953年頃の欧米をさしている。
松本清張 著『死者の網膜犯人像』( 文藝春秋《草の径》p.136より )
本日の昼ごはん
シーフード ( ? ) スパゲティー
シーフードといっても野菜もたっぷり使ったパスタ。
とても複雑な味付にしました。
オリーブオイルで、冷凍のシーフードと、玉ねぎ、しめじ、ピーマン、ズッキーニを炒めたら、味覇と軽く塩コショウし、最後に旨甘露醤油を加えました。
この醤油は我が家で使っているメーカー ( 川中醤油 ) の甘口系のもので、
ちょっとした風味づけに使っています。
とろっとして、焼き鳥のタレを薄めにしたような味と思ってください。
以前、作って好評だったこんにゃくを使った冷麺みたいなやつ。
前回の細いこんにゃくの方が冷麺っぽかった。
缶詰のホワイトアスパラガスと、茹でたいんげん。
マヨネーズで食べます。
なんとなくだるい、メニューが浮かばない。
なので厚揚げ焼いた。