Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

本を読む

松本清張と医学

松本清張『海堂尊オリジナルセレクション~暗闇に嗤うドクター』読了。 今は、続けて『草の径』を半分まで読み進んでいる。 『暗闇に嗤うドクター』は、以前お話をした通り、 数多ある清張作品から、医療にまつわる作品を海堂尊がセレクトしたもの。 有名作…

〇〇オリジナルセレクション「松本清張傑作選」

今、読み始めている本は、松本清張傑作選。 清張作品は、何作か読んだが、どれだけあるんだろうといつも思っている。 これは「チームバチスタ」で有名な海堂尊さんがセレクトしたものらしい。 短篇集なので、半分くらい読み進めたところで、先に巻末にある海…

寺地はるな『ガラスの海を渡る舟』

寺地はるな 著『ガラスの海を渡る舟』を読了。 この本は、敬愛する二人のブロガーさんが紹介していらしたものだ。 よんばばさんとつるひめさんと私は、同年代である。 お二人の紹介する本や映画やドラマは常に私のストライクゾーンのど真ん中なので、 この本…

『地中の星』面白そうな予感

門井慶喜 著『地中の星』の図書館の借入順番がやっとまわってきた。 予約を入れたのは昨年11月に著者の『家康、江戸を建てる』を読んだ後だから7カ月前になる。 忘れちゃったわ、予約を入れてた ことすら あとの予約待ちだってかなりあるので焦っております…

島木健作 著『煙』

島木健作『煙』を、百年文庫14巻<本>で読了。 この巻は、本にまつわる作品として、 島木健作『煙』、ユザンヌ『ジジスモンの遺産』、佐藤春夫『帰去来』が収録されている。 煙の内容はこうだ。 叔父の営む古本屋で店番をさせてもらっている耕吉は、洋書の…

三鷹の駅に降り立つ

本日は久しぶりにおでかけ。 三鷹に来ている。 北口は蔦がからまり、レトロな感じがいい。 「三鷹駅」のフォントも好きだなぁ。 古い駅舎かと思ったら、2008年頃に改築されたらしい。 以前の駅舎の写真⤵ 「三鷹駅」のフォントはやはり今の方がいい。 さて。 …

哀しい女たちの本、二冊読み始めました

恩田陸 著『失われた地図』を読了。 前半はさっさと読めたが、後半になり話が多少ぬるくなってしまった感があった。 最後は「ええっ」というゆるい感じの結末だった。 ううむ、前半、面白かったのになぁ。 続けて読み出したのが水上勉 著『良寛を歩く』と並…

恩田陸 著『失われた地図』途中

恩田陸 著『失われた地図』を読んでいる。 面白くてサクサク読みすすんでいるが、まだ途中 ( 半分ほど ) なので読書感想文ではない。 桜について常々考えていたことをズバリ、寸分の狂いもなく文章にしてくれているので抜き出しておきたくなった。 ストーリ…

荻原浩 著『海の見える理髪店』

荻原浩 著『海の見える理髪店』を読了。 今でも予約待ちが続く人気本で、図書館ではいつになるかわからないので、 古本を買ってしまった。 カバーと帯を取ると、表紙は薄い水色。 カバーのイラストの空と同色で表に一羽、裏に一羽、カモメが飛んでいる。 な…

斎藤緑雨『油地獄』

斎藤緑雨『油地獄』を百年文庫で読了。 いきなり冒頭に、こんな長文がある。 大丈夫当まさに雄飛ゆうひすべしと、入いらざる智慧を趙温ちょうおんに附けられたおかげには、鋤すきだの鍬くわだの見るも賤しい心地がせられ、水盃みずさかずきをも仕兼ねない父…

恩田陸 著『ねじの回転』

恩田陸 著『ねじの回転』上下巻、もう少しで読み終えようとしている。 感想は《読了後》にと思ったが、昨今 思うことと重なるので《今》書くことにした。 【内容】 この作品は226事件をモチーフにした時間SFもので、事件に関与した実在の人物が登場する。 ( …

古山高麗雄 著『二十三の戦争短篇小説』

今、こんな本を読んでいる。 この本を知ったキッカケは、先日読んだ伊坂幸太郎著『AXアックス』に、 本書収載の『プレオー8の夜明け』が参考文献になっていたことだった。 『AXアックス』のスパイの話と、この戦争の話との共通点は何なのか、 伊坂さんが参考…

最近読んだ二冊

今週は、読者登録をさせていただいているブログで紹介されていた二冊を続けて読了。 自分で選ぶ本は、古くて内容重めの本に偏りがちなので、 この二冊は、最高の気分転換になり頭の中の違うツボを刺激してもらえた。 両方とも面白かったです。 よんばばさん…

「ティファニーで朝食を」vol.4 ティファニーについて

3回にわたりグダグダ言っていたのも、これてお終いにします。最後は、 主人公のこと、プレゼントのこと、ティファニーのことについて 原作は主人公の一人称なので、名前はなかったような気がする。 ※ 滝口版には一箇所「バスター」と出て来た。 映画は《名な…

「ティファニーで朝食を」vol.3 猫の扱い方問題

「ティファニーで朝食を」のホリーが飼っている猫には名前がない。 ホリーは拾ってきた猫を、一時預かりだと思っていて、 「ちゃんとした飼い主が見つかったら名前を付けてもらいなさい」と言っている。 わかったようなわからないような・・・・論理 この論…

「ティファニーで朝食を」vol.2 ユニオシ問題

原作「ティファニーに朝食を」に、ユニオシという名の日本人らしき人が登場する。 主人公は、カリフォルニア出身 ( 日系二世 ) と認識しているが、 バーの店主-ジョーは、日本から来た紳士 ( 日本人 ) と認識している。 だが、ジョー自身「I・Y・ユニオシさ…

「ティファニーで朝食を」vol.1 ギルバートとサリヴァン問題

トルーマン・カポーティ著「ティファニーで朝食を」を村上春樹訳で読了。 原作を読んで「ああ、そういう話だったのか」と感心した。 昔、ヘップバーン主演の映画は観たけれど、琴線に触れなかった。 ヒロインのホリーの自由奔放な生きざまの意図することが何…

拓未司「虹色の皿」

拓未司『虹色の皿』を読了。 いつもながら、ネタバレぎりです。 著者-拓未司さんは、大阪あべの辻調理師専門学校を卒業し、神戸のフランス料理店に就職、 その後さまざまな飲食業に従事する経歴を持つ。 本作はその経歴を生かしたものと思われ、軽やかな文体…

トルーマン・カポーティ「遠い声 遠い部屋」

『遠い声 遠い部屋』を読了。 図書館の予約リストに入っていたのだが、いつ、なぜ、この本に興味を抱いたのかわからない。 とりあえず一読すると、たちまち独特の世界感の虜となる。 読み終わってすぐ、「もう一度読み直したい」という衝動にかられた。 途中…

樋口有介『月への梯子』

樋口有介「月への梯子」を読了。 よんばばさんの書評で読みたくなり、図書館から借りてきたのが左です。 単行本 ( 左 ) と、文庫本 ( 右 ) の装丁は、イメージが全く違う。 ぱっと見、文庫のイメージに魅かれたが、読了後 白い猫が意味深でいいかもと思った…

乃木夫妻殉死で 思うこと

巌谷大四『物語大正文壇史』を読了した。 大四さんの文章はとてもわかりやすく、サクサク読めた。 garadanikki.hatenablog.com 大正時代の文豪のエピソードが沢山つまったものだった本なので、どストライクの話題にキャーキャーいいながら読んだ。まだまだ知…

寝床で読んだ本「わたしはわたし自身を生きる~」

起床して、ゾクっと寒気を感じたので検温したら37.4度ある。 やっちまったか うがい手洗いマスクは欠かさないできたが、それでも感染力には勝てなかったのか。 ただの風邪でありますようにと、ご飯を食べてベッドに潜り込む。 今日は寝てよう 読書の日 一気…

巌谷大四『物語大正文壇史』

巌谷大四『物語大正文壇史』を読み始めている。 大正期の文筆家のエピソードが沢山取り上げられていて、ざっと目を通しただけでもよし、 その中から気になった事柄をさぐるキッカケにもなる本だ。 作者について 巌谷大四さんは、巌谷小波さんの四男で文学評…

三冊の小説を通して

去年から今年にかけて読んだ小説にある共通点があった。 物語に「癩病」の人物が出てくることだ。 昔から差別や誤解や偏見もあった病気なので、件の表記を差別的に感じる人も多く、 歴史的以外での使用は避けられるのが一般的だそうだ。 私自身、どのように…

『善助と万助』 海音寺潮五郎 著

今年はじめの読書は簡単なものから。 百年文庫2《絆》の本から、海音寺潮五郎 著『善助と万助』を読む。 ポプラ社「百年文庫」は、テーマに沿って国内外とりまぜた三人の作家をセレクトしているシリーズ本。 第2巻《絆》には、海音寺潮五郎、コナン・ドイル…

野田宇太郎『文学散歩』から神田錦町を想う

図書館から借りて来た 野田宇太郎の「文学散歩 別巻2」を読み始めたら、 昨日の『護持院ヶ原の敵討』と見事にリンクしている章にぶち当たりました。 なんとも偶然。 いえいえ、これはよくあることです。 本に呼ばれたのでしょう 図書館や書店の本棚を眺めて…

武士の敵討ちについて

森鴎外『護持院ケ原の敵討』から、菊池寛『恩讐の彼方に』と、何故か偶然、 江戸時代の敵討ちの話を読み継ぎました。 二作とも、近年の作家が書く時代物小説と一線を画している点に感心させられました。 池波正太郎 (1923~1990)、司馬遼太郎 (1923~1996)、…

森鴎外 著「高瀬舟」について

森鴎外の「高瀬舟」について考えています。 「高瀬舟」は、弟殺しで遠島の刑を受けた罪人・喜助と、彼を護送する同心・羽田庄兵衛との舟の上の話です。 ざっくりした筋はこちら これから遠島に送られるという喜助の様子が常の罪人らしからぬ明るいのを見て不…

少年少女むけの文学全集を手にして

最近、読み始めた本です。 これは1959年、昭和34年発行された全集です。 左のなどは、まだ作者のハンコをひとつひとつ押してたものでした。 本を作った人の中に、志賀直哉さんの名前があった。 少年少女と書いている全集ですが、対象は中学生です。 それぞれ…

松家仁之『泡』

これといった予定も仕事もないので、オハラショースケさんを決め込んだ。 温めの風呂で半身浴をしながら、この本をまるまる一冊読了。 あらすじ 高校二年生になって間もなく、学校に行けなくなった薫(かおる)は、ジャズ喫茶を営む大叔父・兼定(かねさだ)のも…