Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

東洋文庫ミュージアム

東洋文庫ミュージアムというのがあるのを知り、行ってみたくなりました。

招待券をゲット!

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最寄駅は駒込。

駒込といえば六義園も気になりますケド。。

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両方はムリなので、今日は東洋文庫ミュージアムだけにしよう。

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六義園のあるブロックを通り越して、、、着いた。

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受付で、入場シールを貰って入館。

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吹き抜けのエントランスが美しい。

 

正面のガラスの向こうに広い芝生の庭。

そしてその向こうに併設したレストランがあります。

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2階が展示室になっているらしい。

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あら~っここの階段、最高。

理想の階段です。

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どういうのが理想かっていうと、蹴上げと踏み面の寸法がバッチリなんです。

階段って、蹴上げの高さがあり過ぎると、勾配がきつくて危ない階段になる。

でも逆に低すぎても疲れるんです。

 

踏み面の寸法も重要。

踏み面の奥行をケチると、階段にさかれる面積が少なくなりますが《危ない階段》になるし、

踏み面の奥行があり過ぎても、歩幅が合わずに《疲れる階段》になります。

 

階段には蹴上げ・踏み面の寸法が大事。

ちょっとしたことなんですけど、蹴上げと踏み面のバランスで安全かつ疲れにくい階段が出来ます。

一戸建てを建てるには、狭い立地に階段にさく面積は少なくしたい。

なので、建売物件の階段は昇降しにくかったりするんです。

ホテルや美術館の階段が昇降しやすいのは、蹴上と踏み面の寸法を充分考えて設計しているから。

もし東洋文庫ミュージアムにいらっしゃったら、是非とも意識して上り下りしてみてください。

すみませーん、階段フェチだもので (;^ω^)

 

 

 

さあここが、このミュージアムの目玉です。 

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モリソン書庫といいます。

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ここにあるのは、東洋文庫を代表する欧文資料コレクション。

書籍点数にして約1万1千点、冊数にして約2万4千冊あるそうです。

 

二階建ての書架に整然とならぶ洋書が圧巻。

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明かりも直射日光ではない。

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人に立ってもらうと高さや広さがよくわかる。

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感動的です。

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洋書の背表紙のなんと美しいことよ。

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こちらの本は、国宝や特別貴重書など以外は申請すれば閲覧できるんですって。

ガラスケースにある本も大丈夫なのかな?

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保存状態もバッチリみたい。

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そもそもなんで、こんなに洋書があるかというと、、、、

三菱第3代社長の岩崎久彌氏が、モリソン氏から一括購入したからです。

 

いきさつはこんなこと⤵

オーストラリア出身のジャーナリスト、ジョージ・アーネスト・モリソンは外科医であり、冒険家であり、『タイムス』紙の記者として活躍した人でした。

1895年に東南アジアに赴任、北京駐在の通信員として、20年数年にわたり北京に在住。

清朝末期の極東情勢の通信をロンドンに送り続ける傍ら、中国を中心とするアジア関連の欧文資料を精力的に蒐集し「アジア文庫」を作りあげました。

1917年、モリソン文庫 ( アジア文庫 ) が売り出されることになり、購入したのが三菱第3代社長の岩崎久彌でした。

 

 

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北京のモリソン邸の書庫

 

モリソンコレクションが売りに出されるいう情報を得た東洋学者の石田幹之助さんと、

北京在住の銀行家の小田切萬壽之助さんは、三菱第3代社長の岩崎久彌氏に持ち掛けます。

岩崎久彌はこの相談に応じ、モリソン文庫の購入を快諾。

1917年、3万5千ポンドで一括購入しました。

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下段左から小田切萬壽之助、モリソン、石田幹之助

 

流石に三菱の岩崎久彌さん、やりますな。

アジアに関する古今の良書を収めるモリソンコレクションは、当時の東洋学者なら世界中の誰もが知っており、まさに垂涎の的でした。

期を逸したら、中国に渡ってしまったかも知れません。

岩崎久彌の決断の速さ、財力には舌を巻きます。

 

でも、それだけではない

久彌さんは、1917年6月、石田はモリソン文庫のカタログ調査を開始します。

モリソンの言い値が正しいか否かを判断する為でした。

お金にものを言わせる成金とはこの辺が違う。物の価値はキチンと見抜くんですな。

 

さらに凄いです 久彌さん。

8月29日、3万5千ポンドの小切手がモリソンの口座に振り込まれ譲渡が完了。

9月8日、慎重に詰め込まれた57箱の木箱が荷馬車10数台に分けられ、モリソン邸を出発。

    警護に守られたモリソン文庫は、貨物船で横浜に運ばれました。

9月26日、モリソン文庫は横浜港を経て汐留駅に到着。

    大事を取って、その日のうちに深川の三菱倉庫へ運ばれたのですが、ここで災難が。

30日から10月1日にかけて未曾有の暴風雨と高潮が東京湾岸を襲いました。

   深川の倉庫にも高波が押し寄せ、箱詰めのままの書物の一部が水を被ってしまいました。

   積み下ろしの際の損傷を避けるべく、57箱を積み重ねずに床へ一重に並べたことが仇となり、

   どの箱も下から3分の1弱が水に浸り、一部は隙間から海水が侵入してしまいました。

 

被害を受け、岩崎久彌の取った方針が見事でした。

  1. 無傷のものは別置きすること。
  2. 水を吸ったもので表紙が痛み、膠も変調を呈しているものは表紙を廃棄し新たに製本しなおすこと。
  3. 水のために紙が粘着してしまって開けなくなった新刊書は思い切って廃棄し新たに買い直すこと。

 

岩崎の命を受けた石田も三日三晩、不眠不休で大車輪の活躍。

組織としては三菱・大学付属図書館・丸善の三者が協力を惜しみませんでした。

皮肉な結果ではありましたが、石田はこの救出作業を経ることで、一冊残らずモリソンの本を手に取り、その大きさ、厚さ、色合いなどの特徴を覚えたそうです。

モリソン文庫の購入後、石田が熱心に取り組んだモリソンコレクションの補充プロセスにおいて、この経験は大いに生かされたのでした。

 

几帳面なモリソンさん

モリソン文庫は、書籍点数にして約1万1千点、冊数にして約2万4千冊。

このうち1820年代より以前に刊行されたものは、東洋文庫では貴重書と位置付けました。

その数は全部で1,116点に上りました。

 

大量の資料は、完本された書籍だけでなく、中国で流布されたさまざまなパンフレットもありました。

モリソンは自身の蒐集活動のなかで、そうした冊子類に加え、一般の雑誌論文の抜き刷りや新聞記事の切り抜き、書店のカタログや各種式典の招待状までじつにまめまめしく集めました。

 

モリソンコレクションには、オリジナルの蔵書カードがつけられました。

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手書きの蔵書カード

モリソンが集めた蔵書は、自宅の「図書館」で公開されていました。秘書を雇ってきっちりと目録を作り、組織的に分類し索引がつけられており、訪問者たちはたちどころに望む書物を探すことができました。

棚には書物が日焼けしないよう暗幕が備え付けられ、保存環境も配慮されていました。

彼の蔵書にはオリジナルの蔵書票が付されていました。

故郷でもあるオーストラリアの動物である、カンガルーやエミューなどがあしらわれた意匠は、モリソンも気に入っていたとされます。

 

 

モリソン文庫、凄いものをみせてもらいました。

書架の前にはソファーが二席あります。

なかなか空かないので、展示室を3周してしまいました。

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書庫の前に座ってみたいもの。

 

 

東洋文庫ミュージアムはモリソン書庫だけではなく、色々な講演や企画展示会も催しています。

2019年1月中旬までは「大❤地図展」古地図と浮世絵 を開催。

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伊能忠敬没後200年 &  歌川広重没後160年を記念した企画とあります。

「歌川広重没後160年」ということは、1858年に亡くなった初代の広重のことです。

実は今、四代目歌川広重 ( 菊池貴一郎 ) 著「絵本江戸風俗往来」を読み始めているので

縁を感じてしまいました。

 

 

 

展示物はモリソン書庫の左にある「東洋文庫の名品」というコーナーと、

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回顧の道を抜けた先にある

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ディスカバリールームに展示されていました。

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このミュージアムは凄いの、フラッシュをたかなければ、全館 撮影OKという太っ腹。

営業目的の撮影は不可。

展示物の中には、国宝もあったりするらしいのに。。。

地図に目のない私は、パチパチ色々と撮ってきました。

で。大❤地図展のお話は、別の機会にゆっくりと。。。

しなくていいって? いや~そんなこと言わないでっ

 

 

ひと回りして、モリソン書庫に戻ってきました。

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何時間でもいられるわ、ここ。

 

階段下の「オリエントホール」にも興味深い資料が並ぶ。

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左に転じれば、芝生の庭とレストランの棟。

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登りやすい階段は、降りるのも《降りやすい》のです。

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ああ、面白かった。

受付のところにショップがありました。

ショップには、栞やカードなどのオリジナルグッズの他、

展示の冊子 ( 過去分も含む ) とともに、

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KOIWAI  ブランドの食品が並んでいます。

そうか、小岩井農場の経営母体は三菱でした。

※ 「小岩井」は、日本鉄道会社副社長の小野義眞(おのぎしん)、

  三菱社社長の岩崎彌之助、鉄道庁長官の井上勝の三名が共同創始者となり

  3名の姓の頭文字を採り名付けられました。 

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うーん、カレーも気になる。

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小岩井ブランド、どれも魅かれますが我慢我慢。 

ミルクキャラメルと、栞を買って帰ることにします。

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今回もうひとつ気になっていたのはレストランだったんですが、

14時半までの昼の営業時間に間に合いませんでした。

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下は、限定10食の文庫ランチ「マリーアントワネット」¥1,960(税込)

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厳選素材を使用したシェフ特製のお弁当をオリエント・カフェ特注のお重箱にセットしたシェフおすすめの特別メニューだそうです。

[季節のお重、スープ、サラダ、珈琲または紅茶]

お重は、樹齢115年という小岩井農場では一番古い杉の木を使用したものなんですって。

 

 

『マルコポーロセット』という小岩井農場たまごのふわとろオムライスのランチセットがあるそうです。

これも気になる!!!

私のブログ名-Marcoは、マルコポーロからつけたものなので。

 

今日は家を出るのが遅れたため、六義園にも寄れませんでした。

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煉瓦の美しい六義園⤵

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次回はもっと早く出発して、東洋文庫オリエントカフェでランチして、、、

六義園も散策したいと思います。

 

おなかすいたので、ちょっと寄り道

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カルボナーラ、最高に美味しかった。

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ボウルにたんまり入ったコーヒーもGOOO~

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夕日が沈んでいく。

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また来ます、東洋文庫ミュージアム。

 

今回の戦利品

モリソン文庫の至宝と大❤地図展のパンフレットと、

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モリソンさんの蔵書カードのデザインの栞と、

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小岩井農場のミルクキャラメル

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《追記》

ブックマークコメントへのお返事

  • edwalk  (id:edwalk)

    良いですね。数時間ここにいたい。

  • edwalkさん そうですよね。とても良い雰囲気だったので、長くいても飽きませんでした。

 

  • セネシオ ( id:cenecio )

    すばらしいレポートです👍向いに住んでいたんですが、カフェなど入ったことがありません。招待券もよくもらうのに最近は行ってなくて💦

  • セネシオさん わぁいいなぁ。こんな素敵な場所にお住まいだったとは。もしここが近所だったら、毎日ミュージアムと六義園を徘徊してしまいと思います。羨ましいです。

 

  • 緑川愛 ( id:rakkoara )

    雰囲気もとても良さそう!!行ってみたいです٩(๑❛ᴗ❛๑)۶</spn/li>

  • 緑川愛さん いい感じでございましょう? このミュージアム。空間の使い方がめちゃくちゃいいんです。居心地の良いところって何回も行きたくなります。機会がありましたら是非いらしてみてください。

 

  • よんばば ( id:yonnbaba )

    素敵なところ、行ってみたい!そしてマリーアントワネットも食べたい!東京って、やっぱりこういうところが羨ましいな。

  • よんばばさん 確かに東京に住んでいると、食べ物にしてもこういう施設にしても恵まれてるなぁと思います。でも私、豊橋大好きです❤