garadanikki

日々のことつれづれ 駄目駄目さんのガラクタ日記

翻訳のちょっとした違い

 

一昨日、ハーディの短編  " What the Shepherd Saw " の、翻訳者の違いにより、

作品から受ける印象が違う、といった話をしましたが、

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どうしてそんな風に感じたのか、その訳を突き詰めてみたくなりました。

感覚的な問題、といわれればそれまでですが、何がしかの理由があるように思うのです。

 

 

で。

読み比べてみた結果、一人称の少なさや、文体のくぎりに理由があったのかも、

という結論にたどり着きました。

 

この文章が一例。上段か河野一郎訳。下段が森村豊訳。

少年が目をさましたのは、十一時ごろだったろうか。呼ばれた様子も、叩かれた様子もなく目がさめたのが自分ながら意外で、呼ばれた気配はないがいずれはだけかが呼んだに違いないと思いなおし、少年は小屋の窓から羊のほうをのぞいてみた。

河野一郎訳『羊飼いの見た事件』新潮社文庫2018刊 ( 初版1957刊 ) p.267より

 

彼が目をさましたのはかれこれ十一時頃であったらうか。別に呼ばれも叩かれもしないらしいのに、目が覚めたのは非常に意外であった、で、さうした気配は一向にないが、きっと誰かが呼んだのだらうと思ひ直して、小屋の窓から羊の方を覗いてみた。

森村豊訳『月下の惨劇』岩波書店文庫1994刊 ( 初版1935刊 ) p.143より

 

どちらの方が原文に近いのか、というのも気になることだが、

原文を取り寄せて、また見比べるというのは今回はよしておこうと思います。

そんなことをしていたら、いくら時間があっても足りませんから ('◇')ゞ

 

 

本日の夜ごはん

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とろほっけがあったので即買いです (⋈◍>◡<◍)。✧♡

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うどの まろやか炊き ←創作の命名

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今回のうどは、ちょっと複雑な味付にしました。

1.乱切りにしたうどをごま油でサッと炒める。

2.半分火が通ったくらいの時点で、いつもの出汁をひたひたになるくらい追加。

3.味覇を小さじ1、みりんを小さじ2追加。

4.マヨネーズを小さじ1入れて煮詰める。

5.最後にかくし味の醤油。

 

調子に乗って色々やりましたが、奇跡的に塩味と甘みと酸味とうま味もバランスが取れて美味しく仕上がりました。

不思議なことです。

 

 

【追記】

たまうき ( id:ni-runi-runi-ru ) さんが、 " What the Shepherd Saw " の、件の部分の原文を取ってきてくださいました。

ブックマークコメントより⤵

ni-runi-runi-ru 2021/01/22

It might have been about eleven o'clock when he awoke. He was so surprised at awaking without, apparently, being called or struck, that on second thoughts he assumed that somebody must have called him in spite of appearances, and looked out of the hut window towards the sheep. 

昨夜はスマホでしか記事を見られなかったので、原文と河野訳・森村訳との対比が出来なかったのですが、今朝、見比べてみました。

 

いずれも意訳ではなく、細かい部分にそれぞれの訳者の工夫のあとが伺えます。

あとはちょっとしたニュアンスの問題で、甲乙つけられるものではなく、個人の好みになるのでしょう。

以前から私は、河野一郎さんの翻訳ものが読みやすく大好きでした。

が、今回のハーディ短篇集に関していえば、森村豊さんの訳の方が好きかもです。

《しっくりくる》とでもいいましょうか。

古い言葉も沢山あるのですが物語の世界感が頭に浮かんでくるからです。

86年も昔 ( 1935年初版 ) の本が、版を重ねて読まれているのは名著ということなのでしょう。

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河野さんの訳は、さっと意味が伝わってきて、理解しやすい。

森村さんの訳は、その場面の様子を想像させてくれる力を持つ。

感覚的な印象ですが、そんな違いを感じました。

 

たまうきさん

いつもありがとうございます。丁寧にじっくりと読んでくださり感謝しております。