新型コロナで遠出をやめ5か月になります。
鎌倉はおろか、近場をうろつかなくなりました。
最後に《ぶらMarco》したのはいつだったかしら。
今日は、少し長距離を歩きます。
行き先は、北沢川緑道。
※下地図の表示の谷間の部分をAからBまで歩きます。
拡大してみます。
北沢川は目黒川の支流のひとつで、世田谷区内を流れる二級河川でした。
「でした」というのは、後に暗渠化され下水道となってるから。
この北沢川がどんな変遷を辿って、今の《北沢川緑地》となったのかを、以下にまとめました。
北沢川から北沢川緑道への変遷の歴史
- 源頭地は世田谷区上北沢にある東京都松沢病院あたりで、そこにある将軍池からの小さな流れだったものに、1658年 ( 万時元年 ) 北側を流れる玉川上水からの分水が認められ導水するようになった。以来、北沢用水として、一体の田畑を潤してきた。
- やがて都市化が進み、多くの都市河川と同様水質が悪化し、1970年代から1980年代にかけてほぼ全域を暗礁化。
- 平成に入ると、暗礁地上部の緑道化が進められた。
- 1995年、東京都の「城南三河川清流復活事業」により、落合水再生センターからの高度処理水が目黒川に通水されることとなり、これを受けた世田谷区は都に交渉して「水質を劣化させることなく目黒川へ水を落とすこと」「費用はすべて区が負担すること」などを条件に処理水の一部を融通してもらい、北沢・烏山両河川暗渠部の緑道に沿って人工の“せせらぎ” ( 小川 ) を造成する作業を進めている。
北沢川緑道は、上北沢、桜上水、赤堤、豪徳寺、松原、梅丘、代田、代沢を通って、
池尻大橋西方で烏山川と出合い、その先は目黒川となります。
凄いです、世田谷区は
だって暗渠 ( 下水道 ) をそのままにしておいたって、別に文句は言われないだろうに、
そこを緑道に整備して、尚且つ区税を投じて人工の“せせらぎ”を流しちゃうんですから。
渋谷はどうした、渋谷も少しはそんなことしてみろってんだ。
東京都の「城南三河川清流復活事業」は、目黒川、呑川、渋谷川なんですよ、
だったら、渋谷川の「春の小川」も世田谷区に習って緑道&人工の“せせらぎ”にしてくれませんかね。
・・・・と。
また、能書きが長くなりましたが、
北沢川緑道を東から西に歩きましょ。
北沢川緑道の魅力は《画一化されてないこと》だと思います。
これが、なかなかいいんです。
地域・区画で、表情や趣きが違うんだから。
それって、緑の管理を地元住民に任してるからじゃないかしら。
だから区間によって、植えられてる植物も違う。これで趣きが違ってくるのです。
活動の活発な場所や、そうでもない場所があったりするのも面白いのです。
この辺は、環境美化部門の賞をとったようです。
植栽は、自然に任せているような場所もあれば、
オブジェがあったりもする場所もあり、色々です。
池尻から梅が丘まで2㎞ ちょっとの道のりを四季折々の植栽を愛でながら歩くのは、本当に楽しいです。
A地点の緑道
古い桜の大木が伐採されているのが目立ちます。
桜の木の寿命は60年と言われますが、
倒木の怖れがあれば、事故がある前に伐採することもあるでしょうし、
ちょっと痛ましい。
北沢川緑道の桜並木は、花見の名所にもなっています。
現在は場所取りシートは禁止みたいですが、昔はおおらかでした。
20年位前、人に誘われて北沢緑道で宴会花見をしたことがありました。
陣取ったのは、中島みゆきさんの家の前だって聞いたけど、さてどの辺りだったかさっぱりです。
この辺りの桜の木はまだ若いです。
緑道の小川には、いくつかこんな橋が架かっていて、名前がついています。
この辺は、大胆にオレンジのコスモス
このおうち、素敵だなあ。
せせらぎの小川の橋を渡ると玄関だなんて、いいロケーションだ。羨ましい。
少年が二人、小川に針を垂れていました。
ザリガニが取れるようです。
沿道のお宅のさるすべりの花
うすピンクの花は、最近あまり目にしない気がします。
この辺りは、大胆な紫式部だ。
代沢せせらぎ公園
ここのさるすべりは、まあ立派なこと!
公園ですから、植栽の管理は区なんでしょう。
またあった、橋。
「山下橋」とあります。
芙蓉の花は見おさめです。
こんもりした木に2輪だけ残ってて、あとは茶色い種でした。
種ってこんなの⤵
手前はヤブラン、右奥は彼岸花
咲く前の彼岸花の茎って、アスパラみたいだ。
あっちにも白い彼岸花が咲いている。
北沢川緑道には、文学碑もあります。
近隣に住んでいた文人のもの。
横光利一さんも代沢2丁目に住んでいらした。
雨過山房
この辺りの小川は蛇行して造成されていて、カッコいいじゃないか。
眺めがいいと思ったら「せたがや百景」のひとつだった。
椅子があったので座ろうとしたら「高齢者・身体障碍者優先」と書いてあった。
居心地が良すぎて長居をしてしまう若者が多いのか・・
また橋がありました。
なんか、この辺すてき
あまりに素敵なので、
行き過ぎて振り返ってみた
こちらは三好達治さんの碑
この辺りに縁のある文学者は、ほかにも沢山いらっしゃるらしい。
森茉莉さん、萩原朔太郎さん、萩原葉子さん、斎藤茂吉さん、石川淳さん、宇野千代さんと東郷青児さん、田村泰次郎さん。
目に鮮やかなブルーの窓の家、
「せせらぎ歯科」とは北沢川から取った名前かな。
おわっ! 一等地が更地になっている。
マンションでも建つのでしょうか。
この辺の家は、いい眺めでしょうね、
だってこんなに高低差があるんだもの。
この家の重なり方からも、高低差がわかります。
ここは、有名なロケ地です。
NHK プレミアム「真夜中のパン屋さん」で、謎の女子高生-希実 ( 土屋太鳳 ) が、
暮さん ( 滝沢秀明 ) から「昼に食べな」と貰ったパンをゴミ箱に捨てる場所。
この辺りは一番、ロケーションがいいかも。
犬をお散歩させてる人が沢山いました。
ここが、美観賞を取ったあたりなんですが、石垣のシダひとつとってもカッコいい
北沢緑道に架かる鶴ヶ丘橋の北詰の先は急坂。
坂上の先は、代田橋駅あたりか。
文学碑がまたありました。
萩原朔太郎・葉子と代田の丘の61号鉄塔?
ここ鶴ケ丘橋たもとから眺められる丘上の鉄塔には歴史がある。
昭和元年( 1926 ) に建ったものだ。当時緑豊かなここに堂々と聳え立つ銀色の塔は都市近郊を象徴する景観であった。
この塔のすぐ下に昭和8年、自らの設計による家を建て、居住したのは萩原朔太郎(1886~1942) だ。鋭く尖った三角屋根の家は、鉄塔を意識して設計されたものだろう。
詩人は、故郷前橋で電線の青い
閃光 を眺めては東京を恋い慕った。『底本青猫』の「自序」にはこうある。
都会の空に映る電線の青白いスパークを、
大きな青猫のイメーヂに見てゐる
かつては当地の高圧線の
碍子 も青く仄 めいていたという。詩人はそれを青猫に見立てたのかもしれない、代田鉄塔物語である。父はポエヂイを子は怖れを感じた。娘葉子(1920~2005) は、自伝小説『
蕁麻 の家』で「あの高い鉄塔」と描写し、「暗い予感」をこれに持ったという。今となっては詩人と小説家とを
偲 ばせるたったひとつの風景だ。このことから丘の鉄塔は「世田谷区地域風景資産」に選定された。
日本ではほかに類例をみない文学モニュメントだといえる。
2012年10月6日北沢川文化遺産保存の会
いい文章だなあ。
文学的な響きがある。
こういう文学碑って普通、教育委員会が書いたものだったりするけれど、ここは違いました。
教育委員会って文章が日本語になっていないのがあったりしませんか?
私はいつも笑ってしまいます。
その点、この碑の文章はいいです。好きだなあ。
北沢川文化遺産保存の会とは。。。
Wikipediaやブログを拝見して、この会の活動の深さに関心を持ちました。
気になる団体です。
ところで、鉄塔というのは、、、、
いやいや、「丘の~」とあるのだから、北のあっちのでしょう。
この先、北沢川緑道は環七を越すと、せせらぎのないただの緑道 ( 失礼 ) で、
ちょっと退屈な風景になるので、ここは緑道から外れて坂を上ってみよう。
息が苦しい。
おお、やはり凄い坂だった。
この鉄塔かな?
鉄塔の周囲を探しましたが、「鋭く尖った三角屋根の家」はもうありませんでした。
朔太郎さんが亡くなった1942年といえば、戦時下ですから、
とっくに無くなった建物なのでしょう。
緑道をそれ、代田駅方向に進むと、おやっ?という家がありました。
表札は「服部勝久」
こんなところに住んでいらっしゃったのか。
※ 故人のお宅なら公開は差し控えたものかと思いましたが、
「音楽畑」という公的施設でもありそうなので掲載しました。
ここからは、住宅街を右左。
環七に出ました
あちら側に神社らしきものが・・・
連休なので交通量は少ないかな。
境内が綺麗に掃き清められていました。
代田八幡神社に参拝を済ませたら、梅丘から電車に乗って帰宅の徒につく、
10206歩、6.1㎞のぶらMarcoでした。
参考資料:「ふれあいの水辺」北沢川緑道 さんからお借りしました⤵
参考資料:北沢川緑道の橋のイラストと名前がわかるマップ
アーバンイラスト制作室-プロジェクト-世田谷郷土資料館、北沢川-北沢川文学の小路案内マップ
本日の夜ごはん
タンパク質、ふたつ
ブリも蟹も、梅丘駅前のワイズマートという地元密着のスーパーで買いました。
初めてのスーパーは楽しい!
ししとう、ちょっと焼き過ぎた
チョップドサラダ
レタスに、アボカドと種なしぶどう ( サニードルチェ ) を入れて、
ちょっとオシャレに❤
きのこ色々のソテー
まこも茸、しめじ、舞茸をソテーして、
マコーミックのごまドレをかけました。
「これはウマい!」と高評価。
きのこはそれだけでもウマいのさ。
〆は、朝食の残りご飯で作った おにんぎり
具も、朝食のピーマンとジャコにマヨネーズを和えたもの。
このホイルはほんとに優れもの。
ラップで包んだおにぎりと別ものになるから不思議です。