KAYANO さん主催-土曜の食卓、今回のタイトルはケイジャンチキンパエリアでした。
これが全容
凄い。俯瞰も俯瞰、うーんと高いところから撮らないと全体像が写せない。
特に今回は、パエリア鍋っちゅう、でかいお鍋がメイン料理だから。
KAYANO さんは、化学調味料を一切使わず、体に良いものだけで作られていきます。
そういえば先日、「我が家の茶色い料理」とアップしたところ、
マミーさんから「ご飯には茶色いものが合う」というコメントを頂戴しました。
そうですね、茶色茶色と馬鹿にしてはいけませんでした。
昨今、インスタ映えだのなんだのと、小ぎれいな彩や盛り付けの料理がもてはやされていますが、
日本人にとって一番健康的で、かつホントに美味しい料理は決して派手な色ではないハズです。
KAYANO さんの食卓を見ても、大自然の色。
自然のものを使えば、草木や台地のような自然の色合いの料理になるのだと、気づかされました。
それが一番、美味しいものだということも。
こんにゃくのカルパッチョ
定番料理、こんにゃくのカルパッチョ。
何回もいいますが、こんにゃくは手作り。
こんにゃく芋が出始めると、それと格闘するのだそうですが、
肩が上がらなくなるほどかき混ぜたり大変な作業なんだそうな。
そのお蔭で私たちは本物のこんにゃくにありつける。
スパイシー枝豆
これも定番。
さやににんにく、クミン、唐辛子などのスパイスが付いていますが、作り方はわかりません。
KAYANO さんはお教室も開催しているプロですから、どうやって作るかを聞くのはタブー。
「何が入っているか、言ってみて? あってたら正解って言うよ」とケラケラ笑います。
最初から何を入れてどうやるというのを聞くのはいけません。
知りたかったら教室の生徒になる、これが当たり前。
でも舌で確かめて、自分で作ってみた、これとこれを入れてこうやったんだけど。。。
と言えば、あってたら「正解」違っていたら「おしい」と言ってヒントをくれます。
私はそれが楽しいの。
自分でやってみないと覚えないから、それで失敗して、ヒントを貰って
作ったものは忘れませんから。
にんじんと生姜のラペ
にんじんのラペに、生姜を入れるとは。
お酒のつまみには、にんじんだけでもそりゃ美味しいが、
生姜のキリッとしてアクセントはいいものです。
真似してみよう。
切干大根のピクルス
これも面白い。
切干大根はよく作りますが、それをひと手間くわえてピクルスにしてしまうなんぞ。
やっぱり只者ではない。
おからのサラダ
これが美味しかった。
おからに酸っぱいものが入っているんですよ。
いや~ウマい。
お箸で一個一個、つまみ出してみたら、なんだか古漬けが。
胡瓜と紫玉ねぎと、高菜漬けのようなものでした。
目から鱗です。
おからも田舎風に砂糖やみりんを加えて優しい甘さの煮物にするのは食べなれていますが、
こんな風に玉ねぎの辛さと、古漬けの酸っぱさで食べさせるというのも凄い。
メモメモ。
秋鮭ときのこの味噌バター焼き
これは絶対に真似できません。
何故なら、味噌が決め手だから。
この味噌もKAYANO さんの手作り。
一年に一度、味噌を作る教室を開催するそうなので、来年は是非参加して
美味しい味噌作りを学ぼうと心に決めます。
ケイジャンチキンパエリア
ケイジャンチキン?
物を知らない私は、てっきり韓国か何かの料理かと思っていました。
そしたらアメリカのニューオリンズとかあっちの方の料理なんですと。
土曜日の食卓、料理の話からいきなり立ち止まりますが、気になりだすとダメなので、
ケイジャンについて調べてみました。
そもそもケイジャンチキンのケイジャンっていうのは、なになに?
Travel Nato さんのサイト三尾根忠方さんの記事によりますと、
ケイジャン料理、ケイジャンチキンといいますが、「ケイジャン」とはなんでしょうか。ケイジャンはアカディア人を意味する言葉で、北米のフランス系植民地に居住していたフランス系カナダ人の中で現在のアメリカはルイジアナ州に移住した人々とその子孫を指します。主にルイジアナのニューオリンズがケイジャンたちが暮らす地域になっています。
ん? もう一度。
北米っていうのは、カナダ南部とアメリカ北部の国境近くよね、
そのあたりの植民地に住んでいたフランス系カナダ人が、アメリカのルイジアナ州あたりに移住して、
その子孫のことをアカディア人と言って、ケイジャンはそのアカディア人を意味する言葉。
ん? もう一度自分なりに整理。
ケイジャンがアカディア人を意味するって・・・・。
別の資料を見てみると、
「アカディア人」を意味する英語「アケイディアン」(Acadians)からAが取れて「ケイジャン」に転じた。
とあります、おおそれでケイジャンか。
因みに、アカデイア地方は、現在のアメリカ合衆国メイン州東部とカナダノバスコシア州に相当する地域の古名で、フランス人入植者によって名付けられた地名なんだそうです。
そのアカディア地方に住んでいたフランス人入植者たちが、アメリカ合衆国のイギリス系の人たちから「イギリスの女王陛下をあがめろ」っちゅう圧力で戦争になり、追いやられて住み移った先が、ルイジアナ州。
そこに永住した人たちをアカディア人といって、アケイディアンからケイジャンとなったと。
アカディア人ひとつしても歴史があって、これだけの定義があるくらいだから、
その人たちの作る料理にもこだわりがあるんでしょう。
で。
そのケイジャンが作る料理の特徴は、地元で手に入る食材を生かした、素朴でシンプルな庶民の料理。
タマネギ、セロリ、ピーマンを炒めたものを料理のベースとしていて、チリペッパーなど香辛料が効かせている。
伝統的なケイジャン料理には高価な材料やフランス料理の技法が使われることはまずない。
トマトの使用など、イタリア料理の影響も少ない。
ケイジャン料理はだいたいにおいて庶民的であり、主菜を料理する鍋、主食(米やコーンブレッドなど)を調理する鍋、旬の野菜を調理する鍋の3つがあれば食事ができるといわれる。
なーるほど。
複雑な歴史を経て移り住んだ人たちだから、地元の素材にこだわる、
KAYANO さんの料理に対する理念に共通するものを感じました。
随分遠回りしましたが、KAYANO さんの作るケイジャンチキンパエリア。
何とも素朴で、滋味あふれた魅力があります。
こういうパエリアひとつとっても、今風の見栄えの良いパエリアとはひとつもふたつも違う。
今年3月でしたか、代々木公園のパエリア祭りに行きまして、2,400円のチケットを購入して食べたパエリアの、今思えば、あの乾いたような小皿のパエリアは何だったのか。
まあ、あれはコンテストなので、美味しいものを正規の値段で食べるという企画ではないから仕方ないけれど、やっぱり、自分の家であるものの野菜で作るパエリアが一番美味しいということでしょう。
根菜ミネストローネ
これには驚きました。
蓮根、にんじん、椎茸、かぼちゃ、筍、じゃがいも、玉ねぎ。
その一つ一つが煮崩れもせず、ころっころしているのです。
「沸騰させないのがコツなのよ。6時間くらいつきっきりでコトコト煮るの」
一度でも沸騰させてしまうと野菜はたちまち柔らかくなる、
柔らかくなるということは美味しいことだけど、煮崩れする。
このスープは《柔らかい》というのではなくどちらかというと《固い》のです。
野菜の歯ごたえが残ったまま、素材の甘さや旨みはスープに溶けだしている。
色を見てもおわかりのように野菜の色です。
奇跡のようなスープです。
味付けはほんの少々の塩と粉チーズ。
「野菜のうまみを食べるから、しょっぱかったら台無し」
そうでしょうとも、しかしそれで勝負できるのは凄い。
皆さんはかぼちゃの煮崩れていないスープを飲まれたことありますか?
本当に感動ものでしたから。
ブロッコリースフレ
「温かい内に食べないとおいしくないから」ということで最後に登場したのがスフレでした。
ブロッコリーのスフレ、ほわんほわんなんですから。
なるほど、これは温かさが勝負です。
盛ってもらってすぐ食べたのと、しばらくして食べたのでは
味も食感もどんどん変化していきました。
こういうことにも細心の注意を払い、
感覚をとぎすましてこそプロなんだと思いました。
「でもね、美味しいって言ってもらえるのが嬉しいのよ。
わかって貰えないと、さみしくなるものねぇ」
KAYANO さんは、お店を経営されていたこともある方です。
どんなに繁昌しても、今はこっちの方が楽しいとのこと。
顔を見て、料理が美味しく食べられているかどうかを確かめられる人数は6~7人。
その位の少人数の人たちに食べてもらう「土曜の食卓」。
今は、その活動がとてもしっくり気に入っているのだそうです。