NHK 朝ドラ「カムカムエブリバディ」の放送が始まって三週目、
第14回 ( 11月19日OA ) が、神回だったので記録しておきたいと思います。
【ドラマの内容とここまでの話】
「カムカムエブリバディ」はタイトルにもあるようにラジオ英語講座にまつわり、
三人の女性の半生をつづったドラマで、初代ヒロインは、橘安子 ( 上白石萌音 ) 。
安子は大正14年、岡山市内の商店街に和菓子屋に産まれました。
14歳の時、雉真繊維という足袋から軍服、国民服と手広く商いをしている会社の長男・稔 ( 松村北斗 ) と恋に落ち、文通を始めますが双方の父親の反対にあいます。
稔の父・雉真千吉 ( 段田安則 ) は、稔を会社の後継ぎにするため政略結婚を考えてしました。
安子の父・橘金太 ( 甲本雅裕 ) も、安子に婿養子をとり和菓子店を継がせるつもりになっていました。
安子と稔は親の気持を尊重し、恋を断念しようとします。
戦争がますます激しくなり、稔の学徒出陣が決まりました。
稔の出征がいよいよ迫ったある日、父親同士が偶然出会うシーンがありました。
今回、私が心を打たれたのが父親同士の場面でした。
父親たちは子供の将来について、利己的な想いからではなく確固たる信念をもって捉えていました。
安子と稔が恋をあきらめたのも、父親のブレない態度と愛情を感じたからです。
そんな親同士が偶然出会い《稼業について》《息子の出征について》を話し、心を同じくするシーンがとても素晴らしかった。
稔の父・雉真繊維社長役の段田安則さんと、安子の父・橘和菓子店当主役の甲本雅裕さんの、
静かな中に筋の通った上品な演技に魅了され、涙が止まりませんでした。
稔の縁談の為に奔走する父・千吉がふと橘菓子店に立ち寄ります。
安子「いらっしゃいませ。お買い物ですか?」
千吉「ええ、はい。なんか、おはぎが食べとうなって」
安子「あぁ、わざわざおいでくださったのに、申し訳けありません。
もうずっとおはぎは作れずにいるんです。」
千吉「そうですか、、、そうですよね、失敬しました」
安子「あの、ちょっと待っちょってもらいますか?」
安子が奥に引っ込むと、入れ代わりに金太が出て来る。
金太「雉真さん・・」
千吉「・・・」
金太「違うてたらすみません、雉真千吉さんじゃありませんか?」
千吉「こちらのご当主ですか?」
金太「はい、安子の父です 以前息子さんとは」
とまどう千吉
安子がお盆を持って入ってくる。
安子「お待たせしました。あっお父さん。祖母の作ったお汁粉です。
よろしかったら召し上がってください」
千吉「えっ?」
安子「お父さんのお知り合い?」
金太「ん? まあ・・」
安子「そうじゃったんですか、父がお世話になりよります」
千吉「ああ、、、いや」
安子「はよう、お元気になってくださいね」
安子、奥へ引っ込む。
戸惑う、千吉と金太
金太「実は今日は先代の、私の父の初七日なんです」
千吉「ああ、それは存じ上げず失礼しました。お悔やみ申し上げます」
千吉、立ち去ろうとするのを
金太「そのお汁粉は父の好物でした。せめてもの供養に正月用に取っておいたわずかな小豆と砂糖で
これをこさえることにしたんです。」
千吉「そげな大事なものを、お嬢さんなぜ見ず知らずの私に」
金太「何か、気落ちしていると感じたんでしょう。
甘いお汁粉を飲んで少しでも元気になって欲しいと、思ったんじゃと思います。」
考え込む千吉
金太「あっどうぞ、召し上がってください」
千吉「あぁ。いただきます」
千吉「うまい。ぬくもりますわ」
金太「ありがとうございます。よろしいですか?」
金太「この、母の作るお汁粉が、父の菓子作りの、この店の原点なんです。」
千吉「そうでしたか」
金太「父の旅立ちの時、真新しい、気に入りの足袋ゆうのを履かしてやることができました」
金太「雉真繊維の足袋が、足になじんで歩きやすいんじゃゆうて、常々いいよりました」
千吉「うちは、足袋作りが原点でした」
千吉「突然お邪魔して結構なお汁粉を頂戴しました。」
金太「もしやご長男さんは、、、この度の学徒出陣で、、」
千吉「はあ」
金太「うちの倅は昨年出征しました。どうしょもない悪たれで、勘当した息子です」
金太「わしゃ、意地を張って、最後まで家に入れてやらず、見送りにも、、、」
金太「どうぞ、悔いのないように、息子さんを送り出されてください」
ドラマが始まる時、ワケあって今回の朝ドラはみおくろうと思ってました。
でも観てよかった。
上白石萌音さん、本当に可愛いお嬢さんでした。
父親も、母親も、祖母・祖父、周りの人たちみんないい。
やりすぎの演技の人はだれもいないし、脚本も素晴らしい。
特にこの週を担当された橋爪紳一朗さんの演出が見事でした。
これを観ればいまからでもわかる!
第1週|あらすじ|NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
第2週|あらすじ|NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
第3週|あらすじ|NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
本日の昼ごはん
朝、、、昼からハンバークを作ってしもた。
それなりによくできた、ほほ、おいしい。