青山美智子 著『鎌倉うずまき案内所』読了、第一回目
あえて《第一回目》と書いたのは、もう一回読んでみようと思っているからだ。
青山さんの本は、沢山の気づきがあって面白い。
前回読んだ『お探し物は図書室まで』もそうだったように
章ごと違う人物が主人公になっていて、全部を読むと登場人物がリンクしている。
《〇章のAさんが、〇章ではBさんと交錯》なんていう風に、読み返してみると、
相関図を書いてみたくなる複雑で愉快な仕掛けだ。
今回も6人の登場人物がいて、お話が6年ずつ古くなっている。
あれ? 6というのも同じで、6の字が渦巻きに見えてきた。
本のイメージがよくわかるのが、この目次。
- 蚊取り線香の巻 2019年
- つむじの巻 2013年
- 巻き寿司の巻 2007年
- ト音記号の巻 2001年
- 花丸の巻 1995年
- ソフトクリームの巻 1989年
あらやだ。
今 気づいたけれど、タイトルも全部「うずまき」に関連していたんだ。
各章 ( 巻 ) の主人公は全員、道に迷ったあげく「うずまき案内所」にたどり着くのだが、ここにも色々な仕掛けや意味が込められているのだろう。
例えばこんなこと
- 「うずまき案内所」の場所が、らせん階段をぐるぐる降りた地下だということ
- 「うずまき案内所」の所長さんがアンモナイトだということ
- 「うずまき案内所」の案内人の名前が「内巻きさん」「外巻きさん」ということ
裏表紙の絵は ⤵ 所長のアンモナイトと双子のおじいさん
全部の章 ( 巻 ) には共通している決まりの流れがある
- 主人公たちは、それぞれ悩みを抱えている
- 鎌倉で道に迷って目の前にあるのが「うずまき案内所」の建物
- らせん階段を降りて行き「うずまき案内所」のドアを開け道を聞こうとする
- 双子のおじいさんから「はぐれましたか?」と言われる
- 主人公は今の自分の状況が《はぐれている》ことに気づく
- おじいさんたちに、つらつら自分の悩みを打ち明けはじめる
- 話を聞いたおじいさんたちが「ナイスうずまき!」と叫ぶ
- 所長のアンモナイトが、甕 ( かめ ) にドブンと飛び込む
- 甕の中を覗き込むと見えてくるものがある。
最初の章の主人公-瞬さんの場合、蚊取り線香が見える。
- おじいさんたちに「では、瞬さんには、蚊取り線香とのご案内です」と言われる
- 「困ったときのうずまきキャンディー」をひとつ貰って外に出る
前回の「お探し物は」は、図書館の司書さんが、悩みを解決するキッカケをくれるのだが、
今回の「うずまき」は、双子のおじいさんとアンモナイトが案内人。
※ 発行年は「うずまき」が2019年、「お探し物は」が2020年。
二作品を比べると、旧作「うずまき」の方が仕掛けが細かい気がする。
これ以上お話すると、これから読む方がつまらなくなるだろうし、
何より、一読の私には見落としがあるだろうから、内容説明はここで仕舞いにする。
近々 再読します
ということで再読は、最後の章 ( 巻 ) から逆に読んでみようと思っている。
ここでハタと気づいたことがある。
双子の名前である《内巻き》《外巻き》は、らせん階段を上り下りする様子をイメージしているのではないだろうか。
つまり一読目で順当に、2019年から1989年へと読んでいく場合、
この絵でいえば、外から中へと渦巻きを降りているように見える。
再読する際、仮に最終章から 序章へと ( 1989年から2019年へと ) 読んだ場合、
絵の らせんを中から外に向かって登る形になる。
つまり一読目が「内巻き」で、再読は「外巻き」になる。
むむ、こじつけかしら。面白いけど。
写真の本が波うっているのは、外出先に持って出て、ドシャ降りに合ってぬれねずみになったから。
バッグの中の本もびしょ濡れ、図書館から借りた本でなくてよかったと思っている。
追記 ) 《鎌倉》というフレーズにも引かれて買った本だが、店名は全て仮名。
例えば、最終章の浜書房への道順もこんな風
「鎌倉駅東口から小町通りに背を向け、郵便局を少し過ぎた裏通りを一本入った一番奥」
めちゃくちゃな書き方だから、これでたどり着くことは到底無理なのです。
本日の昼ごはん
オムライス
本日の外食
犬と接触した際、犬の爪で出来た擦過傷を、念のため保健所に届けた。
その際、保健所がある建物の食堂で食べたのが たぬき蕎麦。
本日の夜ごはん
MOURI も私も食が進まず、ありもので一杯 なんだかわびしいな