Xmasのイルミネーション美しい六本木の街を歩いています。
向かうはEXシアター六本木。
志の輔落語のチケットが取れましたの。
最終日のチケットです。
凄いものです、志の輔さんは。
独演会を13,14,15,17,18と5日間も開催して、4,500のキャパを埋めるのだから。
志の輔さんは、チケットが取りにくいことでも有名です。
しかしくじ運がいいのか、
MOURI は3回 もチケット ゲットしました。
志の輔さんの「中村仲蔵」「大忠臣蔵」「牡丹灯篭」いずれも感動しました。
落語は何回、同じ噺を聞いても飽きませんが、この3本は特に十八番。
忠臣蔵も牡丹灯篭も、お客さんは毎年聞きに来るというのだから、
チケットがなかなか取れないというのもそれが理由でしょう。
ロビーには、志の輔さんが演られた演目が展示されていました。
ありゃまぁ、全部撮ったと思ったら、6だけだった。
1~5は、違うフロアのロビーにあったのかしら、残念。
志の輔さんの写真は、どれも恰好よいです。
専属のカメラマンがいらっしゃるのかな。
さあ、はじまり はじまり。
第一部は、踊るファックス
志の輔さんの創作落語の中でも有名な噺です。
薬屋さんの店主が、
スプリングセールのキャッチコピーを早く出せと印刷屋さんから言われ頭を抱えています。
そこに女性名前のファックスが舞い込みます。
「あたし悲しいわ。電話もくれないし、旅行の計画もどうしたの。
もう私だめ、おしまい。
この薬さえ飲めば私ともあなたともさようなら。まみこ。」
亭主の浮気相手だと思った妻は仁王立ち。
「俺じゃない、息子のたかしじゃないか。呼んでこい。」
と言われ、高校生のたかし登場。
「父さん、間違いファックスだって なぜ思わないんだよ」
間違いなら間違いと、相手に伝えてやるべきじゃないかということになり、
まみこにファックスを返します。
文面を考えるのは店主、代筆はたかし、ファックスを送るのは妻。
すると、まみこから逆ファックスが。。。
「人の文章を盗み見するなんてっ、最低」
頭にきた店主は、誤解を解くファックスを送る。
するとまみこから、またもやファックスが。。。。
店主とまみこの応戦が続き、仕舞いには卑怯呼ばわりまでされた店主は切れてしまいます。
「そんなんだから男にも振られる、薬ならいくらでもやるから死んでしまえ~」
「死ぬもんですか。生きて、生きて、生き抜いてやる~」
まみこと店主のファックスのやりとりも笑えるが、
店主が考えるちらしの文面がまた愉快。
師走の晩の薬屋さんの騒動がおもしろおかしいお話しでした。
第二部は、歓喜の歌
町営のみたま文化会館に勤めるやる気ゼロの公務員、飯塚主任は、
年も押し迫った12月30日に翌日のコンサート予約の確認電話を受けます。
その電話を聞いていた部下の加藤は、
“みたま町コーラスガールズ” と “みたまレディースコーラス” のダブル・ブッキングに気づきます。
怒るコーラス団員たちに対して、主任の飯塚は責任逃れをつづけるばかり。
彼にとって女性コーラスなんて、暇を持て余した主婦たちの遊びにしか見えなかったんです。
ところが事態収拾でメンバーと接する内に、彼女らの真剣さに気づきます。
妻として母として嫁として、家事や育児やパートや介護をしながら、コーラスの練習に励んでいたことがわかった飯塚は、公演を成功させるために奔走するのでした。
歓喜の歌は、ベートーヴェンの第九 ( 合唱付き ) の第四楽章の合唱のタイトルです。
年末になると、日本のあちこちで第九のコンサートが催されるようになって久しいです。
件のような、歓喜の歌だけのコンサートもあったりして、師走といえば忠臣蔵か歓喜の歌が風物詩となりました。
余談ですが志の輔さんは持ちネタに「忠臣蔵」と「歓喜の歌」を持っているんですな、
夏は夏で「牡丹灯篭」なんですから。
「歓喜の歌」の初演は2004年、東京渋谷のパルコ劇場ででした。
2008年には高座を収録したDVDが発売され、同年2月には小林薫主演、松岡監督で映画化もされています。
落語の筋は、あかしても怒られないと思いますので、申し上げますが、
本作も、最後に「歓喜の歌」の合唱が付いています。
劇場の天井には、もうひとつ丸いあるものが設置されていて、
これもまた演出に華を添えていました。
歓喜の歌は今回が最後と知りました
奇跡的に入手できた本日は千秋楽で、最後の「歓喜の歌」を観られたのはラッキーでした。
DVDでしか観たことがないのが、生で観られるとは思わなんだ。
やはり高座は生が一番。
・・・ただ。
会場の問題面で、いくつか残念なことかありました。
客席の天井の下手に、照明用の欄干がありまして外から入れるようなっていました。
公演中そのドアが何度か開き、出入りする人影と外から漏れる明かりが。。。
カメラマンが、公演の模様を撮るため出入りをしていたようです。
記録としては仕方がない行為とはいえ、人の存在感と光りの洩れがやはり目障りでした。
もうひとつ。
噺の終盤、低い靴音が長くドタドタ響いてきました。
音は客席の背後から聞こえるので、これも関係者が後部ドアから出入りしているのかと思いました。
ところが音源は客席のものではなく、舞台奥のコーラスの人たちのヒール音が反響していたようです。
会場の音問題については、志の輔さんも枕で話されていました。
EXシアター六本木は、2013年に音楽専門のライブハウスとして作られました。
こけら落としには、B'sをはじめとした大物ミュージシャンが揃い、何故か志の輔さんも呼ばれました。
会場と舞台の間にはエアーカーテンがあり、お客さんの声が舞台に届かないように遮断されてるんだそうです。ミュージシャンにとっては最高の設備。
でも、落語家にとってこんなにやりにくいものはない。
「拍手も笑い声も、お客様の反応が何もわからないんですよ。これほどやりにくいことはなかった」
金輪際、ここ ( EXシアター ) ではやるまいと思ったそうです。
その後、黒柳徹子さんがEXで芝居を打った時、同様のエアーカーテンに悩まされ、苦情を言ったこともあり、設備が見直されました。
音楽だけでなく、芝居や高座にも使える
「徹子の部屋で、徹子さんが『あーたもそう思ったんですって? 私もギャンギャン言ったのよ、会場が直ったのは私のお蔭よ』なんてこと言われちゃってねぇ」という話も、志の輔さん してましたっけ。
とにかく音響設備が改善され、支配人の熱意もあって再びEXに出るようになり、
最後の「歓喜の歌」はこの
劇場の設備って、客にはわからない苦労も効果もあるんだなあと知りました。
そんなことでひとつ。
劇場関係者の方に、ついでに改善して欲しいことなんですが、、、
舞台奥からの反響が、思いのほか客席奥から響く問題と、
照明の欄干への出入りドアに暗幕の設置、
ご検討いただけないものかと (;'∀')
まあ、音楽ライブがメインの
今回の演目、いずれも師匠にとっては回数を重ね、練りに練られた作品。
作品のファンも多いでしょうし、存分に笑わしてもらいました。
ただ、少々 師匠にお疲れがみえたように伺え、心配になりました。
DVDやYouTubeに比べる、若干テンポもゆっくりになっている感じがしました。
ラストの暗転から、明かりがはいり歓喜の歌の大合唱に至るまでの時間が、
ちょっと長かったのに ( 着物から燕尾服への早変わりの為ですが ) 、
もしや師匠に何かアクシデントがあったのではないかと心配になりました。
これだけの大作を二本、しかも連続公演の最終日です。
お疲れが出ないワケはありません。
年末・年始は噺家の皆さんにとっても忙殺される時期。
志の輔師匠、どうか、どうぞ、お体ご自愛のほどを。
今年最後の落語、志の輔らくごで楽しませていただき感謝感謝です。
久しぶりの六本木。
興奮さめやらぬ中、六本木の交差点に向かって歩きます。
年末の六本木はどこも満員。
最初はシシリアでピザか、香妃園の鶏そばかと思いながら、
あまりの空腹で、交差点近くの店に飛び込む。
トルネードソーセージに、
鶏の炭火焼きに、、、
トマトのスライスなどを
華米香で愉しむ。
年末の若いサラリーマンたちの嬌声にちょっと戸惑い、場所を変えることにして
「ラーメン食べようか」と、老舗のラーメン屋に行くと、、、、
ない、大八がない。
廃屋になっとる。
もう無いだろうなあとは思ったんです、ふたりとも。
でも、もしかしてと思う気持ちでした。
壊される前の廃屋を見られたのも縁か。。。
うーん、感慨ひとしお。
六本木も、乃木坂も赤坂も、随分変わってしまいました。
防衛庁もここにはなく、私が住んでいた赤坂のアパートもあとかたなくなっている。
初めて一緒に暮らした場所が赤坂2丁目、30年も前の話です。
当時の六本木はお庭でしたが、今では来ることもなく浦島太郎さん状態です。
防衛庁の跡地には、こーんな道も通ってて、完全に様変わり。
もう少し時間が早ければ、庭のイルミネーションも綺麗な場所ですが、、
流石にシーンとしています。
ふと。
昔、通った路地を見てみたくなりました。
まだあの路地の階段はあるのかしら。
防衛庁の脇の、篠山さんのスタジオを通り越してどんつき。
あー変わらない。
左に折れたところの階段もそのままだ。
乃木坂の、、、この路地だけは昔から少しも変っていませんでした。
今度は昼間にきてみようと思いながら、
大八ではなく、一風堂の赤丸で〆て家に帰ります。