Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

ドラマ『舟を編む ~私、辞書を作ります~』

 

NHKドラマ『舟を編む ~私、辞書を作ります』の再放送を楽しんでいる。

主演の池田エライザさんと、野田洋次郎さんをはじめ編纂部のスタッフはみなナイスキャスティング。脚本も素晴らしい。特に野田さんのセリフも心に沁みる。

原作は、「玄武書房」に勤める馬締光也が、新しく刊行する辞書『大渡海』の編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられ、個性豊かな編纂者たちが辞書の世界に没頭していく姿を描いた作品で、2013年には映画化され、2016年にはアニメにもなっている。

今回 私が視聴しているのは2024年版ドラマで、原作や映画とは主役も切口も違うようだ。

 

原作と映画の主人公は馬締光也。

玄武書房の営業部に配属された馬締が、言語学専攻のキャリアと言語感覚の鋭敏さを認められ辞書編集部に入るところから物語が始まる ( らしい )。 

 

ところがNHKのドラマは、馬締は既に『大渡海』の編纂を取り仕切る責任者になっていて、そこに配属されてくる岸辺みどりが主役になっている。

 

【あらすじ】

大人気ファッション誌の編集部員・岸辺みどり ( 池田エライザ ) は、雑誌の廃刊が決まり、突如辞書編集部に異動になった。そこは、ぼさぼさ頭で超がつくほどの生真面目上司・馬締光也 ( 野田洋次郎 ) を筆頭にくせ者ぞろいの部署だった。みどりは彼らに翻弄されながらも、一冊の辞書を作るために十数年間に及ぶ時間と手間をかける根気と熱意に触発され、次第に自らも言葉の魅力を発見し、辞書編纂の仕事にのめり込んでいく。

 

ドラマの第二話は、みどりの失恋と「恋愛」という言葉の話

恋人の昇平 ( 鈴木伸之 ) が、LINEのメッセージを残し家を出ていってしまい、気落ちするみどり ( 池田エライザ ) は、馬締 ( 野田洋次郎 ) に不思議な言葉で励まされる。

 

そのシーンがこちら

みどり「ごめんなさい、単なる失恋で」

馬締「えっ!」

馬締「すみません、そうとは知らず、あの、あれでしたら今日は帰っていただいて、

   2~3日有給を取っていただいても」

みどり「そんなそんな」

馬締「はあ。お察しいたします」

みどり「ありがとうございます」

馬締「あ、あのー」

みどり「はい」

馬締「誤解の可能性はないのでしょうか」

みどり「誤解?」

馬締「やっ、以前 失恋したと思ったら、誤解だったということがありまして」

みどり「えっ、馬締さんがですか?」

馬締「はい」

みどり「えっ? 失恋が誤解っていうことは……うまくいって」

馬締「お陰様で」

みどり「なーんか、輝いてみえます、馬締さん」

馬締「なので岸辺さんも誤解なのでは」

みどり「だったら嬉しいですけど、ないと思います、たぶん」

馬締「たぶん」

みどり「急に出ていっちゃったんで、ちゃんとはわからないんですけど。

   私が調子乗っちゃってたっていうか。全然大事に出来てなかったって。

   ちゃんと恋愛?出来てなかったかもって。自業自得なんです、たぶん。

   だから諦めなきゃなあって思うんですけど」

馬締「もし、諦めるとしても。

   俺は岸辺さんに、あきらめて、あきらめて、あきらめて欲しいです」

みどり「えっ? めっちゃ、あきらめるってこと?」

 

 

一方、辞書編纂の作業で、みどりは「恋愛」の語釈に違和感を感じる。

れんあい【恋愛】異性同士が相手を大切に思い、互いに結びつきも強めたいと思う気持ち。

どの辞書を引いても、男と女、異性同士という言葉ばかりで「大渡海」の原稿もそうなっていた。

 

この《男女》という言葉に抵抗を覚えたみどりは、馬締に相談するのだが、

自分が抵抗を感じる意図をうまく説明することが出来ない。

その時のやりとりがコチラ⤵

みどり「うまく言葉に出来なくて」

馬締「うまくなくてもいいです。それでも言葉にしてください。

   今、あなたの中にともっているのは、あなたが言葉にしてくれないと、

   消えてしまう光なんです」

 

みどり「松本先生が言ってくださった言葉です」

松本「辞書は、あなたを褒めもしませんが、決して責めたりもしません。

   安心して開いてみてください」

みどり「本当にそうでした。辞書は私のことを褒めも責めもせず、

   ただ教えてくれました」

みどり「もし、もし異性ではない相手と強く慕い合っている人たちが、

   大渡海で恋愛を引いてみたとき、そこに〈異性同士〉って言葉があったら、

   責められてるような気持ちになるんじゃないかなって」

みどり「異性同士じゃないから、あなたたちのそれは恋愛じゃないって……」

みどり「言ってくれたじゃないですか、馬締さん」

馬締「一緒に作りましょう、多くの人が長く安心して乗れるような舟を。

   寂しさに打ちひしがれそうな日々にも心強い相棒になれるような舟を」

みどり「私は作りたくないです、そんな、乗ったら余計 寂しくなっちゃうような舟」

恋愛というひとつの言葉を通して辞書とは何かを、

編纂部のスタッフが心をひとつに通わせた素敵ななシーンだった。

 

みどりは、馬締のふたつのメッセージから、

去っていった恋人に「もう一回会ってほしい、話がしたい」とメールする。

 

馬締の話とは

  • うまくなくてもいいです。それでも言葉にしてください。今、あなたの中にともっているのは、あなたが言葉にしてくれないと、消えてしまう光なんです
  • あきらめて、あきらめて、あきらめてください

もし恋人と別れなければならないにしても、キチンと言葉を通わせ、お互いどう思っていたかを確認してから別れて欲しい。馬締が言いたかったのは、こういうことだった。

 

「あきら-める」を辞書でひくと、二つの漢字があり、その語釈をよむと。

馬締が「あきらめて、あきらめて、あきらめて」と三回繰り返した意味がわかった。

言葉とは本当に素晴らしいものだと感激した。

 

 

 

2025年06月25日 昼ごはん

まかべの半田そうめん

今年の夏も、この半田そうめんをざるでつるつるやっていきたい。

 

 

2025年06月25日 夜ごはん

ぷるるんとしたものが喉越しが良いので、鶏の胸肉を片栗粉でまぶして茹でたものを使った。

レタスと、茹で鶏と、ネギ胡麻だれの相性はバッチリ!

 

もう一品はゴーヤチャンプルー

ちょっと作り過ぎたかな 💦

 

デザートはすいか