紅葉集 第四巻が割れました 。。。_| ̄|○
この本は、私の持っている中で一番古い本、明治43年のものです。
明治43年4月16日発行
購入した当初から状態が良いとはいえなかったのですが、
なかなか出回らない本なので記念にいいかなぐらいの気持で買いました。
併読本が読了し終わったキッカケに、書棚から引っぱり出して読み始めたのですが、
二つの理由で、読む速度がなかなか上がりません。
- ボロボロと背表紙から紙がちぎれ落ちる。
- 雅文調で書かれているので読みにくい。
「金色夜叉」の原書は難解です
やっと前編、有名な熱海の海岸でお宮と貫一が別れるところまで読みました。
いやあ大変でしたわ。
紅葉の文章は美文だと言われていますが、とてもそれを味わう余裕は私にはありません。
内容が頭に入ってきませんの。
セリフの部分は読みやすいです、口語体だから。
でも、それ以外の部分は、何度読み直しても意味がつかめない。
ちょっと前の日本語の文章にこれほど難航するとは思わなかった。
ここは内容を知ってるし、読みやすかった部分⤵
「
吁 、宮 さん恁 して二人が一處に居るのも今夜限 だ。お前が僕の
介抱 をいてくれるのも今夜限 、僕がお前に物を言ふのも今夜限だよ。一月の十七日、宮さん善く覚えてお置き。
來年の今月今夜は貫一は
何處 で此月を見るのだか!再來年の今月今夜 ⵈⵈ 十年後の今月今夜 ⵈⵈ
一生 を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ!
可いか、宮さん、一月の十七日だ。來年の今月今夜になつたらば、
僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、月が ⵈⵈ 月が ⵈⵈ 月が ⵈⵈ 曇ったらば、宮さん、
貫一は何處かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いて居ると思つてくれ。」
熱海の海岸にも銅像がある、あの有名なシーンです。
でもあのシーンは初っぱなの、前編だったんです。
前編は、貫一がお宮のことをなじって蹴飛ばす、あの有名な別れのシーンで終わっています。
そのあと、中編、後編、続金色夜叉、続続金色夜叉、新続金色夜叉と6篇あり、
執筆中に紅葉が死亡して未完で終わっています。
それを1909年に「終編金色夜叉」を紅葉門下の小栗風葉が書き継いだっていう話、皆さまご存知でしょうか。私は知りませんでした。
あっあっあっ。
違った、今日はその話じゃなかった。
ボロボロになった本の話をしたかったのでした。
とにかく読んでいる内に、背は縦に割け、
中から紙屑の粉がボロボロと落ちてきます。
なんか字がかいてある
バカっと割れた
こうなったら読書どころじゃない。
修理しないと、いけませぬな。
小口の部分もブヨブヨと凹凸があるので、手でなめして輪ゴムをする。
背の部分に紙ボンドを塗り、
背表紙を接着してゴムで固定する。
何十年もの間に変な癖がついているから、すぐ戻ろうとする。
輪ゴムの固定だけでは足りなそうなので、粘着力の弱い製本テープも使う。
これで乾かすこと一昼夜。
翌日、製本テープをはがします。
割れ目は綺麗にくっつきましたが、
代りに、封筒の紙を貼りました。
封筒の紙、目立つ・・・
茶色の色鉛筆で塗るか・・・(;'∀')
どうだい、目立たなくなった。
凄いいい加減だけど、まあこんなところで良しとしよう。
取り合えず素人が直すとしたらこんなところでしょう。
とりあえずこれで、ボロボロ紙が落ちずに読むことが出来そうです。
古本って、本当に不思議なんですが、
古書店の隅のほうに忘れられたように放置されていたようなものは、
埃っぽかったり、かび臭かったりするものもあります。
しかし。
買ってきて、手にとって、読み始めると。
状態が悪すぎて触るのも汚く感じられるような本まで、清々しくなります。
まるで息を吹き返したみたいに、生き生きとしてきて、あんなに汚く感じられたものが、
綺麗で温かいものに変わってくるのです。
なんでなのかしら、ねぇ。
綺麗になったところで、読書に戻れます。
さあ、中編から読み進もう。
でも・・・いつ読み終わるか、わかりませんけれど。
本日の夜ごはん
骨付鶏肉と大根と人参の鍋
ちくわぶと京のお揚げとわかめの煮物
きゅうり、ザーサイ、トマトのサラダ
なんかわかめが溶けてしまって、ビジュアルが悪すぎる。
いつもは、豚バラ肉でする鍋ですが、
何を間違えたのか、骨付き鶏肉・・・・。
それはそれで、まあ、、、ありかな。
うん、なしかな。