小川糸 著『つるかめ助産院』を読了。
図書館に頼んでいる人気本がなかなか到着せず、何気に手を取った本だ。
小川糸さんは『ツバキ文具店』を読んで、人物描写 ( 特に年配 ) が 巧いと思った作家さんだ。
間違いなく私より年下だろう女の作家さんなのに、老年男性の手紙を書く場面が圧巻、見事だった。
『ツバキ文具店』は、祖母から箸の上げ下げから文字の書き方まで厳しくしつけられた主人公が文具店と代筆業を受け継ぐという話で、年齢・性別・職業の異なる依頼人に合わせて、色々な紙・文字・言葉遣いを駆使して代書をしていくところが魅力的な本だった。
そんな本が書けるくらいだから、人が好きで観察眼が高い作家さんなのだろう。
是非、他の作品も読んでみたいと思ったのが手に取ったキッカケ。
《つるかめ助産院の感想》
生まれるということ、生きるということが説教臭くない形で胸に迫る小説。
説教臭くないというのは、つるかめ先生のキャラクターに拠るものだろう。
先生自身が自由奔放で、患者や周囲の人の生き方を尊重しているところがいい。
南の島という環境もいい味になっている。
《つるかめ助産院のあらすじ》
突然失踪した夫を探す為、夫と婚前旅行で訪れた南の島にやって来た まりあ。
島を散策している途中、一風変わった雰囲気の女性から声を掛けられる。彼女は島で助産院を営む女性で「つるかめ先生」と呼ばれていた。つるかめ先生 ( 亀子 ) がまりあに声をかけたのは、まりあが妊娠している上、色々と溜め込んでいると察したからだ。
島から本土に帰る船が悪天候により欠航したことから、まりあは助産院に身を置き、やがて住み込みで働くようになる。助産院で働く仲間たちは、それぞれ複雑な境遇を抱えている。だがそれを克服するように賢明に生きている仲間たちの姿を見て、まりあも、一人で子供を育てられる強い心をもとうと決心する。
亀子 ( つるかめ先生 ) は、まりあにこんな約束をさせる。
- 朝は早く起き、規則ただしい生活をする
- ご飯はキチンと自分たちで作ったものを食べる
- 働かざる者食うべからず
まりあの境遇
社会に出ることなく専業主婦になったまりあは夫に依存して生きてきた。
しかし決して良い妻とはいえず料理も店の惣菜などで済ませた生活。
生れてすぐ教会の前に捨てられた彼女は乳児院で育ち、里親にもらわれた過去を持つ。
まりあを引取った安西夫妻は、実子を海の事故で失くしており、まりあに実子をダブらせて育てた。
まりあは生みの母からも、里親からも愛されていなかったと思いながら生きてきた。
島でであったひとたち
亀子 ( つるかめ先生 ) ⵈⵈ 看護師資格と助産師資格を持つ。千葉の産婦人科に勤務していた時失踪した患者が自分に残した宝くじに当選。仕事を辞め世界一周しようと最初に南の島についたのがここ。浜辺で出産しようとしていたカップルを手伝ったのがキッカケで、島に助産院を開くことを思い立つ。助産院近くの森の中にツリーハウスを作り暮らしている。
パクチー嬢 ⵈⵈ 二本で看護師資格取得後に研修生としてつるかめ助産院に住み込み、働いている。料理にパクチーを沢山使うことから皆からパクチー嬢と呼ばれている。
サミー ⵈⵈ つるかめ助産院敷地内の浜の洞窟で暮らし、ボランティアスタッフしとて畑の世話などをしている。
長老 ⵈⵈ 助産院近くの集落に住む漁師。過去の悲しい失恋がもとで島から出るのを嫌がり、虫歯で歯がない。助産院の雑用を手伝うこともある。
ハジメ ⵈⵈ パーラーさすらいというラーメン店を経営している女装の男。開店当初亀子が毎日通っていたので亀子とは親友になった。
艶子 ⵈⵈ 内地から夫婦で島に短期滞在して助産院で女児を出産したが死産であったため心身症弱してしまった。島のバンガローで1人暮らしをしているが想像妊娠を繰り返している。
安西夫妻 ⵈⵈ 小学4年生のまりあを引き取ったが、引き取る10年前に実子の聡子を海の事故で亡くしているので、まりあを海に近づけようとはせず、聡子と同じようにバレエを習わせた。
本を読んでいて、亀子を演じるなら余貴美子さんだなとイメージしていたのだが、
本当に彼女でドラマ化されていた。しかも10年も前に。
左から、パクチー嬢、亀子先生、まりあ、サミー、かな?
仲里依紗さんと中尾明慶さんはこのドラマがご縁だったのかな?
ドラマも気になる! 近々観てみたいと思う。
本日の昼ごはん
金ちゃんラーメン
本日の夜ごはん
三品盛は豆づくし ( ´艸`
MOURI が間違って買ったモッツァレラは玉状だった。
形が違うと味も違って感じるから不思議
先日、カード特典で届いたかますの干物、なかなか美味しい
ちょっと焦げたが味の素の冷凍餃子は失敗なしの味
お酒のつまみに山椒葉の佃煮
こちらは無農薬の方
ご飯のおかずにも山椒葉の佃煮
こちらは京都の方