Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

フランクリン・ライブラリーって

 

ハーディの「テス」を読了しました。

先日アップしたのは上巻を読んだ時点でのことでしたが、

下巻も思わぬ展開で、たたみこむようにラストまで一気読みでした。

そうなるか・・・という結末に、ちょっと驚愕。

 

ハーディの描写力は、やっぱり素晴らしい。

大好きです!

特に自然の描写が、好きです。

 

コレットの「青い麦」を読んだ時とまったく正反対の印象を受けました。

コレットの自然描写は、ストーリーとかけ離れていて、しっくりこなさを感じたんです。

その時の翻訳が私に合わなかったのかも知れないし、

私がフランスの避暑地を知らないからピンと来なかっただけかも知れません。

でもそれと比べて、ハーディの自然描写はビシバシ感じ取れました。

ひとつひとつの気候や風景の描写が、テスの心情を語る上でなくてはならないものに感じられたのです。

 

 

 

今、テスの映画とテレビドラマを観ようと画策中。

有名なのは、ロマン・ポランスキー監督、ナターシャ・キンスキー主演の映画です。

これはツタヤディスカスで借りられるので観たいと思います。

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BBCのテレビドラマ版、ジェマ・アータートン主演が、Amazonプライムで見られるらしいので、そちらも楽しみ。

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岩波文庫版 ( 井上宗次・石田英二 共訳 ) の「テス」が良かったので 他の版でも読んでみたくなり、 

さんざん迷いましたが、実はちょっと散財をしてしまいました。

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前々からちょっと気になっていたので、この機会に一冊。

「フランクリン・ライブラリー文学全集」というシリーズの豪華本です。

 1983年に発行された当時は、一冊2万円近くしたそうですが、

2,000円ちょっとの値段だったので買ってしまいました。

 

「フランクリン・ライブラリー文学全集」は、幻の豪華本としてヤフオクやメルカリ、

日本の古本屋などでも売られています。

全巻揃えで35万から、高いのだと90万などという高値がついているものもあるらしい。

 

上下横と三方金になっている。

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こんなことが書いてある。

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豪華・・・ですけど、ちょっとバブリーな匂いがスル (;^ω^)

「この本で殴られたら凶器になるな」というのが第一印象。

 

ちょっと黄色味がかった、厚手の上質紙をつかっています。

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活字は読みやすいロゴですが、三段組でした。

今読んでいる「空飛ぶ馬~赤頭巾」の一文を思い出してしまいました。

「正直これにはまいった。

 三段組の細かい活字を殆ど意地になって読み通し、いい筈の目がしばらく仮性近視気味になった」

 

 

フランクリン・ライブラリー版の翻訳は、大沢衛さん。

日本ハーディ協会会長さんだった方だそうで、かなり古い翻訳です。

読みにくかったのは英語の表記。

 ダーバヴィルが、ダーバァヴィルだったり、

 ブラックモアが、ブラックムーアだったり、

 ダービフィールドがダーベィフィールドだったりする。

 

翻訳そのものは古いけれど、雰囲気は悪くない。

でも。

井上さん、石田さん共著の岩波文庫版の方が、テンポある訳なので、そっちの方が好みかな。

 

 

豪華本には、12枚の挿絵が入っていました。

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イギリスの、著名な画家で、ハーディの肖像画も描いていたという、サー・ヒューバート・ハーコマーさんのもの。

※ 今は、フーベルト・フォン・ヘルコマー ( Hubert von Herkomer ) という表記です。

 

正直にいうと、サーの挿絵は、好みではありませんでした。

もし、最初にこの挿絵で「テス」を読んでいたら、この作品にのめり込まなかったかも知れません。

絵は好みの最たるもの、赦してほしい。

サーの称号をもらうくらいの人ですから、すっごい画家さんなんでしょう。

ネットで《フーベルト・フォン・ヘルコマー》《絵画》で検索したら、

なかなか素晴らしい風格を感じる油絵が沢山ヒットしました。

しかし、それらは「テス」の挿絵は全く印象が違います。

 

「テス」の挿絵、ハッキリいって「下手じゃん」

それに「美人でもなんでもないじゃん」

⤴ ⤴ ⤴

これは、個人の感想です。

 

 

読み終わったら、たぶんこの本は手放すと思います。

豪華本ですが、私の本棚には似合わない。

カバーは私を拒絶するほどの堅さで、こんなに寄り添ってくれない本というのは初めてです。

 

もしかしたらですけど・・・

この本のターゲットは、本好きではなく、

バブリー系だったり、インテリアとして本を飾りたいという人向きかもしれません。

 

 

 

 

本日の夜ごはん

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京のお揚げと小松菜の炊き合わせ、肉じゃが ( 昨日の残り )

鯵のたたき ( MOURI 購入 )、鶏レバーのワイン煮 ( Marco 購入 )   

 

焼き鳥「日本一」で見かけた新商品でした。

好物のキンカンが目についたので買いました。

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これ、凄ーく美味しいです。

ワインの風味で、レバーの臭みがまったくありませんでした。

 

京のお揚げと小松菜

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京都のお揚げは、他と全然違います。

出汁で炊いても油っこくなく、美味しく仕上がりました。

味付けは白だし。