Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

H・G・ウェルズ『モロー博士の島 他9篇』

 

半年をかけて『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘』の原典を読んできたが、

今回の『モロー博士の島』がその最後。

『メアリ・ジキル~』は4つの作品から設定を忠実に引用したのではなく、

作品から受けたインスピレーションから、新たなアイデアに編み出して作品に落とし込んでいる。

『モロー博士の島』も実際に読むと、キャサリンなるキャラクターは出て来ない。

『メアリ・ジキル~』では、主人公-プレンディックが島から脱出する際、ピューマから作られたキャサリンを置き去りにしたという話になっていて、キャサリンはモロー博士の娘でも何でもなかった。それなのに《キャサリン・モロー》と苗字まで頂戴しているチャッカリさに笑った。

 

モロー博士の島

1887年2月、帆船レディ・ヴェイン号に乗り組んでいたプレンディックは、衝突事故で投げ出され漂流、数日後 別の船に救助される。助けてもらった船には酔っ払いの船長と胡散臭い乗客がいた。乗客の名はモンゴメリーといい、異様な外見の男を連れ、沢山の動物を運んでいるようだった。

やがてプレンディックは船長と衝突。怒った船長から「お前もここ ( モンゴメリーが降りたつ島 ) で降りろ」と言われ、見知らぬ島に放りだされてしまう。

島には白髪の男がいて、この島は「生物学研究所」のようなものだと説明する。

 

プレンディックは、男の正体が、残酷な動物実験を理由に学界を追放されたモロー博士だと気づく。

博士は、この島でさまざまな動物を人間のように改造し、知性を与える実験を続けていたのだった。

 

島には多数の獣人がいて、人間を模範とする「掟」を守りながら生活していた。しかしプレンディックは島の各地で惨殺された動物の死骸を目撃。従順な獣人以外に、掟を破った獣人が存在することに気づく。

モロー博士が手術中の獣人に殺害された。事件をきっかけに獣人たちは人間らしさを失い、獣の本性に戻っていく。やがて博士の助手モンゴメリーも死亡し、ただ1人の人間にプレンディックは命の危険を感じて島を脱出する。

 

しかし生還した彼を待っていたのは、人間社会に対する恐れだった。

プレンディックは、街をゆく人々に獣人の影を見、そして彼らも獣に化すのではないかという不安にさいなまれつつ、人目を避けて暮らすのだった。

 

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『モロー博士の島』を読んで わたしの感想

この本を読み出してすぐ「あっ、一番苦手な分野だ」と思った。

島中に手術される動物の叫び声が響きわたる、という文章に身が縮んでしまう。

モロー博士が学会を追放されたのも、行き過ぎた動物実験が原因だったわけで、この島で博士は誰にとやかく言われることなく自由に実験しているのだから、そういう残酷な記述がなければならないのも仕方がないけれど、やっぱりダメなものはダメだ。

 

改造した獣人が大人しくしているように、博士は鞭と洗脳で支配をする。

人間が一番偉いもの、人間を襲ってはならない、四つ足で歩いてはいけない、血を飲んではいけないなど、と叩きこむ。

洗脳を受け従順に暮らす獣がいる中、凶暴のままの獣もいる。

博士はあくまで力で服従させようとするのだが。。。。

 

というように、この島には救いがない。

博士には、動物に対する畏敬の念はおろか、情愛さえないのだから、

読んでいて、ただただおぞましい感覚にとらわれてしまった。

 

だがこの作品は4度も映画化されているというのだからそれなりに人気作なのだろう。

映画を見れば、この作品の面白さも再発見できるかもしれないし、もしかしたら映画の方にキャサリンのモデルになるピューマもいるのかもと思った。

 

 

残りの作品は素晴らしい!

文庫には、表題作の他 9つの短編が収監されていた。

私は、これらの短編の方に感心した。それぞれにキテレツで、ワクワクさせてくれて、時代を感じさせないSFの面白さがある。最後の台詞がみな、ウィットに富んでいて、終わり方がカッコよいのも魅力的だった。

 

  1. エピオルニス島  ( Aepyornis Island )
    伝説上の怪鳥エピオルニスを最初に発見したのは自分だと言い張る男がいた。彼はマダガスカル島で、化石化されていない4つの卵を見つけたという。ところが雇った現地人が不注意で卵をひとつ落としてしまう、烈しく叱責する男は現地人置き去りにされてしまいカヌーで無人島に漂着する。男は空腹で卵を食べてしまうが、最後の一個が孵化しエピオルニスの雛が誕生する。エピオルニスは男に懐き彼のあとをついて回った。しかし2年を過ぎて巨大化したエピオルニスは、しだいに乱暴になりブッチャーに反抗的になっていく。
  2. 蛾  ( The Moth )
    昆虫学者ハプレーとホーキンズ教授は「小蛾類」の定義で反目しあう仲だった。二人はなにかにつけてライバル意識を燃やし、相手をいかに凹ませるかばかり考えている。ところが決定的な勝利を手にする間際にホーキンズ教授が死んでしまう。ライバルを失ったハプレーは新種の蛾を発見するのだが、その蛾は彼の目にしか見えないものだった。
  3. 紫のキノコ  ( The Purple Pileus )
    小さな雑貨店を営むクールズ氏は人生が嫌になっていた。目下の不満は妻が自分のことを小馬鹿にして、日曜日ごとに騒がしい友ともだちを家に招きどんちゃん騒ぎをすることだ。今夜も妻の友だちジェニーは男を連れてやってきた。ジェニーと男は馬鹿まるだしの笑い声をたて部屋を占拠。妻はクールズ氏の非難に反抗して彼を罵る。怒り心頭のクールズ氏は家を飛び出し森をうろつき自殺をしようかと思い、偶然目についた紫の茸を口にする。茸の毒?でハイテンションになったクールズ氏は帰宅して大暴れ妻を威嚇。「俺が怒ると怖いのだぞ」妻は一変しおらしくなり人生が好転するのだが、立役者となった茸にクームズ氏がかけた言葉は、ごくさっぱりしたものだった。
  4. パイクラフトの真実 ( The Truth About Pyecraft )
    パイクラフトはロンドンのクラブ員で1番デブな男で、私にとって耐え難い人物だ。だが私と彼の間には1つ内緒の話がある。それはパイクラフトが体重を減らすために飲んだ、ひいお婆さんの東洋の秘伝の薬の秘密だった。
  5. ブラウンローの新聞  ( The Queer Story of Brounlaw's Newspaper )
    ブラウンロー氏のところに新聞が間違えられて送られてきた。ところがその新聞は1971年ーーー今から40年後の未来の新聞だった!
  6. 故エルヴィシャム氏の物語  ( The Story of Late Mr.Elvesham )
    高齢で著名な哲学者エルヴシャムが、青年イーデンに話しかけてきた。自分には子供もいないので、全財産を若くて健康で知的な若者に譲りたいという。哲学者の求めに応じて健康診断などを受けたイーデンは、その条件に適合し彼と契約を結ぶ運びとなる。ある夜、哲学者と夕食をともにしたイーデンは、薬を飲まされて気分がよくなった。別れ際にもう1種類の薬を渡されたイーデンは、指示どおり寝る前に飲んだ。翌朝奇妙な気分で目覚めたイーデンは、見慣れない寝室にいることに驚く。イーデンの両手には皺があり、足腰も不自由だった。鏡を見たイーデンは、顔がエルヴシャムになっているのに驚愕する。
  7. マハラジャの財宝  ( The Rajahs Treasure )
    賢王から愚王になったマハラジャは最新の金庫に財宝を隠して居るという噂があった。果たしてその金庫にあったものとは!?
  8. デイヴィッドソンの不思議な目  ( The Case of Davidsons Eyes )
    デイヴィドソンがロンドンの技術学校の実験室にいた時、雷のために磁場が変化し、彼の網膜にねじれが生じる。彼は身のまわりのものが見えなくなり、代わりに、8千マイル離れた南極近くの島とそこに停泊する船を見た。ウェイド学長はこの現象を「空間のよじれ」で説明し、「紙上の離れた2点も、紙を折り曲げれば重なる」と言った。
  9. アリの帝国  ( The Empire of the Ants )
    ジェンリロー艦長はバダマでの"アリ退治"の命令を受けた。どうやら通常のアリより大きく毒を持っているらしい。「アリから人間を救え」と指令を受けた1隻の砲艦が、アマゾン川を遡っていた。巨大なアリが集団で襲ってくるらしい。ある日、1艘のカヌーが流されてくるのに出会った。カヌーでは2人が死んでいた。調査のため、砲艦の乗組員が乗り込んだが、そこには大きなアリがいて1人が刺されて死亡した。さらに川を遡ると、見捨てられた村があちこちにあって、そのどこにでもアリがいた。アリたちの作戦行動は着実な前進と定住であり、その際、新たに侵略した地域の人間はすべて追い払われるか殺されている。人々は確信する。アリはやがてアマゾン河口にたどり着くだろう。そしてその先にあるヨーロッパを発見するのも時間の問題であるだろう、と。

 

 

本日であったにゃんこ

カイさんとマダグロさんに挨拶をして、とんとんにも会えたので少し離れたところで友好を深め合い、戻ってきたら姉姫さんが静かにご飯を食べていました。

あれ、今日は出て来れたの?

「そうよ、お腹空いたけど、持ってこないんだもの。

 そうそう、昨日は手ぶらで来たんですって、だめよそういうの」

グレゴリーが姉姫さんに言いつけたんだなぁ。

叱られちゃった。

 

 

 

本日昼ごはん

ざるそば

左上にチラっと写っている大さじは、MCTオイル用。

今日はそばつゆに入れて摂取しました。

 

 

本日の軽食

金ちゃんらーめんの担々麺

MCTオイルは熱に弱いので煮炊き料理に使わないようにと注意書きが。

熱いスープに入れるのは駄目なのかな、何度までならいいのだろうか、、、

 

 

 

本日の夜ごはん

二枚目の写真の右がちょっと違う

コロッケを買ったのを思い出して、皿に差し替えました。

 

ハンバーガーの具は朝から仕込んでおいたもの。

玉ねぎを2個入れてしまったので、甘くていいけれど

固めにくかった。

噛むとバラバラになりそうな堅さだけれど、お口に入ればおんなじか、と。

 

 

 

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