Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

池波正太郎 剣客商売~待ち伏せ

遅ればせながら池波正太郎を読み漁っております。

今読み終わったのが「剣客商売~待ち伏せ」

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いきなり第9話からなので、人間関係がわからない。

三冬という奥さまも面白そうですが、今回の話はエピソード薄でした。

 

私がハマったキッカケがこれ。

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以前、友達に借りた古地図です。

とうとう同じものを中古で買ってしまいました。

が。今回は、安政5年 ( 1858 ) の「政本所深川繪圖」

http://tois.nichibun.ac.jp/chizu/images/2149672.html

これを見ながら読むわけさ。

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「本所の堅川と

 深川の小名木川をむすぶ

 六軒堀川の南端にかかる

 猿子橋にさしかかった。」




 

f:id:garadanikki:20160502100353j:plain「向うの西たもとは、

 右が幕府の御樅蔵。

 左は深川・元町の町屋」

 

 

f:id:garadanikki:20160502100354j:plain「猿子橋から東に進むと、

 藤堂和泉守・下屋敷につきあたり、

 右に折れ曲がると、

 小名木川の河岸道となる。」

 

「すぐに小名木川と横川が

 十字に合う地点へ出る。

 横川に架かる猿江橋を渡ると、

 河岸道の左側に若林屋敷の

 長屋門が見えた。」

「尾けるともなく、

 その男の後を歩く。

 小笠原・太田両家の下屋敷に

 はさまれた道を

 左に曲がった。

 自分の帰り道は右、

 あきらめて歩きだしたとたん

 その侍から声をかけられた。」

 

うぉー、楽しい。

 ( ※ 藤堂和泉守と若林屋敷は表示がないので私が書きました。 ) 

  

「前方に高橋、左側に太田屋敷の塀がまわり、右側 常盤町の町屋。

 その角に〔清月庵〕というそば屋がある。」

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f:id:garadanikki:20160502100356j:plain「表へ出ると、

 又六から声をかけられた。」

 

「深川の洲崎弁天の

 橋のたもとで

 鰻の辻売りをしている。」

 

「海辺大工町を歩いている

 佐々木。」

 

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「又六は、深川・島田町の長屋に

 老母・おみねと二人住いだ。」

 

「この辺りは木場も近く、

 堀川が縦横にめぐってい、

 夜の闇の中にも木の香が

 たちこめる地。」

 

「長門の国萩・松平 ( 毛利 ) 家の

 広大な下屋敷と堀かわを

 へだてて西側にあたる。」

 

「その裏道の亀久町と

 向かい合った細道に面した

 小さな家に佐々木周蔵は

 入っていったのを、

 又六は見とどけて来た。」

 

池波先生もこんな風に地図を見ながら話を書いていったのだと思います。

ですから当時の地図を広げて、照らし合わせてみれば、大体一致するわけなんです。

 ( もちろん悪者の家とか架空の人物に家はありませんが。。 )

日本酒でもちびりちびりやりながら、こうやって地図を広げて小説を読んでいると、

池波ワールドに入っていけるのです。

 

もうひとつ、食通で知られる池波先生ですから、物語に出て来る料理にも惹かれます。

主人公-秋山大治郎が、 又六に佐々木周蔵の尾行を頼み、それを待っているのは又六の家。

又六の老母は、大治郎に「ぶっかけ」をふるまいます。

それから、おみねは夕餉の仕度にかかり、たちまちに大治郎に膳を出した。

その仕度が、あまりに早かったので、大治郎は遠慮をする間とてなかった。

いまが旬の浅蜊のむき身と葱の五分切を薄味の出汁もたっぷり煮て、これを土鍋ごと持ち出したおみねは、汁もろとも炊きたての飯へかけて、大治郎に出した。

深川の人びとは、これを「ぶっかけ」などとよぶ。

それに大根の浅漬けのみの食膳であったが、大治郎は舌を鳴らさんばかりに四杯も食べてしまった。

 

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こんなお料理のようです。

 

池波正太郎の江戸料理帳|365日時代劇だけを放送する唯一のチャンネル時代劇専門チャンネル

BSの時代劇専門チャンネルでは「池波正太郎の江戸料理帳」と称して、

このような番組とサイトを作っています。

 

地図にメシ。池波正太郎がいまだに多くのファンをかかえているのも、こういうところなんでしょう。

いや~いいですねぇ。