エリック・ペッサンの「3つ数えて走りだせ」を読んでいる。
ありふれた月曜日、トニーとアントワーヌは、ただ3つ数えて走り出した。
2人はフランスの中学生で、お互い家庭の悩みを抱えている。
家出? 逃走? 何から逃げるのか。
ただ、今、彼らは走り出すということに喜びを感じ始めているだけなのかも知れない。
二回吸って、一回吐く。
体には力がみなぎっている。体はぼくにたくさんのものをくれた。
呼吸は
賜物 。前進は奇跡 だ。
生まれてこのかた、こんなに疲れたことはなかった。そして、これほど喜びにあふれたことも。
生きているという実感が、胸に激しく沸き上がった。
エリック・ペッサン著『3つ数えて走りだせ』p.62より