Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

柚月裕子『朽ちないサクラ』

 

柚月裕子 著『朽ちないサクラ』読了

BOOKOFFで購入した表紙カバーは上のもの

やけに厚いなと思ったら、カバーが二重になっていた。

映画化の宣伝でカバーを足したのだろうが、これから読む人にとっては、

イメージが固定されてしまうので見たくないかも。

元のカバーの下に映画化のがあればいいのに。。。

あっそれじゃ宣伝にならんか、すんまそん

警察のあきれた怠慢のせいでストーカー被害者は殺された!? 警察不祥事のスクープ記事。新聞記者である親友に裏切られた……口止めした森口泉は愕然とする。情報漏洩の犯人探しで県警内部が揺れる中、親友が遺体となって発見された。警察広報職員の泉は、警察学校の同期・磯川刑事と独自に調査を始める。次第に核心に迫る二人の前にちらつく新たな不審の影。事件の裏には思いも寄らぬ醜い闇が潜んでいた……。 

 

この作品は、警察物。

県警広報課に勤める森口泉は、県民からの苦情電話の応対に追われていた。

女子大生ストーカ殺人事件についてのスクープが新聞に出たからだった。

内容は「以前から被害者の両親が、犯人-安西秀人のストーカー行為について県警に相談し被害届を出していたにも関わらず、県警職員が放置していたのは、北海道へ慰安旅行をしていたからだった」というものだった。

 

当初、殺人事件が起こったときマスコミは、

「なぜ被害届の受理を延ばしたのか、一週間延ばさずに、両親が被害届を出したときに受理して捜査に乗り出していれば、今回の事件は防げたのではないか」と警察を責めたが、非難に対して所轄署は、課員がほかの事件捜査で多忙を極めていたため、との従来の主張を繰り返していたが、事実は違っていた。

 

『被害届を両親が持ち込んだ日から数日後に、所轄署職員の慰安旅行が控えてあり被害届を受理すると手続きのために旅行に行けなくなると判断した職員が、被害届を受け付けなかったのだ』

そのスクープを発信したのは、泉の親友・津村千佳が所属する米崎新聞で、津村千佳は県警担当記者であったのだ。

 

森口泉と津村千佳

泉と千佳は高校の同級生で、趣味を通じて仲が良かったものの、卒業後にしばらく疎遠になっていたが、四年前、泉が米崎県警に勤務していた時、千佳が米崎県警のサツ回り担当として再会したのだった。

泉と千佳は定期的に食事をするようになったが、警察内部では、マスコミとあまり接触を持つなという暗黙の上命があったため、お互いの距離は心得ていた。

 

警察内での犯人捜し

いま、警察は、どこから慰安旅行の件が漏れたのか探っている。不祥事をすっぱ抜いた新聞社の記者である千佳と会っていることころを、警察関係者の誰かにみられたら、今回の慰安旅行の話を漏らしたのが自分だと疑われてしまう。

泉は迷ったあげく千佳に聞きに行くことにした。

 

「私じゃないわ」

慰安旅行の記事が紙面に載る二日前、泉は千佳と食事をとっていた。

他愛もない会話の中で、件の所轄署の刑事からもらった北海道旅行の土産が美味しかったという話をしてしまい、千佳からそれがストーカー事件に絡む慰安旅行であったとわかってしまう。泉は千佳に固く口止めをした。千佳は「わかった、約束する」と答えた。

 

そんなことがあったのに、千佳はその約束を破ったのか。

千佳は泉に言う。

 私じゃないわ。

 この件には、なにか裏があるような気がする。

 いまはまだ言えないけれど、調べてみる価値はあると思う。

 泉から押された裏切り者の烙印を、必ず決してみせるわ。

 

千佳は、そう言った言葉を残した一週間後 彼女は死んだ。

 

津村千佳の死

警察が調べていくうちに、千佳は何者かにより殺されたものと判明する。

泉の上司・富樫は、千佳が泉との関係に気づき事情をたずねる。

泉は正直に、今までの経緯を話し、事件に協力することにするが、その一方で、北海道土産をくれた警察学校の同期・磯川と共に、独自で千佳の事件を調べ出す。

 

 

この本を読むと、警察内部の事情や新聞社との関係がよくわかる。

不祥事の話に、警察・マスコミふたつの不倫の話が絡み、その上にカルト集団まで出て来る。少し混乱しそうになったが、泉と磯川の奮闘のおかげで事件が見えてきたところで、大きな疑問が湧いた。

これはネタバレになるけれど

だったら最初にストーカー犯人を公安が始末してしまえば、後に三人も殺されなかったんじゃない?

 

警察の中での、刑事と公安の関係性

ドラマでも小説でも、刑事と公安の対立を描いたものが沢山ある。

先日読んだ「神はサイコロを振らない」でも、乗客の中の犯人に対する、刑事VS公安のアプローチが違い、公安の行き過ぎた取り締まり行為に怒った興梠惣一郎という大物政治家が、《公安にお灸をすえる》という胸のすくシーンもあった。

 

この本でも、公安と刑事がぶつかります。

ネタバレ⤵

この本でも、殺人事件を捜査し逮捕しようとする刑事と、カルト集団を捜査し撲滅させようとする公安との利害がぶつかっていく。

主人公は三人目の殺人の容疑者が公安だったのではと迫るが、結局うやむやになり、

怒った主人公は、一般事務職から刑事を目指そうと警察をやめ、試験を受け直して刑事になろうと決意するという話で終わります。

 

何故、刑事と公安はもめるのか

本当に、刑事と公安が犬猿の仲なのかはわからないが、アプローチの違いがあるから、

ぞれぞれの利害が一致しないから、衝突や横やりがあるのかも知れない。

 

刑事:目の前の被害者のために、刑事事件の捜査を行う。また、目の前に被害者がいなくても、日本の治安を脅かす反社会的勢力、不良外国人の取り締まりといった組織犯罪対策もします。

公安:国家を守るためにテロや暴力集団・組織、スパイに関する情報を収集し、事件となる前に見然に防止するための捜査活動をします。

 

つまり警察は起きてしまった事件を追う。公安は見然に防ぐための捜査活動をする

ということ、これは衝突するなあと思った。

 

otonanswer.jp

 

 

2025年06月24日 昼ごはん

あごだしうどん

 

 

2025年06月24日 夜ごはん

焼きそばがメインの簡単な夜ごはん

いつものことだが、私の分を小盛にしたつけが、隣にいく。