Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち

 

「次は何読もう ( 観よう ) かしら」

そんな時 周期的にある時代の作品を読みたくなる。

ひとつは大正時代を描いたもの、もうひとつがイギリスの、特にヴィクトリア朝時代のもの。

例えば

コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズだったり、

トーマス・ハーディ『テス』だったり、

サマセット・モーム『お菓子とビール』だったり

ジョージ・エリオット『フロス河の水車場』だったり、、、

森薫さんの漫画『エマ』もハマった。

森薫さんの【エマ】漫画の魅力!歴史ロマンスであると同時に至高のメイド作品でした - 暮らし道標

 

 

ヴィクトリア物の特徴

どの作品にも共通するのは、階級やジェンダーの不平等問題。

当時の女性の地位はとても低くて、男性に対する従属は当然のことだった。

もう少しあとに、女性解放運動や参政権を獲得すべくサフラジェットといった運動が盛んになるけれど、

この頃はまだ、女性は窮屈なコルセットを脱げずにがんじがらめの状態だった。

 

それでも、女性に対する道徳観はステレオタイプで、大きく二分していた。

中産階級 上クラスの女性は、保守的な道徳観と過度の上品さを強いられた。

労働者階級の女性は、女中か女工などの働き口につければ良い方で、

貧民街の多くの女性たちは売春婦として暮らしていた。

 

 

切り裂きジャックという連続殺人事件が起こり、人々を震撼させたのもこの頃のこと。

bunshun.jp

 

 

そんな辛い時代を、逞しく生き抜いた女性の話は重いが心を大きく揺さぶられるから好きだ。

だがしかし、今回出会った本は、痛快でぶっ飛んでいる。

メアリ・ジキルとは「ジキルとハイド」の、あのジキル氏の娘。

父亡きあと病気の母を看取ったメアリが、財産相続権が得られず途方にくれ、

使用人に暇を出すところから物語は始まる。

※ 財産権においても子女は圧倒的に不利だった。

 

メアリは、殺人犯ハイドに関する情報で懸賞金が得られないものかと、シャーロック・ホームズのところに相談に行く。たまたまホームズが連続女性殺人事件に関わっていたことから、彼女も捜査に加わることになる。

※ これが切り裂きジャックの事件

 

そんなメアリのもとに、ひとり またひとりと集まってくるのが、ハイドの娘、モロー博士の娘、フランケンシュタインの娘、ラパチーニの娘だった。娘たちは危険に直面しながらも、力を合わせてにぎやかに冒険し、《錬金術師教会》の謎を追うことになる。

 

 

マッド・サイエンティストの父を持つ娘たち

ジキル、モロー、フランケンシュタイン、ラパチーニは、マッド・サイエンティストいわゆる常軌を逸脱した危ない科学者だ。

そんな男を父に持つ娘は、原典では実験台、被造物、薄幸の脇役としてしか描かれてこなかったが、現作品では父親の行き過ぎた探求心によって生み出された苦難や抑圧を跳ね返して奮闘するコミカルなキャラクターになっている。

 

不勉強ながら原典「ジキル博士とハイド氏」「モロー博士の島」「フランケンシュタイン」「ラパチーニの娘」を読んでいないが、この本はオリジナルを知らなくても差しさわりなく理解できた。

 

面白い仕掛け

作品の設定がちょっと変わっていて、この本を書いているのは後に小説家になったモロー博士の娘だと分かってくる。文章の間にところどころに、原稿を読んだ仲間たちから、ツッコミ ( ちゃち ) が加筆されている。

最初の内は、まだ登場しないキャラクターのコメントがいきなり混入することに戸惑うが、読み進める内にそういった仕掛けの意味にも慣れてきて、実に斬新で効果的なアイデアだと思うに至る。

 

 

ジキルの娘-メアリの経済的苦悩や、メアリと家政婦のミセス・プールの関係性にも時代が反映されていて興味深い。

※ このミセス・プールも、ジキル家に仕えていた執事の娘?

また。

メアリと異父妹 ( ハイドの娘 ) ダイアナとの姉妹の絆が徐々に深まるのもジーンとくるし、父親の実験台となってしまった三人 ( 毒娘のベアトリーチェ、人造人間ジュスティーヌ、猫娘キャサリン ) が、自分たちの身体的ハンデを跳ね除けて、奮闘する様にも勇気づけられた。

 

続編にも期待

本作に続き、ウィーン編、ブタペスト編もあり、更に娘たちの関係性が温まっていくのだろうからそちらも是非読んでみたいが、まずその前に原典の下記4作を読んでからにしようと思っている。

 

ロバート・L・スティーブンソン『ジキル博士とハイド氏』

H・G・ウェルズ『モロー博士の島』

メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』

ナサニエル・ホーソーン『ラパチーニの娘』

 

 

 

本日の昼ごはん

ツナマヨパスタ ( 京菜和え ) 

紫の皿はMOURI 

こちらは私。

皿の色によって違う料理のようだ。

 

 

 

 

本日の夜ごはん

豆多いな w

スープはまたカレー風味、マカロニサラダはたっぷり卵入り

 

夏になるとよく作る一品

素揚げしたなすに、トマトと、枝豆をあわせてポン酢で食べる。

いい色合わせですわ。

 

マカロニサラダは、マカロニグラタン用のを使う。

表示よりも2分大目に茹でないと硬いですわ。

 

スープには、たまねぎ、しめじ、ズッキーニが入っている。

鶏肉ベースにほんのにカレー味ですわ。

 

デザートは、昨日買ってきたシャトレーゼのケーキの残り2つ チーズケーキ二種

 



 

 

 

 

 

 

 

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