山本一力 著『ワシントンハイツの旋風 ( かぜ ) 』を読了

この本は、図書館の《渋谷コーナー》にあった本を4~5冊まとめて借りてきた中の一冊だった。
この小説は、時代小説作家の山本一力さんの自伝的作品。
山本さんの略歴を見ると、
高知県に生まれ。生家は大地主であったが没落、昭和37年 ( 1962 ) 14歳の時に上京し。
渋谷区富ヶ谷の新聞販売所に住み込んで、代々木のワシントンハイツ ( 米軍家庭用居住宿舎 ) など、渋谷区一帯で新聞配達をする日々を送った。
その後通信機器輸出会社、大手旅行会社 ( 近畿日本ツーリスト )、コピーライターなど十数回の転職を経て作家になった。
とあり、小説の主人公・謙吾が上京した年から、新聞販売所の住み込み配達員になったことから、卒業した高校 ( 都立世田谷工業高校 ) まで全く同じだった。
謙吾は、ワシントンハイツをで新聞配達をしている時に英語を学び、その英語力を生かして旅行会社に就職する。ここでも会社名はKNツーリストだし、学校名を始め店名、地名 すべて実名で書かれている。
恋人も実名?
流石にそれはないと思うが、小説に出てくる恋人の家への道順もかなり詳しい。
最初に付き合った年上のピアノ教室の先生・奈津子の家も《代々木上原の路線横》とあり。
奈津子に隠れて新しい彼女・千鶴子と自分のアパートに行くシーンでは 《奈津子の家の前を通らずに、富谷小学校の角を左に折れ、上り坂が続くが、この道を行く限りは奈津子の家からは遠ざかる》という文章でも実名の小学校なので「あそこの道か」と、あまりにそのまますぎて笑ってしまった。
古い地図と照らし合わせたくなる

1957年の渋谷区西部の火災保険図には、代々木八幡駅から渋谷方面 ( 下方向 ) に進み、
くの字に曲がったあたりに、住み込みで働いていたという「読売新聞富ヶ谷 ( 出 )」の文字がある。

地図にある八百屋・富沢は今もあるので、その三~四軒先

このビルあたり ⤵ に当時の読売新聞富ヶ谷 販売所があったものと思われる。

他にもワシントンハイツの仲良くなった友達の家に、クリスマスのプレゼントで買って行ったという、「アメリカンベーカリー 一個10円の揚げあんパン」の店もあったり、

高校生の時に教会で出会った史子のシーンでは、
有名な料亭「初波奈」の名前や、ベテル教会の名前も出てきてワクワクした。
作者が渋谷の街を闊歩した頃は、まだ私は渋谷にいなかったし、世代も一まわり下なのだが、東京オリンピック、ケネディ暗殺、大坂万博など懐かしい話題が出てきて面白く読んだ。
ひとつだけダメだったのは、数々の女性との性描写が多いことだった、
まあそれが青春なのかも知れないけれど 💦
本日の昼ごはん
金ちゃんの鍋焼きうどん

本日の夜ごはん
ひとりごはんなので、野菜を沢山乗せた冷やしラーメンをつるつる
