Garadanikki

日々のことつれづれ Marcoのがらくた日記

ドラマ『神はサイコロを振らない』第3~4話 考察

 

ドラマ『神はサイコロを振らない』DVD2 ( 第3~4話 ) を観た。

とても面白い。

原作とはまた違う切口で仕立てているところが凄いと思った。

原作は、何人もの乗員乗客が3日の間にどう過ごしてきたかを丁寧に描いていたが、

ドラマは、少人数にしぼっていることで、友情・親子や恋人同士の情愛が浮き上がっている。

特に、主人公の黛ヤス子 ( 小林 ) と、事故機の客室乗務員・亜紀 ( ともさかりえ ) との、

友情と信頼関係が感動的に描かれている。またヤス子と、事故機のパイロット・哲也 ( 山本太郎 ) の恋人同士の相手を思う気持ちも心に残った。

 

 

ドラマにあった、タイムスリップの解説

下は、黛ヤス子 ( 小林聡美 ) と亜紀 ( ともさかりえ ) が、タイムスリップについて、

加藤教授 ( 大杉連 ) からレクチャーを受けるシーンだが、

これをみて時空のゆがみがよくイメージできた。

物理力学の話が、さっぱり理解できない亜紀に、ヤス子が言うシーンから始まる。

「物凄くラフに言うと、( 1996年の壁から2006年に出た ) ゴム風船みたいなもんじゃないかな。

ヤス子「でもまだわからないことが。

ぬふあうえ10年前のものはすべて消えるっておっしゃいましたよね。

ぬふあうえ服は、例えば彼女が来ていた乗務員の制服。」

「あーあんなもの、演技悪いから焼却炉で焼き捨てました」

加藤教授「いや焼いたとしても元の時間軸に戻る過程で再構成される、問題ない」

「じゃ今来ている服は?」

加藤教授「元に戻る際、その場に残る」

「中身だけが消えるんです」

ヤス子「裸になるんですか?」

「えっ困ります」

「現れた時の服装になって消えるということです」

「いつ着替えるんですか?」

加藤教授「だから瞬間的に移動する」

ヤス子「瞬間的に裸になる・・」

「えっ、もうどうしたらいいの?」

加藤教授「気にすんな。彼女にとっては不毛な会話だからだ」

「記憶も消えてしまうらしいんです」

加藤教授「つまり、この世界で起ったことは彼女の記憶からは消える。

ぬふあうえ奇跡の出来事は我々の中にだけ残る」

「えっ、ちょちょちょっと待って、つまり私の脳は」

加藤教授「ああ、なにもかも消えると言ったろ?」

「それは、私は死ぬってこと」

加藤教授「私の理論上では、そういうことだ」

「じゃ、何のために助かったの?あの時、あんな怖い思いをして、

ぬふあうえ何のために10年後の未来に来たのよ、意味ないじゃない。

ぬふあうえどうせ死んじゃうなら、今ここにこうしていることだって無意味じゃない。」

ヤス子「どこ行くの?」

「もういいじゃない」

ヤス子「教授の説がはずれる可能性もあります」

加藤教授「いや、ゼロに等しい」

ヤス子「でも絶対じゃありませんよね」

加藤教授「こういう言葉がある。

ぬふあうえ君に捧げよう、神はサイコロを振らない。

ぬふあうえ我々人間は、神のそれを受け入れるしかないんだ。」

加藤教授「可哀そうに、彼女をなぐさめてやるといい。

ぬふあうえもうどうしようもないことなんだから。」

ヤス子「どうしようもないからってひるむような人じゃありませんから。

     彼女はそんなやわな女じゃありませんから」

 

このシーンの前に、ヤス子の恋人で事故機の副操縦士である哲也 ( 山本太郎 ) が、ヤス子にくぎを刺すシーンがあった。

「俺たち ( 乗員乗客 ) があと8日で消滅することは、亜紀には絶対言うな。亜紀は戻ってこれてそりゃ喜んでるんだから。事故のことは『怖かった』と泣いてたんだから」

そんな哲也の言葉を振り切って、ヤス子は亜紀に消滅のことを打ち明けた。

 

加藤教授の話を聞いた亜紀は部屋を飛び出していなくなる。

ヤス子は亜紀が最後には東京タワーの展望室にやってくると思ってそこで待つことにした。

 

再会したヤス子と亜紀のシーン

亜 紀「あたしがいなかった間に色んなものが流行ったでしょ?

    Doctorコパとか、パラパラとか、寒天ダイエットに、ヨン様とか」

ヤス子「そんなのに、いちいち付き合わされずにホッとしてるよ」

亜 紀「退屈だった?」

ヤス子「穏やかだったよ」

亜 紀「つまんなかったんでしょー」

ヤス子「静かに過ごせて良かったよ」

亜 紀「あたしは悔しいよ。やっちの10年にあたしがいなかったのが悔しい。

    もうそばにいていっぱい振り回してあげたかったよ。

    28から38までの時間 一緒に過ごしたかった」

ヤス子「また、泣くか?」

亜 紀「泣かないよ、あたしね悔しいから、

    やっちの残された時間を豊かにすることにしたの」

ヤス子「残された時間はそっちの方でしょう」

亜 紀「や違う、やっちの時間だよ。

    だってあたしや哲がいなくなった後でさ、

    やっちはまた味気ない人生送るんだろうから。

    それまではあたしがそばにいて、やっちの残された人生を最高にしてやるよ。

    人生でもっても忘れられないかけがえのない時間にしてやるよ」

亜 紀「あたしはもう受けてたつよ。消えようがどうしようがなんでもきやがれ。

    なんでも受けてたとうじゃないの。

    やっち、正直に話してくれてありがとう」

亜 紀「それでこそやっち。それこそがやっちだぜ。

    あたしは大丈夫だよ、どうしようもないからひるむようなやわな女じゃないからね」

ヤス子「それでこそあっち。それこそがあっちだぜ」

 

原作では、気づけなかったテーマが、ここにあった。

消息を絶っていたYS-11が、10年後に姿を現した10日間は、事故機に乗り合わせた人にとってというよりも、遺された人たちが 愛する人とキチンと別れを惜しむための時間だったのではないかということを。

 

 

 

2025年06月09日 昼ごはん

蟹チャーハン

 

 

2025年06月09日 夜ごはん

本日は三品盛はなし

肉じゃがを食べて

 

トマトとクレソンのサラダを食べて

万願寺唐辛子を焼いて、腸詰で日本酒を楽しみました