川端康成 著『イタリアの歌』読了

「川端康成さんの小説は苦手」と言ったばかりだが、
この短編を読んで私の偏った概念は覆された。撤回します。
この作品の世界観は好き。テンポが心地よくたちまち魅了されました。
【あらすじ】
実験中の出火で火だるまになった戦争医学博士と、同じ火事で脚に火傷を負った女助手の話。
博士と助手はやがて結婚するだろうと思われた関係。
博士は重症で助かる見込みもなく、病院中に響きわたるほどの声で叫ぶ。
女助手は博士の臨終に「家なき子」の「イタリアの歌」を歌う。
【感想】
その人間全体が焔となり、わっ、わっと叫びながら、焔のまま飛び上がって、腕を振り狂っていた。ちょうど火の翼の蝶が悶死するありさまだ。
轟然たる爆音と共に、研究室から廊下へ飛び出した火達磨である。
駆けつけた人々は、人間の燃えていることよりも、その燃えている人間の実に高く飛び上がることに、先ず驚いた。火のついた稲子のようだ。
小説は、こんな衝撃的な書き出しで始まる。
体の1/3以上の大やけどを負った博士は、死をまつばかり。
もうどんな薬も注射も痛み止めさえ役に立たない。
病棟には、博士と同じような余命わずかな老人もいるが、扁桃腺摘出手術を受ける少女たちも入院している。この《死をまつばかり》の老人や博士と、《生命力あふれる》少女たちの対比が印象的だった。
女助手が歌う「イタリアの歌」とは、『ニーナの死』というイタリアの歌曲。
「ベッドで眠っているニーナを目覚めさせてほしい」という内容で、
彼女はこの歌を歌う理由はその歌詞にあったようだ。
下記のアドレスは、「イタリアの歌」「むすめごころ」「浅草の姉妹」「夕映えの少女」を、東京藝術大学院映像研究科の生徒によって映画化されたもの。Amazon ( レンタル306円 ) で見られる。
2025年11月28日 昼ごはん

2025年11月28日 夜ごはん
今夜は、BOSSと外食。
大好きな萬福さんで美味しい中華をごちそうになった。

