Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

三鷹の駅に降り立つ

 

 

本日は久しぶりにおでかけ。

三鷹に来ている。

北口は蔦がからまり、レトロな感じがいい。

「三鷹駅」のフォントも好きだなぁ。

 

古い駅舎かと思ったら、2008年頃に改築されたらしい。

以前の駅舎の写真⤵

「三鷹駅」のフォントはやはり今の方がいい。

 

 

さて。

今日は知人が出演する舞台を観に来たのだが、まだ時間があるので

駅の近くをぶらつこうと思う。

・・・と、10歩も歩かぬうちに興味深いものに行き当たる。

駅を背に右手の交番の隣、竹垣の中に石碑がみえる。

おやおや、これは。

どこぞで見たお顔ではないか。

国木田独歩といえば、この写真。

 

彫刻 ( 版画 ) は、独歩氏の次男・彫刻家の佐土哲二さんの作品とのこと。

※ 佐土哲二氏は、お父上が亡くなられた三ヶ月後に誕生されたとのことで、実際に父上の顔は見てはいらっしゃらないことになる。

碑文の方は、武者小路実篤さん。

なるほど、実篤さんも武蔵野の風景が好きな人だからかな。

 

独歩の碑が何故、三鷹にあるのか。

まあ、武蔵野市だからなんだろうが、恐らくは早いもの勝ち ( ´艸`)

 

だって『武蔵野』を読んでも、具体的にどことは言及されていないもの。

 



国木田独歩『武蔵野』概要

西国 ( 山口県 ) で育った独歩の原風景は松林。

上京して渋谷村に移り住んだ独歩は、渋谷から以西の武蔵野の風景に魅了される。

独歩が思う武蔵野より、もっと前の武蔵野のイメージは、ススキが果てなき光景をもって美しさを讃えられていたようだが、彼の武蔵野は落葉樹 ( 主に楢の木 ) の林であった。

落葉樹の美しさを知らなかった ( 西にはあまりない ) 彼は、武蔵野の風景とツルゲーネフの『あいびき』に書かれたロシアの白樺林に趣きを重ねる。

 

左『武蔵野』右『あいびき』

 

3年前の夏、独歩は小金井の堤まで友人と散歩をしたとき、そこで立ち寄った茶店の婆さんに「なんでこんな時期に、何をしに来たのか」と言われた。

小金井は桜の名所だから、何も夏に訪れて汗をかきながら散策することはないだろうというのだ。

しかしそれは武蔵野の夏の日の光の良さを知らぬ者が思うこと。

なるほど、彼だって都心のよどんだ水路になんの良さも感じなかったのだから婆さんの感慨と同じことだろう。

とまあ、全編通して武蔵野は素晴らしい、美しい、と褒めたたえている作品。

 

 

 

 

ところで。

最初に『武蔵野』の本文には具体的な武蔵野が明記されていないと書いたが、

独歩の定義する武蔵野の範囲は以下のように書かれていた。

 

そこで僕は武蔵野は先ず雑司谷から起こって線を引いてみると、それから板橋の中仙道の西側を通って川越近傍まで達し、君の一編に示された入間郡を包んで圓く甲武線の立川駅に来る。この範囲の間に所沢、田無などいう駅がどんなに趣味が多いか ⵈⵈ 殊に夏の緑の深い頃は。さて立川から多摩川を限界として上丸辺りまで下る。八王子はけっして武蔵野には入れられない。そして丸子から下目黒に返る。この範囲の間に布田、登戸、二子などのどんなに趣味が多いか。以上は西半面。東の半面は亀井戸辺より小松川へかけ木下川から堀切を包んで千住近傍へ到って止まる。

国木田独歩 著『武蔵野』筑摩書房 明治文學全集 66巻 p.10より

 

 

・・・なんと大きい範囲なんだろう。

 

 

 

さてもうひとつ。

三鷹駅で見かけたものの話。

件の石碑の前にベンチがあって、そこにオジサンが横になっていた。

お酒を召している様子。

すると隣の交番からお回りさんが来て、オジサンに話しかけている。

「御機嫌でお休みのところ、すみませんね。

 申し訳ないんだけど、ここで横になられてるとねぇちょっと困るのよ。

 私ら、具合が悪いのかと声をかけないといけないのね。

 気持ちよく寝てらっしゃるのに悪いけど、やっぱり決まりだものでねぇ。

 風邪ひいてもいけないから、お家の帰って寝た方がいいと思うよ。

 うん、悪いね、縦になっててくれれば、僕も邪魔しなくて済むんだけどね」

 

おらおら邪魔だ、ダメだと言うんじゃなくて、とても優しい口調なんですよ。

横で聞いてた私も、笑ってしまいました。

 

で。オジサンどうしたかといったら。

しっかり起きて、縦になって座り直したんです。

眠そうにしてるんだけど、頑張って縦になってる感じ面白くて、クスクス笑ってしまいました。

 

独歩の碑、鳩さんたちも気に入っている様子。

 

石碑を撮影していたら、鳩が飛んできた。

「なあに、あなたも写真に撮られたいの? かわいいね」

自慢のはとむねでポーズ取ってくれました。

 

 

 

6月4日の昼ごはん

このところよく買ってくるの、マフィンを。

 

 

 

夜ごはん

納豆ツナマヨ、しめじのオイスター炒め、あんずの大葉漬け

カリフラワーの明太子和え、牛すじ煮込み

 

カリフラワーはそのままでも美味しいが今日は明太子で

子供洋食とちくわぶ煮を追加

 

 

スープは鶏ベースでえのきと春雨と豆苗