garadanikki

日々のことつれづれ 駄目駄目さんのガラクタ日記

作家

井上靖著「捕陀落渡海記」

井上靖著「捕陀落(ふだらく)渡海記」を読了しました。 この小説は《捕陀落渡海》という荒行に翻弄された僧侶の物語です。 どんな短編かの前にまず、この本を読んだ経緯からお話したいと思います。 私は和歌山については、那智の滝とみかんくらいしか知りませ…

本棚と脳内が大変なことになっています

本棚まわりが大変なことになってます もう少ししたら「すいか」の崎谷夏子先生 ( 浅丘ルリ子 ) の部屋みたいになるかも。。。 そんなこと想像していたら、また「すいか」が観たくなりました。 一年に一度は起こる衝動。 やっぱりDVD=BOX 買おうかな。←これも…

夏目漱石「坑夫」

夏目漱石「坑夫」 を読了しました。 恥ずかしながら漱石は「それから」「三四郎」「門」「こころ」くらいしか読んではおらず、 「吾輩は猫である」「坊ちゃん」あたりは斜め読みぐらいの程度でした。 順当に読むなら、他にも名作は沢山ありますが、 今回「坑…

神妙の読み方

夏目漱石の「坑夫」を読んでいて、ちょっと面白いことがありました。 神妙の読み方 皆さんは「神妙」をなんと読みますか? 私は迷わず「しんみょう」と読んでました。 しかし「坑夫」の中のルビが「しんべう」になっています。 今 私は岩波書店 1956年 ( 昭…

四国旅21 尾道・志賀直哉旧宅

尾道に来て、絶対に訪れたいと思っていたのが志賀直哉旧宅でした。 千光寺公園の展望台から文学のこみちを抜け、千光寺の境内を通り、 ずんずん階段を降りていき、やっとたどり着きました。 ここが旧宅の下にある《うずしお手水庵》 文学碑や石碑があります…

『一個』 著:永井龍男

永井龍男さんの短編集を読み始めました。 まずひとつめ 「一個」 「柱時計の振り子の音で、けさ四時まで、 完全に眠れなかったんだからな」 冒頭の独白にざわつく感覚を覚え読み進めます。 主人公の男が置かれている鬱屈した状況が少しずつ語られていくと、 …

公孫樹

永井龍男さんの「いてふの町」の冒頭はこんな言葉で始まります。 銀杏の木の 巨 ( おお ) きいのは、やはり「公孫樹」と書いた方が感じが出るようだ。 下の写真、これぞまさに公孫樹ですかな。 銀杏の葉には油があるから滑りやすいと聞きました。 坂道に一面…

『いてふの町』 著:永井龍男

小石川から本郷台にかけてのある一角に古い公孫樹の木と共に、古い東京が残っている区画がある。 六階建ての病院の脇を抜け、寺の墓地を曲がると左右に街並みに、魚屋、八百屋、ブリキ屋があるかと思うと大きな門構えの家があったり、格子戸のついた仕舞屋が…

『青梅雨』 著:永井龍男

この作品は、 「藤沢在住の太田千三、その妻-ひで、千三ひで夫婦の養女-春枝、ひでの実姉-ゆきが自宅で一家心中」という新聞記事から始まり、結末も新聞記事で締めくくられています。 読み手は既に主人公がこの世の者ではないところを知り、物語を読み始めま…

好きな時間

本日の夜ごはん 本当に自分の好きなものばかりだ。 海老が好きです。 特にニンニクでカリカリに炒めたのが大好物。 焼きナスは食べるのも好きですが、 《隠し包丁》を入れる作業が好きなんです。 向田邦子さんが、著書で「気が付くと千切りばかりの献立にな…

『杉林そのほか』 著:永井龍男

「杉林そのほか」は短編小説ではなく、 永井さんご自身の身の回りのことを書いた随筆と思われます。 永井さんの住んでいらした鎌倉のお宅のご様子や、 2人のお嬢さん (朝子さんと頼子さん) が結婚された時のこと。 娘たちが嫁いで奥様 (悦子さん)と二人にな…

永井さんと鍵屋

永井龍男さんが鍵屋で飲んでいる写真がありました。 写真の鍵屋は道路拡張前の古い鍵屋です。 ( 今の「鍵屋」は言問通りを一本入ったところにあります ) 私は、古い鍵屋さんも、現在の鍵屋さんにも行ったことはないですが、 昔のお店は知っています、江戸東…

永井龍男を読み始めました

よんばばさんの記事に魅かれて「永井龍男」作品を読み始めました。 里見弴と同じ時代に鎌倉で過ごし、最後の鎌倉文士と言われた永井龍男さん。 大佛次郎や久米正雄とも親交があり、鎌倉文学館の初代館長でもあった永井さんの本を、 気になりつつずっと後回し…

明治大正実話全集 第4巻 名人苦心実話 村松梢風:著

布張りの古書、 「明治・大正 実話全集 (4) 名人苦心実話」と書いてあります。 作者は、村松梢風さん。 先日「横浜富貴摟 お倉」を読みましたが、その作者です。 村松梢風さんは、村松友視さんのおじいさん。 ※ 友視さんは父-村松友吾さんが早世後、祖父-梢…

つたない感想文に、、、、

今朝、PCを立ち上げてびっくりしました。 昨日アップした私のブログにツイートがあったのですよ、作者の増山実さんから。 素人のつたない感想文に、ご丁寧に返信を下さるなんて。 驚き、感動しました。 こんなに丁寧なことをなさる作家の先生がいらっしゃる…

『勇者たちへの伝言~いつか来た道』 増山実:著

今年の夏 ( 7月29日 ) 仕事で大阪に行った折、憧れの阪急電車に乗りました。 その思い出をブログに書いたところ、 山猫 id:keystoneforest さんから、メッセージを頂戴しました。⤵ いつのひかきたみち・・・ とても気になって読んでみました。 初めての作家…

「空の走者たち」 文庫版と単行本の文字色

空の走者たちを読了。 今回は感想文ではなく、文庫本の最後に書いてあった文字色についてのお話。 文庫本の巻末にこのような記述がありました。 ご興味があれば単行本のページも開いてみてください。 早速、見比べてみました。 左が文庫本、右が単行本です。…

大佛次郎記念館

記念館に入ると、市毛良枝さん似の品の良い女性に出迎えられました。 まだ息が上がっているあたし。 「谷土坂を登ってきて、まだ息が切れてるんです」 「あ~ら、それはきつかったですね。 昔はあの坂を登って来るしかなかったんですけど、駅からエレベータ…

『少年と蛇』 著:田宮虎彦

【あらすじ というかダイジェスト】 母が少年を連れて帰ったお祖父さんとお祖母さんの家は、大きな川のほとりにあった。 母屋から桃畑を隔てた川土手の離れ屋で、少年と母との暮らしが始まった。 夜になると川の流れの音が、少年の耳を洗うように聞こえてく…

エッセーを書くということ

谷崎潤一郎の『青春物語』というエッセーを読みはじめた。 去年、池袋の古本市で手に取り、貴重な写真が沢山掲載されていたので購入したものだった。 読み始めて半分で止めた。 理由は、気分が悪くなったから。 本人は肩のこらない笑い話として皆が知ってる…

『嵐のなか』 著:島木健作

この本は、1949 ( 昭和24 ) 年、島木健作の死後 刊行されたものである。 『嵐のなか』が単行本になったのは《この全集が最初》と聞いて探していた。 カバーもちぎれ、中もシミだらけだが、読むのになんら問題はない。 かえって当時のことが想像できる気がし…

日本橋蛎殻町を歩く

ちょっと時間があったので、蛎殻町を歩いてみます。 古い家屋は今でも現役。 大切に住まわれているのがわかる。 この辺りは、昔ながらの地名が残っています。 昭和37年に制定された住居表示に関する法律によって、 どんどん町名が統合され〇〇何丁目何番地と…

鎌倉 扇ヶ谷を歩く ~ vol.3 亀ヶ谷界隈

今回の帰路は、亀ヶ谷切通方面から北鎌倉へ抜けることにします。といってもまだ帰らない。ふたつやりたいことがあるんです。ひとつは抜け道探し。もうひとつは島木さんち探し。地図を見ていただくと、おわかりのように、車でA地点からB地点に行くには、右に…

島木健作著 『獄』という本

島木健作著『獄』を読了。名著でした。考えさせられました。収録されているのは「癩(らい)」「苦悶」「転落」「盲目」「医者」という5篇で、いずれも獄中での思想犯の話。癩……思想犯として投獄された太田は、刑務所で結核を発症し隔離監房に移される。 そこ…

百花文庫で島木健作『土地』を読む

百花文庫にハマってしまい、次に入手したのが、島木健作著 『土地』でした。 島木健作という方は、この本で初めて知りました。何の予備知識もないまま読みはじめ、どっぷりのめり込みました。 至極 読み易く、登場人物に対する表現が端的でわかりやすい。 主…

志賀直哉 『早春の旅』 『ジイドと水戸黄門』 『池の縁』

百花文庫で、志賀直哉著 『早春の旅 他二篇』を読了。 この本に収められている三つの短編は、お子さんたちとの様子を書いたものです。 直哉さんには、義理のお母さんが産んだ年の離れた兄弟たちがいます。 その兄弟のことや、祖母、実母、義母のことを、彼は…

幸田露伴『野道』でみる、野山の楽しみ方

幸田露伴の『野道』という短編を堪能し、40年前のことを思い出しました。 確か、場所は埼玉県秩父の正丸峠だったと思います。 ハッキリ特定できないのには古い話であるとともに、 こういうことをするのが日常茶飯事だったからです。 写真手前は、若かりし頃…

武者小路実篤『初恋』

『初恋』備忘録 武者小路実篤の本を読むキッカケは、里見弴つながりだった。 ひとつことに興味を持つと、今まで見過ごしてきたものが見えてきたりする。 武者小路実篤に関していえば、 偶然 通った場所に『武者小路実篤記念館』があったり、 探していた里見…

映画 『 アイリス 』

週末に見たアイリスという映画、心に沁みました。イギリスの女性作家アイリス・マードックを主人公に、アイリスの夫ジョン・ベイリーが書いた回想録『Elegy for Iris』を原作としている夫婦の40年を描いたドラマです。 晩年の妻がアルツハイマーを発症してし…

有川浩 著『猫旅リポート』

にゃんこ好き、有川浩さん好きの私に、MOURIからのお土産。自分の本を買うついでに新刊を見つけて買ってきてくれました。 「喜ぶだろうと思って」と。 早速、読み始めたもののボロボロボロボロ泣き通しです。 ラストなんかもう、ウォンウォン言ってしまいま…