Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

島木健作と有島兄弟について

 

年中繰り返し読みしている本がありまして。

島木健作さんの遺作にあたる日記なんですが、これに沢山の本が登場します。

読みかえす理由は、そこに出て来る本を追読しているから。

 

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「島木さんは里見弴が嫌いらしい」という話は前にしましたが、

その文章で引き合いに出された中山義秀も、「厚物咲」という作品も、この本で知り読みました。

 

 

今回は、ある日の日記に「岩野 ( 泡鳴 ) の短編をいくつか読んだ」という記載があり、

岩野泡鳴の作品を読んでみようと思い立ちました。

 

日記に中にはこう書かれています。

「人か熊か」という怪しい標題の作は、樺太の荒涼たる自然のなかにおける原始に近い生活を描いて、作柄は全然ちがふが、有島 ( 武郎 ) の、カイン、と好一對の作をなしている。

 

じゃ、泡鳴の短編と、有島武郎の「カインの末裔」を読み比べてみよう!

とまあ図書館で本を取り寄せて、これから読み始めようと思っているんですが、、、、

今日はその前にこんな話をさせてください。

 

 

私が思う、島木健作と里見弴の共通点

私は島木健作と里見弴の間に、勝手に共通点を感じています。

本人通しは、同じ鎌倉に住みながら交流はなかったようですけれど (-_-;)

以下は、私が二人のつながりを感じた事柄です。

 

1.北海道つながり

島木健作の出身地は北海道。

里見弴の父-有島武は国の事業の一環で北海道に農場を所有していた。

 

有島農場を引き継いで経営したのは有島武の長男-有島武郎。

彼は、その農場を全小作人に無償で解放しています。

kai-hokkaido.com

 

 

2.有島兄弟は社会主義者とも交流が深かった

資本主義の恩恵を受けて裕福に育ちながら、有島兄弟は実に自由な思考を持っていたようです。

有島武郎が、農場を小作人に無償で解放したのも、対極の社会主義に近い発想ではないでしょうか。

また、兄弟 ( 武郎と里見弴 ) とも大杉栄と交流を持っています。

 

有島武郎と大杉栄

1922年 ( 大正11年 ) 、大杉栄がベルリン国際無政府主義大会に参加するために密航を企図すると、密に渡航費を大杉に渡し、後に新聞記者に対して「僕は大杉君とは立場が違うが、ああいう器局の大きい人物を、いたずらに日本のようなせせっこましい所に置いて、内輪喧嘩をさせておくのは惜しいような気がしたので、世界の大勢を見てきたほうがよかろうと考えたからである」と談話している。

 (  大杉栄『日本脱出記』、大杉豊『日録・大杉栄伝』より ) 

 

弟の里見弴も、大杉栄の明るい性格が好もしく思っていたようで、

鵠沼にあった東屋旅館では、みんなピンポンをしたり大杉栄の部屋に集まって談笑したりしていたようです。

 

例えば宇野浩二「文学の三十年」に書かれた大正十年十月。そこに記されている同宿者の名前は絢爛といってもよい。

 

「鵠沼の東屋に十日あまり滞在したのは大正10年の10月頃である。さうして、前に述べたやうに、別々に出かけたのであるが、その時、東屋で一緒になったのは、里見弴、久米正雄、芥川龍之介、佐々木茂索、大杉栄、その他がゐた。さうして『私の短くない生涯のうちで、私に一番多くの人間的影響を与えたものに、作家では夏目漱石があり社会運動家では大杉栄がある、』と書いてゐる江口が、その頃、既に東京に引き上げて、東屋の近くで借家ずまひをしていた。」記・宇野浩二

 

「私が、その時、東屋に行くと、大杉が奥の二階の座敷にゐたので、私は、大杉の下の、奥の部屋に陣取ることにした。この部屋は、落ち着いてゐて、勉強するには持って来いであった。さうして、大杉の部屋は、見晴らしはようが、ぽかぽかして暖かく勉強するには適しなかった。その代わり、里見、久米、芥川、佐々木、ある時は谷崎潤一郎夫人の妹のせい子、その他が集まって楽しく遊ぶ時は、大杉の部屋に集まることにした。」記・宇野浩二

 

高三啓輔著『鵠沼・東屋旅館物語』p.94より

 

里見は、大杉と娘の魔子を自宅にも招いています。

これは、怡吾庵 ( 里見の家 ) の宿帳に書かれた大杉栄と魔子のサイン。

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里見弴 著『私の一日』p.99より

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以上のように、有島兄弟は、無政府主義や共産主義的思考の人物であっても、

隔てなく接してきました。

 

 

一方 島木さんも、なんやかや言っても有島兄弟の著書にちゃんと目を通しています。

※ 里見弴の「かね」、有島武郎の「カインの末裔」

嫌いといいながら、なんとなく里見弴を意識していたのではないかしら。

何がそう気に入らないのかなぁ。

懐けば親分肌の里見さんだもの、結構うまくいったのではないかなぁ。

島木さん、一体なにが気に喰わなかったのかしらねぇ。

 

 

明日は、岩野泡鳴の「人か熊か」のお話をします、たぶん・・・。

あるいは本の話になるかも、、、むむ。

 

 

 

 

 

 

 

本日の昼ごはん

金ちゃんラーメン

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本日の夜ごはん

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チキンカツはMOURI が買ってきたもの、それ以外は自作。

 

ジム帰りでお腹が空き始めたことと、ジムと同じビル内にスーパーがあるので、

こういうデリカに目がいってしまうのだそうです。

わかるわかる。

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えのきと明太子の炒め合わせ

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この組み合わせは調味料いらずです。

どうしてもというなら醤油をチロリ。

 

スーパーでまたちくわぶ買ってきました。

ほんとに好きなんだなぁ (;'∀')

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このかぼちゃ、Olympicで買ったんですが、わりかしでした。

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